市場の移転まで半年を切り、その後の再開発の具体的な方向性も定まっていない中、東京都議会議員による築地市場の視察が行われました。

　築地市場は豊洲への移転のため10月6日に閉場し、その跡地の再開発について現在、東京都の有識者会議で協議が行われています。

　25日に視察したのは築地の再開発を所管する都市整備委員会の都議会議員13人です。議員らは市場を見渡せる場所で築地市場の使い勝手や老朽化について、東京都の市場担当者による説明を受けたほか、市場の跡地を通る予定の道路・環状2号線の建設現場を視察し、現在の整備状況を確認しました。都議会・都市整備委の滝口学委員長は「築地再開発の検討会議も議論の大詰めを迎え、委員会として改めて現場を見ることにした」と語りました。

　築地再開発を巡っては東京都の有識者会議が方針を協議していて、4月19日に骨子案が取りまとめられました。発表された案には「段階的に開発していくべき」など街づくりの方針が書かれていますが、具体的な施設の案などは盛り込まれませんでした。これについて、都市整備委の滝口委員長は再開発に向けた一番のポイントを「豊洲の千客万来施設かと思う。委員会としては、築地の跡地を都民の利益が最大限発揮されるよう、民間の知恵も使いながら、どう再開発していくかが一番重要。議会で議論を詰めていきたい」と述べました。

　築地再開発の正式な骨子案は5月の会議で取りまとめられ、これを受けて東京都は2019年3月までに再開発の方針を定めることにしています。

　視察では、東京オリンピックの際に東京都心と選手村を結ぶ主要な輸送道路となる環状2号線についても説明がありました。当初の計画では築地市場跡地の地下を片側2車線で整備する予定でしたが、市場移転の延期により整備が遅れたため、オリンピックの時には片側1車線の暫定道路を地上に開通させる計画に変更されています。25日の視察では自民党の議員から、当初の計画と比べて輸送力が3分の1程度に減ってしまうと指摘する声も上がりました。