2018年5月1日、韓国・京郷新聞によると、靖国神社に爆発物を設置した罪で懲役4年の判決を受け、日本の刑務所に収監されている韓国人、全昶漢(チョン・チャンハン)受刑者が「深刻な人権侵害を受けている」と主張した。
全受刑者の母親イ・サンヒさんは同日、全受刑者からの手紙を公開した。手紙には、今年1月から刑務所内の自身の部屋にまかれているガスに苦しんでおり、3月には死んでもおかしくないほどの量がまかれたとの内容が書かれていたという。全受刑者は「刑務所とやくざがグルになって僕を暗殺しようとしている」とし、その理由について「僕が政治犯だから」と主張。「韓国政府にこの事実を伝えてほしい」と訴え、「こういう時こそしっかりしなければならず、傷ついてはいられない。僕が靖国神社にあんなことをしたのは、ただ突然頭がおかしくなったからではない」と主張したという。
全受刑者は昨年10月にも、日本人受刑者から暴言や暴行を受けていると主張していた。手紙で全受刑者は「昨年11月から日本の法務省に苦情を訴えているものの返事はない」とも明らかにしたそうだ。
この手紙を受け、サンヒさんは「日本の刑務所が人権を侵害したと自ら認めるわけがない。息子は日本人の中に1人閉じ込められているか弱い良心の囚人に過ぎず、巨大な権力に勝てるはずがない」とし、「息子が生きて出所できるか分からないという不安と危険の中で毎日暮らしている」と述べたという。
これについて、韓国外交部は日本の刑務所から「ガスや消毒薬をまいた事実はない」との回答を得たといい、同部の関係者は「人権侵害疑惑が浮上してから面会を繰り返し、管理している。(全受刑者は)労役などの行刑や診療を拒否して7回ほど独房を行き来している」と明かした。
全受刑者と家族らは韓国での収監生活を望んでおり、韓国法務部は今年1月に日本に移監を要請。関係者は「全氏を韓国内に移送するには日本の同意が必要だが、日本はまだ同意の可否を検討中」と説明したという。
この報道に、韓国のネットユーザーからは「危険だ。早く帰国させるべき」「彼は愛国者。ただちに連れ戻そう」「外交部はもっと積極的に対応するべき」「何かの実験台にされているのでは?」「これは大変なこと。日本人から救うべき」など全受刑者の移監を求める声が多く上がっている。
一方で「罪を犯したのだから耐えるしかない」と主張する声や、「ただの被害妄想?」「事実を確認すべきだけど、(全受刑者の主張は)何かうそっぽい」「心が不安定に見える。全てを信じるのは危険」と疑う声も出ている。(翻訳・編集/堂本)
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