2018-04-30 書評 「したがるオスと嫌がるメスの生物学」
■[書評] 「したがるオスと嫌がるメスの生物学」
したがるオスと嫌がるメスの生物学 昆虫学者が明かす「愛」の限界 (集英社新書)
- 作者: 宮竹貴久
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/03/16
- メディア: Kindle版
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本書は昆虫学者宮竹による性的コンフリクトを扱った一冊.序章にあたる「はじめに」がかなり率直で楽しい.まず虫にも個性があることが強調され,そして昆虫の交尾行動を研究し続けてきた著者による「虫のオスにとってのモテの極意」が述べられている.それはまず「アクティブ&マメであること」だが,さらに重要なのは「アクティブになるタイミング」なのだそうだ.そして最後に著者の学者としての心意気も書かれている.現在岡山大学の教授である著者は数年前に管理職となる.そして「これを続けていくと,管理職手当は増え,定年退職後には新たな就職先も準備され,困らない老後を過ごせる」のだが,やってみるとそれは苦痛以外の何物でもないことがわかり,管理職を辞めて一介の教授に戻って研究を続けることに決めたそうだ.というわけで生涯一研究者として生きることを決めた著者による自身の研究物語をはさみながらの昆虫の性的コンフリクトの物語が始まる.
第1章 ドーパミンが生き方と求愛を決める
昆虫飼育のための研究費獲得と科研費の意義に軽く触れてから,虫の個性(あるいは変異)の話が始まる.著者は沖縄県の研究職員としてサツマイモ害虫であるアリモドキゾウムシの研究をしていた.この虫はちょっとした刺激に対してフリーズして動かなくなる(以降死に真似と呼ばれる).様々な観察を経て著者は,この虫には「活動モード」と「非活動モード」があり,死に真似は非活動モードのときのみ発動することに気づく.しかし害虫研究においてこれ以上調べるわけにも行かず,2000年に岡山大学に採用されてからこの「死に真似」をより深く研究することになる.アリモドキゾウムシは岡山では外来生物になるので気軽には飼育できない.そこで代わりにコクヌストモドキ*1を対象にし,死に真似しやすい系統を育種することにする.死に真似時間の長い系統,短い系統を生みだすべく人為淘汰をかけると30世代で明確な差が生じた.これを用いて死に真似しやすさのメリットデメリットを比較する.すると,死に真似しやすい系統はハエトリグモの捕食率が低いというメリットを持つ*2が,交尾に至る確率が下がるというデメリットを被ることがわかる.著者はこの違いを生む至近的メカニズムにも興味を持ち,一から昆虫生理学を勉強し,ドーパミンの発現が系統差を生んでいることも突きとめる.
また著者は歩く距離の違いに人為淘汰をかけてよく動く系統と動かない系統も作り上げて調べるが,やはり同じように動かない系統は捕食リスクが小さいが交尾確率が下がることを見いだしている.
ではこの交尾確率への影響はオスでもメスでも同じだろうか.調べると実はそうではない.オスは動き回ることで交尾確率が増えるが,メスにはあまり影響がないのだ.これは性的コンフリクトの要因の一つになる.
様々な表現型形質がいろいろなトレードオフの上にあることは進化生物学ではよくある話だが,本書は著者自身の研究を元に臨場感深く語っていて楽しい.
第2章 がんばるオス
冒頭でオス間闘争型の性淘汰について簡単に触れてから,著者の研究物語に戻る.時間はさかのぼって著者の琉球大学昆虫学研究室の卒論生時代.そこで著者はアシビロヘリカメムシのオス間闘争を研究する.この虫のオスはゴーヤの果実を自分のナワバリとしてそこに汁を吸いに来るメスと交尾する.そしてゴーヤの上でオス同士が鉢合わせするとものすごい勢いで闘争が始まる,著者は観察や実験の苦労話を交えつつ,この闘争の様子(まず威嚇,次に儀式的攻撃,そこで決着つかないと本気の物理的闘争になる.これはよくあるパターンだ)を詳しく解説する.アシビロヘリカメムシのナワバリは行動生態学的には「資源防衛型」ナワバリということになる.著者はこれで修士論文をまとめ沖縄県庁の農業改良普及所の技術職員となる.ここでタケノコで闘争するヒゲナガヘリカメムシを観察することになる.そしてこれが「ハレム防衛型」ナワバリであること,そこには闘争戦略のほかにスニーカー戦略が見られることなどを解説している.
1990年に著者は沖縄県の農業試験場に異動し研究職となる.そしてウリミバエ根絶作戦に参加する.ミバエは野外ではレック型の繁殖システムを持ち,フェロモンと求愛ソングを気に入られたオスがメスと交尾できることになる.そして根絶作戦のポイントは大量増殖させて放虫される不妊オスがちゃんと野外のメスと交尾できるかどうかにかかっている.しかし当初の大量増殖計画では大量増殖によってオスにどのような淘汰圧がかかるか(あるいはかかっていた淘汰圧がなくなるのか)について無関心だった.著者による実験で,大量増殖中は交尾努力をしなくても交尾できるので,交尾努力をしなくなるという問題点が見つかる.つまり大量増殖におけるオスの品質管理が重要なのだ.この話は一旦ここで打ち切られて第6章に持ち越される.
2000年に岡山大学に転職した著者は今度はヨツボシケシキスイでオスの交尾行動の研究を行うことになる.このケシキスイのオスは大型の闘争型と小型のスニーカー型の二型になっていて.大型オスは大顎に投資し,小型オスは精巣に投資している.著者がよく調べると実はオスにはこの中間の分散型があることがわかった.中型オスは翅に投資し,分散してまだオスに防衛されていないメスを見つける戦略を採るのだ.
これらは条件付き戦略ということになるが,3型が見つかっているものは割と少ない.発見はかなりエキサイティングな出来事だっただろう.著者はなぜ一部の種のみ3型が進化するのかという興味深いところまでは解説してくれていない.おそらくそれぞれの環境の中でたまたまそういう条件が満たされれば進化できるということなのだろう.
第3章 オスががんばるとメスはどうなってしまうのか?
著者はまず第2章で解説した甲虫のオスの闘争型とスニーカー型の2戦略が確かに(頻度依存淘汰ではなく)条件付き戦略であることが2016年にオオツノコクヌストモドキにおいて遺伝的に解析されたことを書いている.このオオツノコクヌストモドキは(カブトやクワガタにはない利点として)飼育が容易であること,モデル生物であるコクヌストモドキに近縁なことから,戦う武器甲虫研究世界のスターに躍り出ているのだそうだ.
そして著者はさかのぼって2003年からこの甲虫を調べている.まずどんなときに戦い,どんなオスが勝つのか.彼等は小さなシャーレに同居させるだけで戦いはじめ,大きなオスが勝つ.そしてこれを発表した論文が,このオオツノコクヌストモドキをスターの座に押し上げるきっかけになったのだと(ちょっと自慢そうに)書いている.
では負けたオスはどうなるのか.著者が調べてみると一度負けるとそのオスはそれから4日間は逃げ続け,5日目から再び対決するようになるのだそうだ.これは先に対戦したオスと再戦する可能性が時間とともに下がり,再対決する方が有利になる閾値があると考えると説明できる.そしてこれを数理生物学者と一緒にモデル化する.さらに負けたオスは,逃走中にメスに出合うとちゃんと交尾を試み,その際には精子数が(そうでないときに比べて)倍増する.5日目に立ち直ったあとはこの精子数は元に戻る.著者はこの背景のロジックについてあまり解説してくれていないが,なかなか面白い.逃げ続けているときには逃走用のエネルギーを精子生産に回しているのだろうか.
次に著者は大顎が長い系統を人為淘汰をかけて育種する.その結果できあがったロング系統は上半身だけがたくましくなり,より戦うようになる.ショート系統はスレンダーになりより大きな精巣を持ち,より飛翔するようになる.著者はあまり深く解説していないが,これらの形質に相関があるのは興味深い.おそらく条件付き戦略を採るために発達段階で戦略的に関連する形質が相関しやすくなっているのだろう.
ではメスはどのようなオスを選ぶのか.驚いたことにショート系統の顎の小さなオスを選ぶのだ.単純に考えるとこの二型は本来条件付き戦略として有利な条件を持つオスが大きな顎になるのだから,メスは大きな顎を持つオスを選びそうなところだ.著者はこれについて(本件のロング系統のオスは単に条件付きではなく遺伝的にロングになっているので)これと交尾した結果生まれる娘にとって上半身が大きくなって卵巣が小さくなるという不利益があることを指摘している.
著者はこれ以上解説していないが,もしこれがメスが顎の小さなオスを好む究極因であるなら,オオツノコクヌストモドキの二型は単純な条件付き戦略ではなく,遺伝的な変異も含まれているということになるだろう.なかなか深くて興味深いところだ.いずれにせよ顎が大きくなる遺伝子はオスには闘争で有利になるが,メスは産卵能力が下がるという効果を持つことになる.これは一種の性的コンフリクトということになる.
第4章 そして「性的対立」が生じる
著者は性的コンフリクトの学説史を解説する.まずダーウィンによるメスの選り好み型性淘汰のアイディア,この場合オスとメスの利害は一致している.しかし実際にはそうでない場合がある.これはほとんど議論されてこなかったが,1970年代にジェフ・パーカーが,精子競争について深く考察した結果,性的コンフリクト概念にたどりつき,1979年に「性淘汰と性的コンフリクト」という論文を出してこの問題を提起する.そして1990年代にこの問題は大きな関心を集めることになる.
著者はここから昆虫のオスによる他のオスとの精子競争を避けたり,それに勝つための戦略を整理し,それぞれ例を解説している.その戦略とは,まず競争そのものを避けようとするものとして6つ;早熟戦略,プラグ戦略,自分自身がプラグになる戦略,拘束戦略,交尾器破壊戦略,化学物質戦略.そして交尾済みのメスと交尾する2番目のオスの戦略として2つ;シャッフル戦略,掻きだし戦略だ.
ここではヒトの精子競争の話題,さらにこの昆虫の性的コンフリクトのリサーチとして有名なものをいくつか解説している.キイロショウジョウバエの精子に仕込まれた毒とメスの耐性進化,ゾウムシのペニスにあるトゲと生殖管の壁を厚くするというメスの対抗戦略*3,アメンボのとんぼ返り(オスのメスへのマウント時間を巡ってコンフリクトがあり,メスがオスを振り落とそうとする結果とんぼ返りになる),トコジラミのオスのメスの腹への直接ペニス挿入*4になる.またここではクモやカマキリに見られる交尾後のメスによるオスのカニバリズムも性的コンフリクトとして捉えることができること,著者自身の性的根陸とリサーチへの関わり,リサーチ対象生物の偏りなどの話題も取り扱われている.
第5章 愛の最終決定権を握っているのはメスである
第5章は隠れたメスの選択.メスの選択には,どのオスと交尾するかという交尾前選択と,複数交尾したあとでどのオスの精子で卵を受精するかを決めるという交尾後選択がある.昆虫の精子競争を調べたパーカーの弟子たちはヒメフンバエで精力的にリサーチし,このメスには3つの受精嚢があり,オスの精子を個別の受精嚢に振り分け,自分で選択したオスの精子で卵を受精できる仕組みがあることを発見した.コオロギやニワトリにも同様な受精後選択があることが報告されている.ネズミなどの哺乳類では望まない妊娠を流産で流す仕組みがあることがわかってきた.
ここから著者は昆虫が交尾前にラビングと呼ばれる「前戯」を行うこと.場合によっては交尾後も同様な行動を取ることを報告し(これがメスの隠れた選択に効いているのかどうかは明らかになっていないようだ),ヒトのオルガズムについての隠れた選択のため仮説を紹介する.
しかしそもそもなぜメスは複数のオスと交尾するのだろうか.これはいろいろな説得力のある説明(栄養補給,ハラスメント回避,子孫の遺伝的多様性,受精の確実性の保険など)があり,まだ完全に解決されたとは言えない問題だが,著者はこれに関して2000年から始めた自身のアズキゾウムシのリサーチをここで紹介している.まずメスの再交尾傾向を調べると60年以上累代飼育された集団*5ではメスは10%程度しか再交尾しないが,野生集団では80%ものメスが再交尾する(再交尾するかしないかはメスの選択にのみよって決まる).そしてこの形質に遺伝性があることがわかり,著者は人為淘汰をかけて単一交尾メスと複数交尾メスの系統を育種することに成功する.さらにリサーチを進めるうちに,同じマメに複数メスが産卵した場合にオスは(ライバルが存在するので)射精量を増やす.そしてこの場合に複数交尾系統集団の方がより射精量が増加することがわかる.著者はメスが多数回交尾を受け入れる理由として「オスの精子競争煽動」があるのではないかと示唆している.著者はこの説の成否はまだ未解決だと断っているが,メスに隠れた選択があるのなら多数回交尾を受けてより精子競争に強い精子を選ぼうとするのは理にかなっているだろう.
第6章 愛はタイミングで決まる
ここで「はじめに」で予告されたタイミングの話になる.著者が「オスがメスに選択されるにはタイミングが非常に重要だ」という認識に至るのは,2015年にSNSで虫仲間とやりとりしながらカゲロウを調べてみたことによるのだそうだ.カゲロウは1年かけて川の中で成長し,1晩の交尾のために成虫になり,すぐに死んでいく.オス成虫はメスが飛び立つ前に空中にスウォームと呼ばれる群れを作り,その中で激しく位置争いを続ける.メスが飛び立つとそれを見つけて急降下し,前脚を前に突き出し,メスの胸部を下からホールドし他のオスの猛追を交わして逃げる.逃げ切れたら草むらに着陸して交尾に至る.スウォームのできた日の環境条件,スウォームのカゲロウの数などを詳しく観測して解析すると,メスが数多く飛び立ち,そして大規模なスウォームができる日は年に1回限り30分ほどで,オスはその条件を察知してその日に羽化しなければならない.そしてその条件はなおわかっていないのだそうだ.
そして話は著者の沖縄時代に戻る.ウリミバエ根絶プロジェクトで著者の役割はオスの品質管理だった.プロジェクトの成否は大量増殖させて不妊化させたオスが野外でメスと交尾するかどうかにかかっている.ミバエの交尾タイミングはカゲロウほどシビアではないが,日没前の1時間というタイミングがある.当時増殖オスの交尾タイミングななぜか40分ほど速くなっており,これが著者のリサーチテーマになった.著者は交尾時間を変更する育種などのいくつもの実験を経て,これがオス大量増殖過程で意図せざる人為淘汰がかかり体内時計が速く進むようになったためであることを突きとめる.この意図せざる淘汰のポイントは性的コンフリクトの状況変化にある.狭い飼育箱の中でメスは言い寄ってくるオスを拒めずに,結果的に手の早いオスが有利になり,どんどん体内時計が速く進むようになったわけだ.これは著者が10年かけて行った仕事であり,詳細もあわせて読みどころだ.
第7章 オスとメスの決別
第7章では昆虫の同性愛的行動が採り上げらている.最初に単為生殖でメスのみになった生物集団に少し触れた後で,昆虫のオスの同性愛行動の進化的説明仮説を紹介する.現在6つほど提唱されていて,オスオス闘争の一形態説,メスとの交尾のための練習説,相手のオスを介してメスに精子を送り込む説,ハラスメント回避コストをかけずに受け流している説,性的に興奮して見境がなくなる説,(乱婚的な方が有利になるなど)何らかのメスの利益になる形質がオスで同性愛行動として発現する説ということになる.
著者はここでコクヌストモドキの同性愛行動の育種系統を使ったリサーチを紹介する.まず同性愛行動系統オスが特に交尾に熱心でないことから見境なし説は否定された.またシャーレに同居させるなどして同性愛行動をさせたオスとさせなかったオスの比較により練習説も否定された.遺伝的体色をマーカーとして同性愛相手のオスからメスへ精子が移されて受精に至るかどうかを調べると,86匹で実験して3例見つかった.著者はこの結果について,さらに詳細に調べる必要性を断りつつ精子送り込み説の可能性を示唆するものと評価している.
著者はここでは見境なし説は否定されたとしているが,この説を「見境がなくなるように行動する方が,メスとオスと見分けるコストや誤認識するコストを避けられて,同性愛行動のコストを上回る利益がある」と捉え直すと,単に同性愛系統が交尾に積極的でなかっただけでは否定できないのではないかという気もしなくはない.いずれにせよこのあたりを解決するにはより詳細なリサーチが必要だろう.
終章 性的対立とは何か
著者はここでもう一度ランナウェイ型性淘汰と性的コンフリクトの違い「交尾がメスにとって得になるか損になるか」を整理し,コンフリクトの最新の発見としてオスのハラスメントを避けるために空中でいきなり羽ばたきをやめて地面にクラッシュして逃げるトンボのリサーチを紹介する.そして性的対立のリサーチから学べることは「自然淘汰は無慈悲である」ことであり,コンフリクトを解消するには利益が一致する様な状況を作るしかなく,それができないなら「逃げる」ことだとコメントして本書を終えている.
本書は著者宮竹のリサーチテーマである性淘汰と性的コンフリクトをこれまでの宮竹の著書よりさらに深く掘り下げ,最新のリサーチや自身のリサーチを織り交ぜて語る一冊になる.そして生涯一研究者を貫く覚悟とともに書かれている院生時代から農業試験場,ウリミバエ根絶プロジェクト参画,岡山大学への転職,そして管理職から一教授に戻った自身のリサーチは臨場感にあふれていて面白い.昆虫の進化生態,性淘汰,性的コンフリクトに興味のある人には楽しい一冊だろう.
関連書籍
宮竹の前著.性淘汰だけでなく寿命の進化的な説明も扱っている.ここでも寿命に絡んでウリミバエ根絶プロジェクトのリサーチの話が出てくる.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20150721
- 作者: 宮竹貴久
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2015/01/21
- メディア: 単行本
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宮竹の最初の本.やはり性淘汰と性的コンフリクトがテーマになっている.私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20111217
- 作者: 宮竹貴久
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2012/10/15
- メディア: Kindle版
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*1:どのような虫か,いかに研究対象として向いているかが詳しく説明されている.コイン精米機でいくらでも捕獲でき,穀類だけで容易に飼育できる
*2:コクヌストモドキは寿命が長くて調べるのに不向きだったので代わりにアズキゾウムシで調べるとこのほかに動かない系統は大卵を産み生育が速く寿命も長いというメリットがあることが判明している
*3:なおトゲの適応的意味についてはなお議論が続いていて決着を見ていない.さらにメスが嫌がってキックしているような様子は最初は対抗戦略と考えられていたが,実はキックした方がより多くの精子を受け取れるという報告もあり,そこも議論が続いている.もしかしたらこれはそもそも性的コンフリクトではなくランナウェイ型の性淘汰事例なのかも知れない.なお著者はチンパンジーやネコにあるペニスのトゲについてもここで考察している.
*4:これについてはまだ見つかっていないがメスの対抗戦略があるはずだとリサーチが続けられているそうだ
*5:京都大学で1936年から飼育されている集団で調べたそうだ