【大相撲】稀勢の里、復活ロード切り開く 松坂熱投を励みに2018年5月2日 紙面から
横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が1日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で本格的な稽古を再開し、弟弟子の大関高安(28)と4番取って全勝だった。4月30日に日本球界で約12年ぶりとなる白星を挙げた中日・松坂大輔投手(37)の熱投を励みに、夏場所に向けてペースを上げていく。 「松坂世代ですから」 野球に打ち込んだ少年時代に憧れたからこそのジョークで、6歳年上の右腕の復活劇を祝福した。印象に残っているマウンド上の姿は「やっぱりPL(学園)戦だよね」。横浜高3年、延長17回を投げ抜いた夏の甲子園準々決勝を即座に挙げるなど、思い入れは強い。 「競技も違うけど、個人的にはうれしかった。皆もそうじゃないの? 田島が抑えてくれてよかったよ」。親交の深い竜の守護神が、きっちり締めたこともあって朝稽古後、話題を振った報道陣にご機嫌で語った。 夏場所出場の可否は明言していないが、途中合流した春巡業で精力的に土俵に上がり、体づくりは順調。3日の横綱審議委員会の稽古総見への参加する方針も明言し、必死の調整を続けている。 6場所連続休場中の稀勢の里と、過去3年間で1試合の登板だった松坂。同じような苦境から、平成の怪物が先に再起への第一歩を刻んだ。 「もともと、レベルが違うから」と謙遜しながらも「まあ、一つ一つ」と力強くうなずいた横綱。かつてのヒーローに刺激を受け、復活ロードを切り開く。 (志村拓) |