ジブリ映画『かぐや姫の物語』では、竹から生まれた女の子が、やがて美しい姫に成長します。しかし、この姫は罪を犯したので、月から地球に降り立ってしまったのです。そして、姫は地球で苦しむようになって、新たな罪を犯す事になるので、詳しく紹介しましょう。
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『かぐや姫の物語』のキャスト
かぐや姫の物語は、ジブリのアニメ作品として、2013年11月23日に日本で上映されました。そして、DVDの収録時間は137分です。
監督&脚本&原作
日本の最古の物語と言われている『竹取物語』が原作になっている映画『かぐや姫の物語』を製作したのが、高畑勲監督です。
- 監督:高畑勲
- 脚本:高畑勲&坂口理子
- 原作:竹取物語
登場人物と声優
映画『かぐや姫の物語』には、俳優や女優たちが声優陣として参加しています。
- かぐや姫/竹から現れた女の子(声:朝倉あき)
- 翁/竹で女の子を見つけた男性(声:地井武男)
- 媼/翁の妻(声:宮本信子)
- 捨丸/山で一緒に育った仲間(声:高良建吾)
- 相模/かぐや姫を英才教育する女性(声:高畑淳子)
- 斎部秋田/翁が育てた姫の名前を決める男性(声:立川志の輔)
- 石作皇子/かぐや姫を崇めるように求愛する貴族(声:上川隆也)
- 御門/姫に夢中になる帝(声:中村七之助)
『かぐや姫の物語』のストーリー
今は昔、翁という者が竹を取っていました。所が、その竹林の中で、光り輝く竹を見つけます。翁は恐る恐る光り輝く竹に近づいたら、近くにあった竹の子が伸びていき、そこから可愛らしい女の子が見えたのです。翁は、この女の子は天からの授かりものと思って、家へ持ち帰りますが、この女の子の罪深さに翁は気づいていませんでした。
急成長する姫(起)
翁は家に帰り、妻の媼に竹で女の子を拾ってきた事を打ち明けます。妻は、その可愛らしい女の子に感動して、二人で育てる事になりました。所が、不思議な事に、姫は短期間で成長していきます。その異変に村の若者たちが気づいて、竹のようにすぐ背が伸びていくなぁと思って「たけのこ、たけのこ」と冷やかします。
そんな若者たちでしたが、やがて姫と一緒に遊ぶようになります。所が、イノシシが姫に突進してきたので、捨丸という男が姫を助け出します。それから、姫は捨丸とも遊ぶようになっていったのです。
翁の思いが姫を追い詰める(承)
翁は、再び竹を取っていたら、再び光り輝く竹を見つけます。そこで、恐る恐る竹を切り倒そうとしたら、竹から金がこぼれ落ちてきました。翁は、姫にふさわしい屋敷を構えて、尊いお方に見初めよという天の思し召しだと解釈しました。
その頃、姫はますます成長していき、それに気づいた捨丸は「このまま大きくなっていって、(姫が)どこかへ行ってしまうんじゃないかって」と心配します。そんな捨丸に対して、姫は「なんでそんな事を言うの?自分はいつまでも捨丸兄ちゃんと一緒だよ」と答えるのです。
所が、無情にも姫が家に帰ったら、翁たちは都へ出発する準備をしていたのです。翁は姫に見合うほどの屋敷に住まわせようとしていて、姫は捨丸と離れ離れになってしまいました。
姫の無理難題(転)
翁は、相模に姫に英才教育をしてもらおうとしますが、姫は稽古中にふざけたり抜け出したりしました。相模は、そんな姫に手を焼きますが、書道や琴の稽古をつけていきます。そして、翁は斎部秋田に、姫の名前を付けてくれるように頼みます。斎部秋田は、姫を見たら、その美しさに圧倒されます。
斎部秋田は、なよ竹のようにしなやかな姿で、光り輝くような美しさから『かぐや姫』と名付けます。その話が都に広まったら、多くの尊き男たちが、姫に一目会いたいと熱望するようになります。そして、大納言や皇子など5人の尊き男たちが、かぐや姫の前で自分の妻になっていもらいたく、必死に口説き始めます。
そこで、かぐや姫は次々に手に入らないであろうと思われる物を持ってきたら、妻になりますと言うのです。これに5人は退散してしまい、翁は何であんな事を言うのだと思い、肩を落としてしまうのです。
かぐや姫の犯した罪の数々(結)
かぐや姫から無理難題を突きつけられた5人たちは、偽物を作って献上したり、果敢に手に入れようと危険な目にあったりしていました。所が、その5人の中で、石上中納言が要望されていた物を手に入れようとしたら、高い所から落ちてしまい亡くなってしまったのです。
それを聞いた、かぐや姫は、自分は何という事をしてしまったのだと後悔します。そして、姫は思い出したのです。なぜ自分が地球へやってきたのか。それは月に暮らしていたのに、地球の生活に憧れてしまったので、その罰を受けるために地球へ降り立った事を。
しかし、かぐや姫は、翁が次々に男たちを紹介しようとする行為が、心苦しく感じてしまって、月に助けを求めてしまったのです。帝までもが、かぐや姫に夢中になっていましたが、ついに月から姫を迎えにくる者たちが現れます。かぐや姫は、ここから離れたくないと媼や翁に泣きつきますが、かぐや姫はどうなってしまうのでしょうか?
『かぐや姫の物語』の豆知識
かぐや姫は、日本最後のSF小説とも言われるほどの作品ですが、謎の多い作品とも言われています。そのような作品を原作にして、作られた『かぐや姫の物語』に関連する情報を紹介するので、ご覧になってみて下さい。
国によって違う月
日本人にとって、月は大事な星であり、多くの文学作品に登場します。それは竹取物語でも同じで、月からやってきた姫が、再び月へ帰っていく物語です。そして、日本では月の模様から「月ではウサギが餅をついている」と考えられていました。
所が、国によって月の模様の受け取り方が違います。東ヨーロッパでは女性の横顔で、アラビアでは吠えているライオンなのです。西武ライオンズファンの私としては、吠えているライオンも悪くないなと思ってしまいますね。
高畑勲監督の復帰作
ジブリで多くの作品に関わってきた高畑勲監督ですが、実は『ホーホケキョ となりの山田くん』を製作してから、自分の作品の監督を務めていませんでした。そのため、この『かぐや姫の物語』は、高畑勲監督にとって、ジブリの復帰作と言えるのです。
そして、惜しい事に高畑勲監督は2018年4月5日に亡くなってしまったので『かぐや姫の物語』は、監督の最後の作品にもなります。
『かぐや姫の物語』の主題歌
かぐや姫の物語の主題歌は、二階堂和美さんの『いのちの記憶』です。この曲は、切ない曲調になっていて、かぐや姫が悲しみながら月へ帰っていく辛さが伝わってくるような曲になっています。
そして、離れ離れになっても、またいつか会える事を願うような歌詞になっているのです。そのため、この歌を聴いていたら、かぐや姫の気持ちが伝わってくるようです。
『かぐや姫の物語』の感想
月で罪を犯して、地球でも罪を犯した姫の映画『かぐや姫の物語』を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。
『かぐや姫の物語』の残念な所
かぐや姫は月で、地球の生活に憧れてしまいますが、この事が罪になる事を不思議に思う方は多いでしょう。私も、この映画を見た時はサッパリ意味が分かりませんでした。所が、色々と調べてみたら、少しずつ分かってきました。
それは、当時の日本では、この世に生きる事は修行であるという考えがありました。つまり、その地球上に生きる人間は半人前の生き物であり、そのような者たちが生きる所の生活に憧れるのは、罪以外の何物でもないという事です。
しかし、原作の竹取物語では、かぐや姫の犯した罪はしっかりと描かれていません。それでも多くの学者たちは、多くの男たちの求婚を断ってから、かぐや姫の罪がなくなって迎えがきた事から、禁断の恋をしたのではないかと推測している方が多くいます。何にせよ、この作品はストーリーは難しすぎるので、その辺りは残念な所ですね。
『かぐや姫の物語』の見所
かぐや姫の物語はストーリーが難しすぎて、分かりづらくなっていますが、淡いタッチで描かれた絵は美しいの一言です。そのため、アニメーションというよりは、美しい絵画が何枚も動いているように見えてしまう所が、この作品の大きな見所です。