※全曲は載せてませんが、
多少のネタバレあり!
6年間、待ちに待った、
amazarashiのライブに行ってきました。
Twitterもしましたが、
これほどいろんな感情が渦巻くライブもないなって、
心から思いました。
いろんな感情。の中には、
ちょっとタイトルにも滲み出てるように、
実は少し鬱憤もありました。
愛ゆえに、乱筆で、
少し気に食わない表現も、
ブログ中にあるかもしれませんが、
今回のamazarashiのライブで、
何度か手を挙げた理由を語ります。
※amazarashiのライブは、
直立不動で拍手のみ行うのが、
暗黙の了解とされている。
amazarashiと僕
僕はこの4/28まで、
amazarashiのライブを生で見たことがなかった。
出会ったのは約6年前。
『アノミー』を聴いて気になり、
アルバム『ワンルーム叙事詩』で、
完全に虜になった。
その衝撃を語るだけで、
時間がいくらあっても足りないが、
収録曲『奇跡』は、
人生で2番目の、
聴いた後、鳥肌が止まらない歌となった。
いつか必ずライブに行くと、
その時には決めていた。
その衝撃を生で体感したい。
しかし、当時の僕は、
大学の部活動に忙殺され、
なかなか時間が取れないまま、
卒業→就職という、
現実的な理由に加え、
地方都市とも言えないような、
コンビニのない田舎で育った感覚が抜けず、
「ライブに行く」という行為の、
ハードルを勝手に高くしていたのもあった。
特にアーティストが自分にとって、
強大であればあるほど、
その思いが強かった。
また、amazarashi自身も、
知った当時はライブ活動を全くしておらず、
ライブ活動を始めてからも、
自分の住んでいる場所の近くには、
来る機会が少なかった。
なので、1度映画館の、
ライブビューイングは見たのだが、
ライブ会場で見るのは、
今回で初めてだった。
「6年。いろいろあったなぁ…」
思わず僕は移動中の電車でつぶやいたよ。
部活で、
勉強で、
恋愛で、
仕事で、
日々で、
挫折した時、
頑張りたい時、
自分を赦したい時、
理不尽さに怒りを覚えた時、
全く理由のない寂しさに襲われた時、
この6年でいつの間にか、
自分の心理状態を測る物差しに、
amazarashiはなっていた。
良くも悪くも、
情緒が不安定な時、
この6年、感情の側にいたのは、
amazarashiの音楽だった。
きっとこのライブで、
僕は過去6年の自分と対峙するのでは。
そう思うと、仕事に集中できませんでした。
詳細は控えるけど、
ヤマト運輸さん、ごめんなさい。
:::::
18時スタートで、
14時より物販。
みんな服が暗ぇ。
amazarashiを迎え撃つにあたり、
自然と心の闇を映すような、
ファッションになったのかもしれない。
あと、意外に親子連れが多い。
「子供の聴いてる音楽なんてどうせ…」
と、思ったところに度肝を抜かれたか。
ただ思ったより、
他のライブ前の雰囲気と変わらない。
出会い厨もしてるし、
イチャイチャもしてる。
唯一変わってるのは、
開始20分前にライブメンバーが、
少し音を鳴らした瞬間、
一気に静かになったことか。
それ以外は特に。
いつまでも緊張していたのは、
ぼっち参戦の僕だけか…
そして、
ライブが始まった
なんだこれ、ライブバンドじゃねぇか。
amazarashiの生演奏のまず第一印象はこれ。
最前は秋田さんの顔普通に見れてる。
感情揺らすのは、
止めどなく降り注ぐ、
スクリーンに映し出される歌詞だけでなく、
amazarashiの世界観を壊さぬよう、
1つのミスも許されない、
かつ、秋田さんのエモーショナルな歌声に、
負けないようにエモーショナルに、
演奏するサポートメンバーの熱だった。
特にリードギターが、
amazarashiの「激情」の部分を、
しっかり秋田さんと分かち合っている。
メチャクチャカッコいい。
アルバムから3曲続いた後、
少しMCした後に鳴らされたのは、
『この街で生きている』
新作アルバムも最高だったが、
やはりamazarashiに最もドハマりしてた、
6年前から聴いていた曲が鳴っている。
田舎から大学のある街に、
独り暮らしを始めた時に、
まさに5階から夕陽を見ながら、
聴いてきた曲が、
本物によって鳴らされる。
早くも涙腺と感情はピークに。
そこからも新作アルバム中心に、
楽曲は進んでいく…
…しかし本当に皆、直立不動だな。
いくら僕が若干ライブ慣れしてると言っても、
メンバーの前に張られたスクリーンに、
まばたきすらも惜しい歌詞が、
高等技術の映像表現をもって、
どんどん映し出されるのに、
圧倒されてしまった。
でも6曲目くらいには、慣れてきたぞ。
慣れてきた、というか、
普段amazarashiを聴いてる時の感覚で、
ライブも見れるくらい、
集中してきたというか、エモいモードになった。
歌詞一つ一つが真の意味で響いてきた。
『月曜日』はあのマンガMVとともに鳴らされ、もう…ヤバい…立ってるだけじゃ受け止めきれない…
でもみんなずっと直立不動。
すげぇな、おい。
好きに枝伸ばしたいのに
同じ制服窮屈そうに
好きなこと好きって言うの
こんなに難しかったっけ
って『月曜日』の歌詞にならい、
エモい感情そのままに手を突き上げたいのに、
誰もしない。
そりゃ声を出したり、
ダイブとかしたりしたらダメだろうけどさ…
でもそれがマナーなのかな…
揺れて拳を握りしめることしかできなかった。
その後も『ムカデ』『空に歌えば』『ぼくら対せかい』『多数決』など、
心を揺さぶってくる曲が続くが、
終始全員直立不動。
ここらへんの曲って、
「周りに流されず、負けても自分らしく」
みたいなメッセージソングのはずなのに、
みんな蝋人形にでもなったかのように直立不動。
違和感や常識が多数決で決められた世界が嫌、
と歌う曲でみんな直立不動。
自分の無謀な挑戦を笑うなら笑えよ、
と歌う曲でみんな直立不動。
amazarashiの歌う曲に感動しつつも、
いつの間にか決められていた、
amazarashiのルールに縛られている、
約2000人の聴衆。
みんな無理してない?
うーん、なんか、
amazarashiに対する皮肉になってない?
本当に『バケモノ』に自分ごと、
”食われちまって、自分を失った?”
(あの映像ヤバかったもんな…
ってそんな話じゃねぇ)
特に『ぼくら対せかい』の、
あの全てを解放するような大サビの叫びで、
何も突き上げてくるものがないのか…
理由を前向きに考えるのなら、
たしかにふと気を緩めれば、
涙が止まらなくなるほどのパワーがあるので、
「見る」という行為にだけ集中したい人もいるんだと思う。
しかしあれだけのパワーを、
受け止めきれない人のほうが絶対多かったはず。
絶対、昔の自分の後悔と重ね合わせた人いる。
しかしみんなどこか会場の空気を気にしてる。
「泣いてんのかな?」と思ったけど、
鼻をすするような音もほぼしなかったし。
終演後も、特に普通…
さてはこらえていたな?
インプットの多いamazarashiのライブに加え、
過去の辛い自分を思い返しつつ、
世間体も気にする…
こうなると、どうなるか。
さすがに疲れちゃうんです。
普通に2時間棒立ちですよ。
本当にamazarashiのライブが、
朴訥な感じで進むなら分からなくもないですが、
やっぱりライブが進めば進むほど、
amazarashiの根底にある、
「ライブが楽しい」という衝動を、
感じざるをえなかった。
amazarashiって別に最初から、
イラストを使っていたようなバンドじゃない。
最初は「よくある明るい歌を歌いに東京来た」
ってインタビューで言ってました。
そんなバンドが試行錯誤して、
やっとライブハウスをソールドアウトさせる、
バンドになりました。
そんな大好きなバンドのライブが、
疲れるようなものであってはなりません。
だから、僕は手を上げました。
「空に歌えば」と「多数決」だったかな。
ラストの「スターライト」は、
何回も挙げました。
やっぱりちょっと疲れが取れたし、
自分の感謝をさらにamazarashiに向けれたと思います。
まとめ
今のスタンスはamazarashi自身が望んでいるのであれば、
やっぱり僕の行為は舌打ちものでしょう。
でも本人は「お好きなように」らしいです。
ならば今後このスタンスが、
僕は挑戦をしていくamazarashiの枷になるのではないかと危惧してしまった。
『空に歌えば』も、
王道少年漫画を意識してるからこそ、
いろんな人に色を付けられるようにと、
豊川さんのコーラスを入れたりしています。
実際フェスでは反応が全く違うそうな。
『命にふさわしい』の最後。
唯一感情をあらわにしましたよね?
その後の拍手が1番大きかった。
ああいう姿、
本当は『ぼくら対せかい』とかでも、
見れたんじゃないかと思うんです。
秋田さんがずっと両手を握りながら歌ってるのも、
なんかファンに遠慮してんのかな、
と思ってしまいました。
「世界に対する不満」を歌ってるはずなのに、
目の前の世界が1番ルールに縛られている…
これじゃいつまでたっても、
秋田さんは不満や嫌悪しか歌えません。
僕はいい加減そこから秋田さんを解放したい。
そのためには、ファンの力が必要だと感じました。
別にKEYTALKのような曲を作れってわけじゃない。
でもKEYTALKのファンが来ても楽しめるような空間ではあってほしい。
そうすればamazarashiはもっと広まると思うし、
何より孤高の存在ではなくなると思うんです。
それが好きって人も多いでしょうけど、
もうamazarashiは「見える歌詞」に、
頼らなくても勝てるバンドでした。
そういうamazarashiの進化に、
気付いていない人が多い気がする。
だが気付いてほしい。
ただでさえ共有が難しいバンド。
でも上手く共有できたら、
必ずその人の心を救うバンド。
もっと多くの人を救うために、
amazarashiはすでに挑戦と変化を繰り返し、
実は「あんたへ」辺りは、
前向きにやりすぎたって反省してる。
だからファンももっと能動的な姿見せても、
きっと秋田さんは文句言わない。
こんな意見は少数派なのかもしれません。
改めて言いますけど、
今日来てた2000人の中で、
1番amazarashi好きな自信もあると同時に、
全員もそう思える、稀有なバンドだと思います。
でも、これだけ感謝しているバンドに、
一様に棒立ちでは、いつまでもいられないと思った。
それはまたこのライブで、
僕の中でamazarashi好きが加速したからです。
最後の秋田さんのMC、
やっぱり6年間と重なるものがあって、
「ありがとう!」で、泣きました。
本当はもうamazarashiすらも響かない、
生きるのが辛い時期もありました。
でも本当にこのままで人生終われないことを、
この初ライブは再認識させてくれました。
だから感謝の形を、
いろんな形で僕は返していきたい。
あなたにも少しだけそんな気持ちがあるのなら、
このブログ伝わったかなと思ってます。
それでは、この辺で。
- アーティスト: amazarashi
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