DJWarpの音楽の旅

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DJ論は不要なのか?

ドンチッ♪ドンチッ♪

テクノー!

こんにちは。テクノ大好きおじさんです!

 今回はDJにとってDJ論は不要なのか?について考えました。

 

DJが(昔に比べて)簡単に誰にでもできるようになった現代においてDJについて論じられる事も多くなってきました。

特定のジャンルの音楽人口が増えたり、市場が成熟化していくと音楽を文字で表していく表現も当然増えていきます。

ところが、論理ばかりが先走って目に触れやすい情報化社会のせいなのか、音楽性や考え方の幅が広がったせいなのか、DJ論への嫌悪をあらわにする方も増えてきました。ツイッターで「DJ論」で検索をすると面白いほどネガティブなワードとして使われています。

 

DJ論が煙たがられるのは、本来は表に出てこなくていい部分が見えてしまうように思えるからでしょうか?

例えば、美味しい料理を食べて楽しみたいだけなのに、食肉の加工過程や料理に向かう精神論のようなものを聞かされると「純粋に楽しみたいだけなのに・・料理が美味しくなくなるやんか・・」とウンザリしてしまうような感じに似ているような気がします。

それとも、自由であるはずの「嗜好」の部分について押し付けがましく理論を振りかざすように思えるからでしょうか?

そもそも、ダンスミュージックなのだから、ブルースリーばりに「考えるな、感じろ」って考えが当たり前ってことなのでしょうか?

 

果たしてDJ論は必要ないのでしょうか?

 

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私の結論

DJが自分のDJ論を持つって、とても良い事やん。必要。

でも人に押し付けるモノでは無いし、好きならそれでいい。

 

はい。いきなり私の出した結論はこちらです。私は自分の好きな事についてアレコレと深く語れるだけの引き出しがある事はとても良い事だと思います。

仕事以外で、時間やお金を費やしてこだわりを強く持って打ち込めるものがあるという事は本当に素晴らしい事です。

好きな事へのこだわりや、自分なりの考え方を持つのは当然のことです。

 

DJがDJの事を語ると「DJ論」と揶揄されてしまう風潮は「意識高い系」という言葉の成り立ちにちょっと似ている気がします。

ちなみに「意識高い系」のWikiにはこのように書かれていました。

*引用ここから*

2000年代半ばに、就職活動の場面において使われ出した「意識が高い学生」という言葉は「能力が高く、知識も経験も豊富な優秀な人材」という意味を持ち、ネガティブなイメージは無かった。しかし、2008年に発生したリーマン・ショックの影響により学生の求人が減ったことや、TwitterFacebookなどのサービスが日本に上陸したことで、目立ちたがりの学生が実際に目に着くようになった。学生が各種講演会に出向いたり学生団体を立ち上げたりしたことをSNSに投稿するようになり、その欺瞞的態度に対する批判が挙がった。朝日新聞社が運営するwithnewsは、2008年時点で既に「意識の高い学生」という言葉は末尾に「(笑)」が付けられるなど嘲笑の対象とされており、2010年になるともはや嫌悪の対象となっていたと報じている。また、朝日新聞の記事は、2000年代半ばの「意識が高い学生」はSNSを駆使するなど周囲から持てはやされていたのに対して、2010年頃から「見掛けは良くても成果が無い」とネット上で批判され始めるようになり、瞬く間に批判的な意味として定着するようになったとしている

*引用ここまで*

 今「DJ論」という言葉がネタに使われ出しているのと似ている気がしますね。

「DJ論を語るとバカにされるから自分はDJだけどDJ論なんて持ってません」というのも人に流されているだけで個性を自ら封印するようなもので、あるべき姿とも思えません。

10人DJがいれば10通りのDJ論があって当然だし、当然正解もありません。人にひけらかす必要も押し付ける必要もありません。

「論」と書いてるので難しいこと言ってるように思えてしまうかもしれませんが、「軸」とか「個性」と入れ替えて考えるとしっくりくると思います。

私はDJが何かしらの「自分の世界観」を持ってプレイすることはとても大切だと思います。 

たとえ初心者の方でも「大好きなあの曲だけはプレイできるように組み立てようー!」とか、「今持っている曲とスキルの中で最大限やり切る!」といった意気込みだけでも立派なその人なりのDJ論だと思います。

 

とは言え、ここまで言っといて何ですが、「DJ論」なんて持ってなくても好きならそれでいいとも思います。好きってだけで十分なんだもの。好きって事はこだわり持ってるハズだし、それをわざわざ「DJ論」なんて呼び方するまでも無いですもんね。

色とりどりの個性があるべきで、要は自分が自分の意思で自分の色を選択しているかどうか?という事が重要であり、自分で選択した自分の色の延長線上にDJ論を持っていれば、より強い武器となり得る。という事ではないでしょうか。

 

「論」と呼ぶほど深い内容があるのか?

 

「論」と呼ぶからには体系的にまとまられた内容や再現性のある思考方法が存在するのでしょうか?

例えばDJにとって要となる「選曲」について考えてみましょう。

次にプレイする曲をどのようにして選ぶのか?一見簡単そうですよね。 

私もある本を読むまでは、「選曲なんてインスピレーションだし、感覚的な事。自分の感覚的な部分について人からアレコレ言われたくなんかない。俺は俺が好きなように選ぶし、俺が楽しむ事が俺の個性であり選曲だ!」という思いでやっていました。

 

しかし、沖野修也さんの著書「DJ選曲術」という本を読んでMIDIコンで頭を殴られた様なショックを受けました。

ここまで深く考えているのか…と。

この本では250ページに渡って選曲についての向き合い方や、テクニック、DJ MIXの分析などが書かれています。

例えば1曲を12の便宜的な音楽ジャンルと16の音楽的要素、3つの周辺情報という側面から見つめて曲を選んだり、テーマやストーリー、前後の関連性、意外性、自分のスタイルといった切り口から選曲を考えたり・・と、とにかく深い!

しかも、選曲術というタイトルだけあって選曲のスキルが身につく本なのです。

これだけ綺麗にまとまっているのであれば、これはまさに選曲論と呼べるでしょう。

 

自分がなぜ選曲をするのか?誰にどんな気分になって欲しいのか?どのようにすれば個性を発揮できるのか?など様々な事を考え抜いて1000曲の中から10曲を選んでプレイするDJと、何も考えずに30曲の中から10曲選んでプレイするDJではプレイの質に差が生まれて当然では無いでしょうか?(曲をたくさん用意すればいいって話でもありませんが・・)

例えば、誰かに喜んで欲しくて目利きをして厳選した食材を集め、たくさんの調味料や一流の道具で、自分の持つ調理法の知識をフル動員して作られる料理と、冷蔵庫に残っていた少ない食材を元に最短で作った料理では味に差が生まれるのは当たり前に思えますよね。それと同じです。

逆に自分の努力次第では冷蔵庫の残り物でも最大限の美味しさを引き出す料理を作ることができるようになるかもしれません。

少しでもDJとしてできる事を追求したいのであれば、自分なりの考えや軸を持つことはとても大切なことです。

 

著者である沖野さんのプレイするジャンルと私のプレイするジャンルは違いますが、どのようなジャンルの方でも参考になる内容です。まだ読んだことのない方は是非読んでいただきたいと思います。既に実践している事もあるでしょうし、私は目からウロコが落ちました。

またDJだけでなく、自分でドライブ用に作るプレイリストや、通勤通学やお出かけ先でスマホで聴くプレイリストを作る方にも大変参考になります。

今は気軽にストリーミングサービスなどで人の作ったプレイリストを聞く事ができますが、自分で選んで組んだプレイリストの方が楽しいに決まっていますもんね。選曲について深く考える事で音楽と向かい合い新たな発見や、驚きが待ち構えている事でしょう。

「DJ選曲術」は初版が2005年と古いですが今でも十分な読み応えがあります。

 

・・と思ったらもう中古本でしか手に入らない様子。

気になる方はググって買ってください。

正式なタイトルはこちら。

「DJ選曲術 何を考えながらDJは曲を選びそしてつないでいるのか? 」沖野修也

 

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 無粋なのでアマゾンのリンクなんて貼りません、自力で探してください♪

 

話を「DJ論」に戻すと、これくらい深い自分なりの「方法や考え方」を持っているDJは信頼できるDJといえるでしょうか?もちろん言えますよね!

自分の中に軸を持つ事で自信にも繋がりますし、軸が磨かれて個性が光り始めることにも繋がります。 

 

という事で、私は

DJが自分のDJ論を持つって、とても良い事やん。必要。

でも人に押し付けるモノでは無いし、好きならそれでいい。

と思います。

タイトルだけ見て「フンっ!またDJ論の話かよ」って思ってここまで読まなかった方には元々DJ論など必要の無い方なので、それはそれでいいと思います。だって自由なんだし。クラブに遊びに行く立場からすると、そんな話聞きたくないしってこともあるでしょう。DJさんでも天性の才能があって、DJ論なんて無くても十分できています!って人もたくさんいますし、羨ましくも思います。

 

ちなみに私は楽しいプレイをするDJにはDJ論など必要ないと思いますが、気持ちのいいDJをするDJには必要だと思います。気持ちのいいDJをするには選曲やイコライジングミックスなど総合的なバランスが必要ですので、きっと気持ちの良いプレイをするDJ さんは自分なりのDJ論を持っているはず

 

クラブで気持ちの良いプレイをしているDJさんがいたら、どんな事に気をつけてプレイしていたのか声をかけてみよー!きっと教えてくれるはず!

さぁ!クラブへ行こ〜!