『微熱空間』(蒼樹うめ先生)2巻まで読了。あー、やばいね。これはやばい。単行本1冊読み切るのに、何回ニヤニヤしたかわからん。やっぱり、うめてんてーの絵は日本の宝だよなぁ...。21世紀に生きていられることを感謝せねばなるまいよ...。
簡単にあらすじを説明すると、親の再婚によって同い年の姉弟となった少年少女のお話である。姉の亜麻音お姉ちゃんと、弟の直耶。お互いに「弟ができる...」「姉ができる...」とあれこれ理想像を膨らませていたのに、実は同年代の異性でしたというね。
なんだ、このかわいさは・・・
もうね、ひたすらに亜麻音お姉ちゃんがかわいすぎてやばいんだわ...。主に読者の頬がやばい。弟の名前を呼ぼうとして恥ずかしくなって赤面って.......、なんじゃそりゃ。かわいすぎかっつーの!
脳が溶けること無数ですよ。そりゃまぁ、うめ先生の絵でラブコメとくれば悶絶必至なのはわかってたけど、この設定はあまりにも破壊力高すぎるじゃろうて。2人の距離感や空気感が絶妙過ぎて、ベタ甘過ぎてアカン。こんなん、糖脳病待ったなしやん...。
ドキドキの同居生活が開幕!
ニヤニヤが止まんねーな!
しかも、この亜麻音お姉ちゃん、同い年ながらも、自分の方が誕生日が3日早いということについて、とかく誇らしげで、「私の方が 三日分 お姉さんなんだから」とか言っちゃう始末である。かわいすぎて脳が死ぬわ!
同い年の義姉弟という関係性は、それこそめちゃくちゃに凡百の王道設定なのだけれど、それなのにというか、それゆえにというか、これだけの破壊力を有した作品にしてしまえるうめ先生のセンスには惚れ惚れしてしまうよなぁ...。
突然の姉弟関係、測り切れない距離感。思春期真っ盛りの男女がいきなり家族になるって、そりゃあドギマギもするよなーって。お互いにどことなく意識してしまう空気感がなんとも甘酸っぱくて、心地よくて、実に素晴らしいのです。
例えば、こういうカット。日常の中のなにげないワンシーンなんだけど、なんとなく存在が気になってしまって、ちらっと見てしまって...という、まだ2人でいることが非日常なんだなと、思わせてくれる空気感の描き方が凄くグッとくるんですよね。
あー、こういうのわかるなーって。こっちにも2人のドキドキっぷりが伝わってくるようで。一つの表情、一つのセリフで、読者を作中の世界観に引っ張り込む力がある。こういう所はさすが、うめてんてーだなと言う他ありません。
しかも、ちらっと見る直耶に対して、目が合って赤面しながら即座に顔を逸らしちゃうからね、亜麻音姉ちゃん。なにさ、そのかわいい反応。言語中枢が破壊されるレベルで悶えるわ!
それでいて、慣れない関係性にドキドキし合いながらも、一歩ずつ歩み寄り、徐々に姉弟らしくなっていく過程がまた、たまらなくもあって。『微熱空間』っていうタイトルの秀逸さも光るってわけですよ。いやー、本当に素晴らしいっすなぁ...。
ラブコメ的にも最高の一言!
というわけで、少しずつ姉弟の関係を育んでいく2人ですが、なんと言ってもそこは血のつながりのない2人の男女。
年頃の男女が一つ屋根の下でって言ったら...そりゃねぇ...という読者の期待を裏切らない展開が5話でついに訪れます。
ラブコメの波動を感知!
基本的にはいつもお姉ちゃん然としている亜麻音お姉ちゃんなのに、5話にしてついに、直耶を「弟」としてではなく、「異性」として意識してしまう瞬間がやってくるのである。「...何よ 弟のクセに...」って、くぅ~たまんねーな!
かのキューべーも「亜麻音お姉ちゃんのかわいさはエントロピーを凌駕した!」と大絶賛のかわいさですよ。まどかにも引けを取らない女神っぷりには大興奮を禁じえません。かわいすぎて脳が溶けるっつーの。亜麻音お姉ちゃん is ペロペロですわ。
かわいすぎる姉に至近距離で(タバコを吸っていないか心配で確認するため)服の匂いを嗅がれドキドキしてしまう弟と、弟に「他の男にはこういうことするなよ」「誤解させるかもしんないから」と腕を掴まれて赤面してしまうお姉ちゃんの構図。
これが凄まじい破壊力であった...。義理の姉と弟による同居ラブコメはこうでなくっちゃっていう期待を裏切らない見事な展開である。
直耶に触れられた腕の感触を確かめながら大赤面する亜麻音お姉ちゃんの姿がもうね...ラブコメスキーのハートに刺さりまくって大変ですよ。あー、亜麻音お姉ちゃんがかわいすぎる。
凄まじいかわいさである...
やっぱり、亜麻音お姉ちゃんのかわいさの真髄は赤面にあると思うな。亜麻音お姉ちゃんの表情七変化っぷりは本当に凄いんだぜ。
同じ赤面でも、恥ずかしい時の表情とか、「大事にしたい」と言われた時のドキドキ顔とか、微熱が出たときに手を握ってもらった時のテレ顔(微熱で顔が赤らんでいる事実をぼかすのも漫画的に巧い)とか、表情が全部違いますからね。
とにかく、赤面しまくりで、しかもその悉くがイチイチかわいいのに、豊富な赤面バリエーションで読者をニヤニヤさせてくるんだからもう無理。うめてんてーにはスライディング土下座で感謝を申し上げる所存であります!
家族愛と恋愛の間で揺れる想い
心にチクリと刺さる涙がなんとも...。
というわけで、『微熱空間』は亜麻音お姉ちゃんのかわいさと、少しずつ進展していくラブコメ的ニヤニヤ展開を楽しむ漫画ではあるのですが、それともう一つとても大切なテーマを内包しております。それが、「家族」である。
そして、2巻のラストでは、離れて暮らす亜麻音お姉ちゃんのお母さん(亜麻音お姉ちゃんは数年間、お父さんと2人で生活していた)について語られます。
久しぶりに再会したお母さんには、再婚相手がいて、子供がいて、とても幸せそうで...。自分とお父さんとでは、築くことの出来なかった幸せな家庭を「お母さんとして」幸せに暮らしていました。
お母さんは、「お母さんに向いていなかったんだ...だから仕方ないんだ...」と、ずっと自分に言い聞かせてきたけれど、そんな幻想は溢れ出る涙と引き換えに消えていく。お母さんが幸せそうなのに涙が出てしまうってのもままならない状況で辛いよなぁ...と。
まぁ、元々が親の再婚から物語が始まるわけなので、展開としては自然ではあるのですけど、思った以上にこの部分をしっかり描いていて、一気に「家族」というテーマへ舵を取ってきたな...という感じです。
ドキン・・・
そして、2人の関係性にも確実な変化がもたらされていくのがまた憎い演出ですわ。「血のつながりのない姉弟」という関係性についてメスを入れながら、「家族」について考えさせられるお話に落とし込む展開力の巧さには思わず痺れるってもの。
直耶視点のモノローグがまたなんとも趣深い。「家族」になれたからこそ、涙を流すお姉ちゃんを傍で慰めることが出来た。でも、同時に心の中で渦巻く感情が抑えれられなくなっていく。曰く、「家族じゃなければいいのにと思った」である。
要するに、「姉(家族)」として以上に亜麻音さんに惹かれてしまっていることを自覚してるんだよね。家族のままでいられるのか。異性愛以上に、家族愛を亜麻音さんに対して持てるのかっていう心の葛藤が妙にリアルでグッとくるものがありましたなぁ...。
今後、2人の関係がどういう風に動いていくのかは全力で気になるところです。まぁ、ラブコメスキー的に言わせてもらえば、亜麻音お姉ちゃんが直耶に抱いている感情(愛情)もまんざらではないと思うな!
「ただ直くんと外で話したかった」「ドアくぐると家族........だから......」あたりの発言とか、もうかなりギリギリのラブコメセリフでしょうよ。ほんのりテレながら言ってるのが味わい深いじゃない。実に素晴らしい『微熱空間』だったと言える。
というわけで、結論としては....。
笑顔の亜麻音お姉ちゃんは天使!
やっぱり、亜麻音お姉ちゃんは笑ってる時の表情がナンバーワン!ちょっと天然で、お姉ちゃん風を吹かせようと背伸びする子供っぽい亜麻音お姉ちゃんが大変かわいかったです!
物語の終着点は「家族愛」なのか、「異性愛」なのか。どちらにせよ、今後も悶絶ニヤニヤ必至の究極お姉ちゃんにドキドキさせられる至高のお姉ちゃん漫画になっていくことでしょう!今後も期待大ですね。超おすすめ!