Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

3%の節目など忘れろ-米国債、強気相場はもうとっくに終了

  • 米国債、インフレ調整済みのリターンは2014年末以降マイナス
  • 「実際、投資利益を生み出していない」というのが忌まわしい事実

米国債利回りは先週、2014年以降で初めて3%を一時上回り、ポール・チューダー・ジョーンズ氏やレイ・ダリオ氏ら著名投資家は金利上昇と債務膨張を理由に本格的な弱気市場入りが避けられないと語った。一方、しぶとく生き残っている強気派は、悲観的な予言はいつものように外れることになるだろうと応戦した。

  だが、双方とも重要な点を見落としている。30年間も続いた米国債の強気相場はもうとっくに終わっていると言うことだ。

  ここ数年は米国債のリターンが低調で、低空飛行が続くインフレ率にすら及んでいないというのが事実だ。ブルームバーグがまとめたデータによると、2014年末以降の米国債のリターンは年平均1.4%に過ぎず、年間インフレ率の1.64%を下回る。言い換えれば、インフレ調整後では投資資金を失っていることになる。

You Call This a Bull Market?

Treasuries failed to beat inflation for the first time since 1981, when U.S. government bonds were in the final throes of the last full-on bear market.

Source: Bloomberg

Returns based on Bloomberg Barclays U.S. Treasury Index

  この現象は、米国債が直近で最後に複数年にまたがる弱気相場を終えた1981年以降で初めてだ。

  マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・シャウル氏は「プラスのリターンを上げられていない市場は、私が持つ強気相場の単純な定義に当てはまらない」と指摘。「強気相場の終了や弱気相場の開始を話題にしている投資家は全員、実際にはもはや利益を生まず、それが数年続いているという現状に適応できていない」と述べた。

原題:Forget 3%. That Amazing Bull Run in Treasuries Ended Years Ago.(抜粋)

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