【記者の目】TOKIO、今後をファンと世論にゆだねた形に…残念
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強制わいせつ容疑で書類送検されたTOKIOの山口達也(46)が起訴猶予処分となったことを受け、同グループの城島茂(47)、国分太一(43)、松岡昌宏(41)、長瀬智也(39)の4人が2日、東京都内で緊急会見した。
むなしさと徒労感を覚えた1時間半だった。TOKIO・山口のハレンチ事件と起訴猶予処分を受け、城島らメンバー4人が開いた謝罪会見。真摯に思いを吐露した本人たちも同じ気持ちかもしれないとふと思う。
4人は、今回の事件に強い連帯責任を感じており、誰もが当事者のように被害者とその家族に謝った。仲間が傷つけた女子高生の心の傷をなんとか癒やしたいという気持ちもよく分かった。
しかし、4人に非はない。謝罪を繰り返すことが、果たして被害者の心に響くのだろうか。山口の事件発覚を受け、各自が文書やテレビ番組で謝罪しているのだから、改めて会見するならリーダーの城島が代表すればよかったのではないか。
しかも、城島は辞表を受け取った上で「まだ答えは出ていませんが、僕らは頑張っていくしかない」と保留したことを報告。
無期限謹慎中の山口が被害者と自身に向き合うことに専念し、他の4人は個々の仕事に全力を注ぐしかない、ということは誰もが理解しており、会見を行うなら脱退、残留など明確な“答え”があると思っていた人も多いのではないか。
注目されるTOKIOとしての音楽活動も白紙というだけで、休止も含めて詳細を明言しなかった。突然の辞表に4人が戸惑うのは分かるが、会見をするならグループとしての今後の“進捗状況”を説明してほしかったと思う。
今は目の前の仕事を頑張っていくしかない、という“反省”は伝わるが、山口とTOKIOの今後をファンと世論の動向にゆだねた格好になってしまった。
TOKIOらしくスパッと男気ある具体的な決断も聞きたかったというのが本音だ。 (編集委員・森岡真一郎)