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米国統合医療ノート RSSフィード

 食事・微量栄養素・サプリの研究が世界中でどんどん進み、その効果も限界も、
 次第に明らかになっています。このブログではその最新情報をご紹介します。

2009年10月22日

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グレープフルーツは乳がんを招かないAdd Starfudouryu

グレープフルーツを食べると乳がんのリスクが高まるという報告があり、以前に紹介しました(こちら)。しかし今回全く逆に、グレープフルーツを食べても乳がんリスクは上がらない、という報告が出ました。

エストロゲン(女性ホルモン)は乳がんのリスクを高めます。エストロゲンは肝臓で代謝(分解)されますが、そのときCYP 3A4という酵素が働きます。しかしグレープフルーツの成分は、その酵素の働きを阻害します。

その結果エストロゲンの分解が滞り、血中のエストロゲン濃度が上がり、乳がんのリスクが高まる、と説明されていました。

前の報告は、実際にハワイとロサンゼルスの閉経後女性46,080人を7年間観察したら、1日60g(4分の1個)以上のグレープフルーツを食べると乳がんのリスクが30%高まることがわかった、というものでした。

ところが今回は、フランスの研究者が閉経前の女性も含めて114,504人を9.5年間観察し、どう分析しても何の影響も見られない、という結論を出しました。

両方あわせると、心配するほどの影響ではなさそうだ、ということのようです。

でもグレープフルーツ(ジュース)が薬の代謝を変えてしまう事実は変わりません。薬といっしょには摂らないようにしましょう。

(last updated 10/22/2009 H)