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(cache)イクラ様人工魚卵 - 日本カーバイド工業株式会社
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発明の名称 イクラ様人工魚卵
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9-94078
公開日 平成9年(1997)4月8日
出願番号 特願平7-273692
出願日 平成7年(1995)9月28日
代理人
発明者 桑原 清明 / 道音 清志
要約 目的
保形性も良く、生の天然イクラの如き被覆層が比較的軟弱なものから、味付け加工をした天然イクラの如き被覆層が比較的強固なものまで、所望の品質のイクラ様人工魚卵を提供する。

構成
内包される層A及び被覆層Bからなる可食性粒子において、内包される層Aがゾル又はゲルであり、被覆層Bが平均厚み15~300μ、含水率70~95%のゲルである。
特許請求の範囲
【請求項1】 内包される層A及び被覆層Bからなる可食性粒子において、内包される層Aがゾル又はゲルであり、被覆層Bが平均厚み15~300μ、含水率70~95%のゲルであることを特徴とするイクラ様人工魚卵。
【請求項2】 該内包される層Aに油状物質が目玉状に内蔵されている請求項1に記載のイクラ様人工魚卵。
【請求項3】 該被覆層Bの含水率が70~85%である請求項1又は2のいずれかに記載のイクラ様人工魚卵。
【請求項4】 該内包される層Aが該被覆層Bよりも含水率の高いゾル又はゲルである請求項1~3のいずれかに記載のイクラ様人工魚卵。
【請求項5】 該被覆層Bにアルギン酸塩を含む請求項1~4のいずれかに記載のイクラ様人工魚卵。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イクラ様人工魚卵に関する。特に本発明は、テキスチャー、保形性に優れたイクラ様人工魚卵に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人工魚卵を製造するについては、多くの提案がある。(特公昭46-21772号、特公昭57-58149号、特公昭53-31933号、特公昭58-13133号、特公昭62-60058号、特公昭61-37902号、特公昭61-4509号、特公平1-16143号参照)。
【0003】しかしながら、従来より提案されている人工魚卵は、その被覆層(皮膜)が天然魚卵の被覆層(皮膜)と比較して強度が弱く、たとえば人工魚卵を手でつぶしたり、食べたりしたとき、被覆層と内包される層の区別がはっきりせず、所謂、天然魚卵にみられる膜の感触がなく、膜の存在が非常に不明瞭であった。又膜の存在が感じられたとしても、手でつぶしたときはじける感じがなく、非常に軟弱であった。即ち従来より提案されている人工魚卵は、特に被覆層のテキスチャーが不満足なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このことは、従来の人工魚卵の大きな欠点であり、特にイクラのごとく被覆層に内包される層が比較的流動性を有する人工魚卵を得るために、保形性の面からもある程度の強度が必要であった。さらに最近では味を付けるとともに、保存性を向上させるるために、味付け加工をした天然イクラが多量に市場にでており、これらは味付け加工を経て、粒子全体の柔軟性を保持した状態で、さらに被覆層が強靭になっており、歯でかんだ場合「プチュー」という感じがより強く、また被覆層の存在がより強く感じられるものであるが、従来の人工魚卵の被覆層はかかる味付け加工した天然イクラの被覆層とはほど遠い状態のものであった。
【0005】これら、上記従来の人工魚卵の欠点を排除するため、人工魚卵の被覆層の含水率が85~95%である人工魚卵が提案された。(特公昭61-43029号) しかしながら、上記方法では被膜層が従来の人工魚卵よりも強靱で保形性も良く、歯で噛んだときの被膜の破裂感もあり、生の天然イクラに酷似した人工魚卵を得ることができるが、上記味付け加工をした天然イクラの食感が得られるものではなく、被覆層が比較的強固なものまで、幅広い品質のものをカバーしきれないという問題があった。
【0006】本発明者等は、鋭意研究した結果、被覆層の厚みを薄くし、さらにその含水率低くすることにより、生の天然イクラの如き被覆層が比較的軟弱なものから、味付け加工をした天然イクラの如き被覆層が比較的強固なものまで、所望の品質の人工魚卵を容易に得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、内包される層A及び被覆層Bからなる可食性粒子において、内包される層Aがゾル又はゲルであり、被覆層Bが平均厚み15~300μ、含水率70~95%のゲルであることを特徴とするイクラ様人工魚卵を提供するものである。好ましくは、内包される層Aに油状物質が目玉状に内蔵されているイクラ様人工魚卵を提供するものである。
【0008】本発明の「内包される層」は、被覆層に隣接して、被覆層の内側に包まれる層を言う。例えば図1の(イ)では、G3が被覆層、G2、G1は内包される層、(ロ)では、Gが被覆層、Sは内包される層、(ハ)では、G2が被覆層、G1、Sは内包される層、(ニ)では、G2が被覆層、G1は内包される層である。
【0009】本発明のイクラ様人工魚卵は、好ましくは内包される層Aに油状物質が目玉状に内蔵されているイクラ様人工魚卵であって、例えば図1の(イ)では、中心層を占める内包される層G1が油状物質Oを内蔵しており、(ロ)では同様に内包される層Sが油状物質Oを、(ハ)では内包される層Sが油状物質Oを、(ニ)では内包される層G1が油状物質Oをそれぞれ内蔵しており、天然イクラに類似している点で(ロ)及び(ニ)の構造が好ましい。図中Sはゾル、Gはゲル、Oは油状物を示す。
【0010】これらの可食性粒子を製造する工程は任意であり、本発明を適用するための工程の制限はない。一般に利用される工程の例としては、ゾルを適当な物理的あるいは化学的ゲル化剤中に投入してゲル粒子を作る方法、あるいはゾル又は軟かいゲルなどをゲル状被膜の中に封入する方法を挙げることができる。
【0011】又、粒子に油状物質を内蔵させる方法としては、前記ゾルに油状物質を封包させればどのような方法でもよいが、一般には二重管又は多重管よりゾル及び油状物を放出してゾルに油状物質を封包させる方法を挙げることができる。
【0012】本発明の内包される層Aとなるゾル又はゲル及び被覆層Bとなるゲルは、可食性のゾル形成物質又は可食性ゾルが物理的又は化学的にゲルを形成する物質であれば特に制限されるものではないが、一般には、前記ゾル形成物質及びゲルを形成する物質は、多糖類(殿粉を含む)、蛋白質およびポリペプチド等である。例えば小竹無二雄氏編「大有機化学」第21巻「天然高分子化合物III」(株式会社朝倉書店発行)に記載されている蛋白質およびポリペプチド(第28頁および第356~457頁参照)、および同じく「大有機化学」第20巻「天然高分子化合物II」に記載されている多糖類(第177~234頁参照)、殿粉およびその誘導体(第81~176頁参照)、食品衛生法施行規則別表第5の合成糊料などが使用できる。
【0013】本発明において、内包される層Aに好適に使用できる成分aの物質としては、ペクチン、ゼラチン、寒天、カラギナン、ゼイン、澱粉、グルテン、ガラクタン、ケラチン、デキストリン、こんにゃく粉、グアーガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、キサンタンガム、タマリンドガム、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、繊維素グリコール酸ナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム、殿粉グリコール酸ナトリウム、殿粉燐酸エステルナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルローズなどである。
【0014】又、本発明の被覆層Bに好適に使用できる成分bの物質としては、グアーガム、カゼイン、ペクチン、繊維素グリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、寒天、カラギーナン、グルテン、デキストリン、キサンタンガム、メチルセルロース、殿粉、ゼラチン、ローカストビーンガム、ガラクタン、アルブミン、ケラチンなどが挙げられが、アルギン酸ナトリウム等が特に好ましく用いられる【0015】又、被覆層Bの強度に過不足のあるときは、使用する物質の重合度を選択するとよい。一般に、重合度が高いと被覆層の強度は強くなり、低いと強度は弱くなる。これら内包される層Aを形成する成分a、被覆層Bを形成する成分bの物質は、単独あるいは二種以上の混合物の水溶液として用いられる。又、本発明の被覆層Bに用いられるゾルをゲル化するときは、物理ゲル化と化学ゲル化の併用又は化学ゲル化のごとく少なくとも化学ゲル化を行うことが好ましい。
【0016】尚、物理ゲル化とは、一般にゾル状物質の温度を下げてゲル化させることであり、化学ゲル化とは、多価金属塩類、糖類、糖アルコール類、有機酸類、有機酸のエステル類、タンニンなどの化学ゲル化剤によりゲル化させることである。食感がソフトで天然イクラと類似した食感を得るためには、内包される層Aのゲル化が強くないことが好ましい。
【0017】本発明において、前記可食性ゾル物質には、医薬、栄養剤、風味剤、食欲促進剤、魚類又は動物などの誘引剤、調味料、香料、着色剤等の有用成分を担持させることもできる。これら可食性ゾルに担持させる物質は、水性でもよいし油性のものでもよい。
【0018】本発明に使用する油状物は、油状物質であれば特に制限されるものではないが、以下のものを例示することが出来る。例えば植物性油脂としては、オリーブ油、サフラワー油、とうもろこし油、ひまわり油、綿実油、つばき油、米ぬか油またはこれらの混合物、動物性油脂としては、イカ油、タラ油などの魚油、サメ肝油、コイ肝油などの肝油、アザラシ油、シロナガス鯨油などの海獣油、アワビ油、カキ油などの貝油またはこれらの混合物が使用できる。また薬用成分として使用しうる油状物質である肝油、ひまし油、脂肪酸グリセライド、ビタミンEなども用いることが出来る。
【0019】前記油状物質にも、可食性ゾルと同様に有用成分を担持させることができる。更に本発明のイクラ類似の人工魚卵様粒子を得るときは、魚卵様外観をよくするために、前記可食性ゾルが透明であることが好ましく、また油状物質の色料濃度をゾルの色料濃度より大とし、油状物質を通称目玉と呼ばれる存在に近づけるとよい。例えば、油状物質を市販の油溶性食用天然色素で橙赤色に着色し、ゾルを市販の水溶性食用天然色素で淡黄橙色に着色させて得られた人工魚卵様粒子は、非常にイクラに類似したものとなる。本発明のイクラ様人工魚卵様粒子に、更に乾燥処理、くん液処理、粘着加工、味付加工、着香加工等を行なってもよい。
【0020】本発明において、可食性粒子の被覆層Bの含水率は70~95%、好ましくは、70~85%であり、被覆層Bの厚みは15~300μ、好ましくは20~250μ、更に好ましくは25~100μであり、特に好ましくは25~60μである。本発明の可食性粒子はその被膜層Bの含水率及び膜の厚みを上記範囲とすることにより初めて保形性も良く、生の天然イクラの如き被覆層が比較的軟弱なものから、味付け加工をした天然イクラの如き被覆層が比較的強固なものまで、所望の品質の人工魚卵を容易に得られるのである。
【0021】生の天然イクラの如き被覆層が比較的軟弱な人工魚卵を得るための調整方法としては、上記範囲内において、被覆層Bの厚みを薄くする、被覆層Bを形成する成分の分子量を低くする等の方法が有効である。また、味付け加工をした天然イクラの如き被覆層が比較的強固な人工魚卵を得るための調整方法としては、上記の範囲内において被覆層Bの含水率を低くする、被覆層Bを形成する成分の分子量を高くする等の方法が有効である。
【0022】本発明において、被覆層Bの含水率を70~95%にする方法は、含水率が70~95%になれば特に制限されないが、一般に、被覆層Bの成分を含水率70~95%の水性ゾルとして可食性粒子を作るときは、水性ゾルの粘度が高くなり、造粒することが困難な場合が多い。したがって、一旦造粒された粒子を脱水して、被覆層Bの含水率を70~95%とした方がよい。脱水する方法としては、例えば【0023】1 特殊なゲル化条件を選ぶ方法。
例えば、酸性(PH3~4)に調整された10%CaC12 による低温(0~5℃)によるゲル化2 魚卵粒を、温度、圧力などで緊張した状態とし、被覆層を延伸させる方法。
3 被覆層のみを危速に乾燥させる方法。
などを挙げることができる。
【0024】本発明において、被覆層Bの厚みを15μ~300μにする方法は、被覆層の厚みが15μ~300μになれば特に制限されないが、例えば、被膜形成用ゾルの種類、濃度及び浸漬時間及びゾル凝固剤溶液の濃度、浸漬時間等を適当に選ぶことにより行うことができ、皮膜形成用ゾルの濃度が高いほど、皮膜形成ゾル中の浸漬時間が長いほど、ゾル凝固剤の濃度が高いほど、被覆層Bの厚みがあつくなる。一般的にはゾル凝固剤の濃度が0.05~2%、被覆形成用ゾルの濃度が0.1~3%、浸漬時間は10秒~10分の範囲で選ばれるのが好ましい。
【0025】本発明のイクラ様人工魚卵は、そのまま人間が食用に供してもよいし、あるいは天然の魚貝類や人工加工品と混合して食品とすることもでき、又魚釣り用又は養殖魚用の餌とすることもできる。本発明の被覆層の厚み及び含水率は、以下の方法で測定した値である。
【0026】1.厚みの測定方法粒子を8等分し、分割された被覆層の厚みを厚み計(ピーコック社製ダイヤルゲージ)で測定し、8点の平均値を被覆層の厚みとする。
2.含水率の測定方法粒子をカミソリで2つに切り、ピンセットで被覆層Bと内包される層A及び油状物質とを分離し、被覆層Bの付着水を軽く布でふきとった後、重量既知の坪量瓶(重量Wg)に入れ、重量を測定する(重量W1g)これを60℃で3時間真空乾燥した後、更に重量を測定する(重量W2g)
次式により含水率を算出する。
含水率(%)=(W1-W2)÷(W1-W)×100次に本発明を実施例によって説明するが、本発明は、これら特定の例に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
実施例1内径1.0m/m及び内径5.0m/mの2本のノズルを組合せた2重管状ノズルを使用し、内径1.0m/mのノズルより、内包される層に含有される油状物として、市販の油性食用天然色素で橙赤色に着色すると共に、市販の魚臭フレーバー(サーモンオイル)を添加したサラダ油を、また内径5.0m/mのノズルより内包される層用ゾルとして、1.2%のカラギーナン、0.4%のローカトビーンガム、0.3%の塩化カルシウムを含む流動性ゾルを市販の水性食用天然色素で淡黄橙色に着色したものを、各々放出して、サラダ油が内包される層用ゾルに封包された粒子を形成し、この粒子を被覆層用ゾルの0.9%アルギン酸ナトリウム(重量平均分子量7万)溶液中に2分間浸漬し、得られた粒子を取出し、更に3%塩化カルシウム溶液中に10秒間浸漬した後、軽く水洗した。
【0028】得られた粒子に、食塩4部、アミノ酸調味料1部を加え味付処理をし、更に、硫酸アルミニウムカリウム0.1部で処理し、イクラ様人工魚卵を得た。得られたイクラ様人工魚卵は、油状物質(サラダ油)が目玉状に内蔵されたゲルの内包される層と、被覆層とからなり、被覆層の厚みは50μ、被覆層の含水率は80%であり、そのテキスチャーは、味付け加工された天然イクラと酷似していた。




 

 


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