眩い星がぎっしり…。
先日、欧州宇宙機関(EPA)は宇宙望遠鏡ガイアが観測した17億個の恒星に関するデータを公開しました。それとともに公開された宇宙地図は、天の川銀河と近傍の銀河にある星々の観測データを反映したものです。こちら非常に美しいのですが、星の数があまりにも多すぎて、じっくり観るにはぐーんと拡大する必要がありそう。
今回で2回目となるガイアのデータ公開は非常に充実した内容になっています。観測された17億個の恒星のうち、13億個以上の恒星については宇宙空間での動き方や色、年周視差も収録。また数多の星々の視線速度(視線方向の速度)やダストの量、地表温度、そして小惑星を含む14万個の太陽系の天体が掲載された、とんでもなく膨大なカタログとなっています。
ガイアの科学的運用責任者のUwe Lammersは「天文学者がどう解釈するかは、時間が経てばわかるでしょう」と米Gizmodoに語っています。
中にはすでにこのデータを活用し始めている天文学者もいて、トリノ天体物理観測所の天文学者Ronald Drimmelは天の川銀河の渦状腕に関するデータをもとに、星の位置とその速度に関する図表をツイートしています。
また、ESAもデータを可視化したものをいくつも投稿しています。下の図はおよそ90個近もある近傍銀河の軌跡を図解したもので、青色は球状星団と呼ばれる星の集団、赤色は矮小銀河を表しています。右下には、かの有名な大マゼラン雲と小マゼラン雲の姿も見えますね。
そしてこちらは太陽の周りを回る小惑星の軌道を、その明るさに基づいて色分けして表した図。
美しい……。
でも、これらはほんの手始めに過ぎません。天の川銀河をもっと理解していくには、そう願う科学者たちがさらにこれらのデータを精査、分析し、調べていく必要があります。この作業は何年もかかるでしょう。その作業が終わった頃、2020年代にガイアは3回目のデータ公開を行なう予定です。わー、エンドレスですね。
ガイアは2013年に打ち上げられ、150万キロ離れたところを地球と同じ速度で太陽を周回しています。遠いところで一人ぼっちで頑張ってくれてるガイアに、ありがとう。
公開されたデータはこちらから確認できます:アーカイブ、概要&ガイダンス、詳細な説明。
Image: ESA, Twitter
Source: ESA (1, 2, 3)
Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]
(たもり)