「よつばと!」14巻を読んで思ったこと。

発売日に買うマンガは本当に少ないのだけれど、「よつばと!」はその数少ない発売日に買うマンガのひとつだ。


ネタばれしない程度に読んで思ったことを書くと、「よつば」がいれば退屈はしないだろうな、と。なんというか、大人のほうが窮屈でやり方とか形式とか他者からどう見えるかとか気にしすぎで、簡単に言えば、いろいろなものに縛られているのが大人なのではないか、と。常識とか価値観とか自意識とか、まぁいろいろなものを抱えすぎてるのが大人で、成長していくにつれ、どうしても抱えてしまい、亀の甲羅のように背負ってしまうものなのかもしれない。


最近、「中年の危機」についての記事をいくつか読んだけれど、なんというか自分自身の限界みたいなものが見えてきて、急にやる気がなくなってしまって、途方に暮れるというのは、なんとなくわかる。結局「何者にもなれなかった」なぁと。あるいは、これから先「何者にもなれそうにない」なぁと。
何になるかははっきりとはしなくても、イキイキとしていられたり、無邪気になりたいものを即答できる子どもはいいなぁと思う。自分にもそういう時期があったのだけれど、今思えば、何も考えていなかったように思う。


で、何も考えていなかった、無邪気に夢を即答していたそういう時期に戻りたいかといえば、それはないと断言できる。第一、物理的に(?)子どもには戻れないのだし、今の私には亀の甲羅ががっしり背中に張り付いてしまっている。常識とか価値観とか自意識といった甲羅が。それでも、それは自分を形成する鎧みたいなものでもあって、鎧というのは、自分を守るために必要なものだと思う。


私にとって、子ども時代特有の、子どもが世界と対峙する様子を、そっと眺めているのが「よつばと!」を読んでいるときであり、なんといっても天真爛漫な(?)こどもらしいこどものよつばの言動に笑わされている。


今思っているのは、大人ももっと自由であっていいんじゃないかということ。いきなり甲羅をとることはできないかもしれないけれど、甲羅を背負いつつも、泳ぐことはできる。行きたいところに行くことはできる。言いたいことを言うことはできる。


もっとも、大人というのは見た目が変化しただけで、中身は「こども」という場合もあって、私など10代の頃好きだったアーティストの音楽を今でも聞いているので、好きなものとか趣向みたいなのは、そんなに変わらないんじゃないかと思ったり。マンガもあいかわらず好きだし。


最近も、あるマンガをまとめ買い(大人買いとも言う)したので、たいへん満足しているのだけれど、そのマンガについても、いつか書けたらいいな、と思ったり。


よつばと!(14) (電撃コミックス)

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