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2014年10月19日 (日)

スズカン文科省参与 下村大臣とのタッグに期待する

 下村博文・文部科学相がスズカンこと鈴木寛・元文部科学副大臣を文部科学省参与に任命したと知った時、驚きはしたが意外性は感じなかった。

 後出しジャンケンのようで恐縮だが本社は以前、両者がタッグを組むよう論陣を張ろうとして下調べに着手したことがあった。その時は下村氏が実際スズカンをどう評価しているのか、確証が得られず頓挫していた。

 それが17日の記者会見で、下村大臣自身が「党派を超えて前から高く評価していた」と明かした。スズカンが民主党に在籍したままでは、なかなか語られなかった言葉であろう。

 本社が副大臣時代のスズカンに対して厳しい論評を加えつつも、いずれ彼が文科相に就任することに期待さえ表明したのは以前紹介した通りである。安倍晋三首相の「お友達」である一方で苦学経験のある下村大臣の文教行政に対して期待しながら警戒する立場にも、変わりはない。まして今や一民間人でしかないスズカンが、政務三役のトップである大臣の歯止めにはなるまい。

 しかし2人が関係者も交えた熟議を行えば、お互いの足りない点を補い合うだけでなく相乗効果による未来志向の政策構想が期待できよう。会見でも下村大臣は、スズカンに期待することとして大学入試学習指導要領の抜本改革を例に挙げた。これも本社がかねて改革の推進を強く主張してきた点である。

 しょせんは“文教族”内部のタッグであり財政当局に対する突破能力はないかもしれない。しかし現状分析と将来構想の壮大な絵を描くのはスズカンの得意分野であり、政治家としての胆力で実行を迫るのは下村大臣を措いて他にない。「都会派」と「田舎派」(朝日新聞2014年10月5日、星浩特別編集委員「日曜に想う」)の連携とも言える。

 下村文教行政の右ブレ政策には、引き続き監視を強めていきたい。しかし下村―スズカンラインの政策提言には、大いに期待する。

 いずれ下村首相の下でスズカン文科相が誕生しないか――そこまで夢想するのは、いくら何でもひいきの引き倒しかもしれない。しかし個人的な感情と信条はさておき、教育界および日本の将来にはアベノミクスだのアベデュケーションだのよりプラスに働くであろうことは疑いない。

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