東京宝塚劇場に行ってきた。
久しぶりの聖地巡礼で驚いたのが、静かだった日比谷駅界隈がすっかり様変わりしていたこと。
人々のお目当ては、日比谷ミッドタウン。
3月にオープンした新しい商業施設だ。
ゴールデンウィークということもあって、エレベーターは20分待ち。
エスカレーターに乗るためには、ヘビのようにトグロを巻いた人の流れに身を連ね、ぐるぐると何周も回らなければならない。
人の波を見ていると、水族館で回遊魚を眺めているような気分になった。
わたしもまた一匹の回遊魚とならん!と二階まで上がったはいいが、マスゲームのような人の動きに目がチカチカしてきて、すぐにミッドタウンを後にした。
あの周辺はもともと、宝塚を含む舞台芸術のメッカ。
観劇前は胸を踊らせ、観劇後は余韻とともにそぞろ歩く場所。
なんだか、縄張りを荒らされた動物の気持ちが分かったような気がした。
タカラヅカについて少し語ろう。
言わずと知れた、世界にも稀に見る女性だけで構成された歌劇団である。
トップスターの魅力ばかりが取り沙汰される傾向にあるが、舞台はそれを取り巻くすべての要素が一つになったとき、初めて芸術として動き出すものだと考えている。
音楽、舞踊、お芝居、絵画に建築、文学そしてテクノロジー。
いろんな分野から結集された技術や才能が相まって、演劇やパフォーマンスは生まれる。
そういった意味で、宝塚歌劇を総合芸術だと捉えているわたしは、組や演目に関わらず、機会さえあればいつでも観たいと思っている。
昨日の月組による「カンパニー」「BADDY」も素晴らしかった。
一番手も二番手も三番手も、端っこにいる子だって、みんな本当に輝いている。
舞台芸術の醍醐味は、表に出る人だけでなく、一つの舞台が成立するまでに、たくさんの人の手がかけられるところにある。
このように、タカラヅカを俯瞰で見ているわたしにも、かつては身を焦がすほど盲目的な愛を捧げた男、もとい、男役がいる。
しかも、ふたり。
初めて好きになった男、もとい、男役の名は「和央ようか」
浮世離れしたルックス、現代的でクールな佇まい。
大人の包容力にあふれた演技は、多くのファンを熱狂させた。
彼、もとい、彼女(しつこいって?w)が退団すると決まったときは、この世の終わりかというくらいショックだった。
あまりの落胆ぶりに、当時保育園に通っていた息子からも慰められたほどだ。
「お母さん、元気出しなよ。また新しく好きな人できるって」
彼の言った通り、頰を伝う涙も乾かぬまま、わたしは再び恋に落ちた。
その男(役)の名は「瀬奈じゅん」
明るく情熱的な雰囲気の中に、独特のセクシーな翳りがあって、和央さんとはまた違った魅力があった。
恋も二度目なら〜少しは上手に〜愛のメッセージ伝えたい〜とばかりに、客席からビームを送る日々。
瀬奈さんが男役として円熟期を迎えたころ、グレートギャツビーを演るという話が舞い込んだ。
まさか、自分の大学の卒業論文のテーマを、大好きな役者さんが演じてくれるなんて!
勝手に運命を感じたわたしは、この公演に何度も足を運ぶことになった。
今日は調子良さそう。
あ、いま声裏返った。
ちょっと疲れてる?
そんなことまでわかってしまうくらい、ヅカファンというのはご贔屓に入れあげるものなのだ。
瀬奈さんが辞めてからは、喪に服すようにちんまりと過ごしていたが、徐々に前向きになり、また観劇を楽しむようになった。
しかしその後、宝塚歌劇百周年のあおりを受け、チケット難が続いている。
今年は宝塚が誇る作品の一つである「エリザベート」も上演されるし、さらなるチケット戦国時代が予想される。
とりあえず、つぎは宙組と星組のチケットを確保してある。
詳しい観劇レポートについては、またおいおい。←いらんて?(笑)
宙組発足20周年記念イベントの乱については、こちらをどうぞ。
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