子だくさんナースうさぎです。
今回は薬の副作用の話。
前提として、この記事はナースうさぎの十数年の看護師経験によるものです。製薬会社の統計データではちょっと出てこない話をしたいと思います。
うちの病院には単なる病気で通院する方がいますけど、薬で副作用が出た、という患者さんも来られます。
それで、長年看護師をしていると副作用が多い薬剤がわかるんですね。今回は薬による副作用で受診した患者さんが多いものを紹介したいと思います。
目次
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モーラステープの光線過敏症
モーラステープ。これは副作用件数がダントツに多い薬剤です。
モーラステープによる赤みかゆみ腫れかぶれは毎日とはいいませんが、毎週のように患者さんが受診されます。
とくにモーラステープによる光線過敏症の患者さんが多い。
※光線過敏症⇒モーラステープを貼り、それをはがした部位に日光などの紫外線が当たると、ひどい腫れや炎症がおきる。少なくとも数週間は日光に当てないようにとの注意喚起があるが、湿布を貼り終えてから1年後に紫外線に当たり光線過敏症の副作用が出た人もいます。
湿布のカタチどおりに腫れる!!
出典:http://infomedical.jp/?p=386
対策としては
モーラステープは、日光に当たらない部位にだけ貼る
ということですね。
上の副作用画像のように、(紫外線が常時当たる)手の甲とかになぜかモーラステープを処方する医師がいますけど、そしてそのまま投薬する薬剤師がいますけど、これは論外です。
医師・薬剤師が病気の副作用を作りだす ⇒ 病院・薬局が儲かる
という金儲けの構図です。
話はそれましたが、紫外線が当たりにくい部位と言えば腰や背中などですね。腰や背中などは、紫外線にさらされる機会はほとんどないと考えられるのでモーラステープの使用が適していると言えます。
高齢者などは腕や足なども紫外線を当てることがほとんどないため、モーラステープを使用できるのでは、と考えています。
実際、モーラステープの副作用で受診する方の多くは
モーラステープを家族からもらい貼った
モーラステープを指示された部位以外に貼った
このケースが大半を占めます。自分の処方された、指示された部位にだけモーラステープを貼ることも大切です。
紫外線がよく当たると考えられる、手の甲・手首・首の後ろなどの痛みには、モーラステープでなく他の湿布が良いでしょうね。うちの病院では、モーラステープの代替薬としてロキソニンテープを出しています。
ロキソニンテープには光線過敏症の副作用がありません。
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イブAの固定薬疹
薬による副作用は何も病院の処方薬ばかりではありません。市販薬でも副作用が多い薬剤があります。その代表がイブA。
イブAは人気があります。それだけ副作用の件数も多いんですね。イブAの副作用で受診する方は
口唇の腫れ、手の腫れ、体の発疹
で受診されることが多いです。私のところでは、月に数人は受診されます。
イブAの副作用は、一般的に頻度が多いのは
固定薬疹(こていやくしん)
と呼ばれる症状です。
※固定薬疹
⇒丸くてアザのような赤い腫れがいくつも出現します。口唇や陰部、手足の甲などに出やすいと思います。薬をくりかえし飲んだ場合、いつも同じ場所に同じような薬疹が何度もできることが多いです。
出典:http://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/ika/150418-070000.php
対策としては、イブAに含まれる薬剤
イブプロフェン
アリルイソプロピルアセチル尿素
を避けること。
イブAが合わないと言う患者さんは多くて、そのほとんどの方が、
「私はイブの主成分イブプロフェンが体に合わない」
と思っている方がいます。
これは合っているようで、合っていない。
イブAのもうひとつの成分
アリルイソプロピルアセチル尿素が合わないって方も多いんです。
イブAで口唇の腫れなどがある方は
イブプロフェン
アリルイソプロピルアセチル尿素
の2成分を避けるのが望ましいです。
うちの病院では、
処方薬では
カロナール(成分はアセトアミノフェン)
市販薬では
タイレノール(成分はアセトアミノフェン)
を代替薬として患者さんにすすめています。
セレコックスの過敏症
セレコックスは整形外科などでよく処方される痛み止めです。ひざの痛み、腰痛、関節痛などに使用されます。
ロキソニンやボルタレンなどと同じように体にはたらき、痛みを取ります。胃腸の副作用が少ないとされ、作用が強いので医師にも好まれますが、私が気になっているのは副作用の多さです。
メーカーの統計データによると副作用の発生頻度は少ないですが、私は名指ししてまでここに載せたいのは、
セレコックスを飲んだ方で体中に赤みかゆみが出る人が異常に多い
と感じるからです。
これは薬疹の一種。実際にはいろんなタイプの薬疹がある(赤みが小さかったり、全体的に赤みが出たり)。
出典:https://medicalnote.jp/contents/160108-000041-MENAGY
メーカー(第一三共)にこのことを聞いてみると、
「セレコックスは処方が多く、服用する人も多く、そのため副作用件数が多い。」
という説明がありました。
でも私は違うと思う。痛み止めの処方数ならロキソニンやボルタレンの方が多いです。それなのにロキソニンやボルタレンの副作用で受診する患者さんはセレコックスに比べてとても少ないです。年にほんの数人でしょうか?
セレコックスはとにかく体の発疹の副作用で受診する患者さんが多い。セレコックスを処方しないで、飲まないでって言いたいのでなく、このブログを読んで下さる方、そのご家族の方に、副作用に十分注意していただきたいと思っています。
ここで、薬が合わないのって
薬を飲んでから数時間で体にかゆみや赤みが出る
と思っていませんか?
実際はもうちょっと長いスパンで様子を見る必要があります。
薬を1度や2度飲んで何もなかったから大丈夫、というのはちょっと早計です。
実際には薬を飲み始めて2週間は注意が必要
過去にある薬を服用していて、再度同じ薬を飲んだ時などにも副作用が出やすい
このことを覚えておいていただきたいと思います。
副作用の出方としては赤みやかゆみが最も多いことから、その初期症状を見逃さずすみやかに受診していただきたいものです。そして上に挙げた薬剤の、より一層の注意喚起をメーカー、医療者に求めたいと思います。
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id:riecoro ロキソニンは胃痛が酷い割にはあまり効かなかったのですが、セレコックスに変えてから効果もあるし胃痛もほぼ0になりました♪もうロキソニンには戻れません^^
⇒コメントありがとう!そう、セレコックスが合う、そんな方も多いと思います。胃への刺激はたしかにセレコックスは少ないんですよ。
ただ、薬疹などの副作用件数は多いです。セレコックスは、「紅斑」と呼ばれる副作用の件数が、すべての薬剤の中で、第5位 という不名誉な記録を持っています(海外データ)。