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福井

コウノトリ巣作り中 越前市大塩、産卵の可能性も

木の枝などを運び巣塔の上で巣作りに励むコウノトリのカップル=越前市大塩町で

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 国の特別天然記念物コウノトリのカップルが、越前市大塩町の人工巣塔で巣作りに励んでいる。同市中野町で県が飼育する「ふっくん」「さっちゃん」ペアの卵が有精卵だと分かったばかり。大塩町でも産卵となれば、コウノトリを象徴にした自然再生の取り組みに拍車がかかりそうだ。

 県自然環境課などによると、カップルには個体識別の足環(あしわ)があり、三歳の雄はふっくんとさっちゃんの孫。二〇一四年八月に兵庫県豊岡市の人工巣塔から巣立った。

 五歳の雌は一三年四月に同市の県立コウノトリの郷公園内の巣塔で生まれた。今年三月には、越前市菖蒲谷町の飼育ケージの屋根に営巣していた雄の「みほとくん」に襲われて保護され、回復後に小浜市国富地区から放鳥されていた。

 二羽は昨年四月にも越前市安養寺町で確認されている。県に情報が寄せられた四月二十七日より数日前に飛来したとみられる。カップルの交尾を目撃した住民もいるという。繁殖期は終盤に差し掛かるが、遅いと六月上旬の産卵もあることなどから可能性は残っている。カップルは三十日も山で枝や枯れ草などを集め、巣作りに励んだ。

 大塩町がある王子保地区はコウノトリが多く飛来する白山地区から東へ十キロほど。越前市で愛称が付けられた雌の「えっちゃん」が飛来するなどゆかりがあり、市は一三年に巣塔を建てた。

 (山内道朗)

 

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