特集

コラム

美術セット 楡野家

「半分、青い。」の世界観をつくる要素の一つ、美術セット。
今回は鈴愛の実家「つくし食堂」と「楡野家」について、美術担当の掛幸善デザイナーに聞きました。

親しみ深い楡野家のセットテーマは「庶民派代表」

「半分、青い。」の美術セットは「色」を一つのキーワードにしてデザインしていますが、この楡野家は暖色系に寄せつつも、統一性を考えていない色使いにしています。楡野家のセットは「庶民派代表」がテーマなので、庶民と言えば洗練されていないありふれた家庭のイメージかな、と思いました。

それと、「田舎っぽさ」というのも大事にしています。東京では最新のものが、田舎では遅れてやってくる、ということがよくあると思うのですが、その「時代遅れ感」も、楡野家では随所で表現しています。

食べ物を扱うところでは、暖かみのある色の組み合わせを意識しました。「つくし食堂」でも、様々な色を使ってはいるものの、赤やオレンジなどの暖色系をメインにしています。

実はこの「つくし食堂」は、岐阜県恵那市に実在する食堂を参考にさせていただきました。懐かしい雰囲気で「つくし食堂」のイメージにぴったりだったので、デザインする上でとてもいいヒントになりました。

▲物持ちが良いという設定の楡野家。改装後も親しみやすい雰囲気はそのままです。
  • ▲お座敷。宇太郎の趣味でもあり、鈴愛に影響を与えた漫画がびっしり並んでいます。
  • ▲ぐるぐる定規でデコレーションされたメニュー表。幼少の鈴愛と草太がお手伝いしたのでは?と想定して作りました。
  • ▲レジと、その奥にあるのは仙吉の得意料理・五平餅の焼き場。公衆電話は十円玉がないと掛けられません!
  • ▲仙吉と廉子が旅行のお土産に買ってきたらしい?たくさんの民芸品を置いて、庶民感を演出。店先のカエルの置物は、楡野家にとって廉子の象徴です。
  • ▲カラフルな注文札。注文が入ったらこの札を厨(ちゅう)房へ持っていきます。参考にした恵那市の食堂にあったのを見て、取り入れました。
  • ▲ジャンルにこだわらないつくし食堂のメニュー。時代が変わると値段も変わっていきます。

茶の間は、時代の変遷を表現するのが難しかった部分です。建具を障子からガラスにするなどもしましたが、一番は物が増えていく、という点で年数経過を表現しました。

▲家族が集まる居間。白いタンスには、幼少期の鈴愛がシールをたくさん貼りました。

▲テレビはつまみを回してチャンネルを変えるタイプから、リモコン式に変わりました。黒電話は同じものを使い続けています。

▲庭先。犬小屋の「ポチ」の文字は時間の経過で色が剥(は)げていきます。
  • ▲仙吉と廉子の部屋。
  • ▲家族それぞれの座布団。物持ちの良い楡野家は、ちゃぶ台もずっと同じものを使っています。

鈴愛の部屋も、基本的には赤やピンクなどの暖色系をメインにしています。ただし、整っているのではなくガチャガチャしている感じ。いかにも女の子!という感じの、かわいらしい部屋にはしたくなかったんです。
ちょっと変わり者の鈴愛なので、物に対しても変わったものに愛着がわいてしまうだろうと思い、個性的なぬいぐるみなどを小道具さんに用意してもらいました。

▲成長と共に好きなものが増えてカラフルな鈴愛の部屋。イーゼルや筆など絵を描くための道具や、個性的な小物がたくさんあります。
  • ▲幼少期の部屋。高校生になる頃までは、弟・草太とは相部屋でした。
  • ▲鈴愛の個性的なぬいぐるみコレクション。80年代に流行したレインボー柄を取り入れたぬいぐるみは、鈴愛の一番のお気に入り。
  • ▲永野さんお気に入りのベッド。奥のふすまは鈴愛の寝相が悪くて穴を開けてしまい、ふさぐために紙を貼ったとの想定です。
  • ▲ふすまの柄は、当時流行していたものを調べて選びました。
  • ▲真っ赤なラジカセ。少し時代遅れですが、鈴愛のキャラクターを考えるとこれがベスト。上京の際にも持っていく、鈴愛のお気に入りアイテムです。
  • ▲机は父・宇太郎がはりきって買ってきた(?)ものを幼少期から愛用。

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