■キム・ジュンヒョン韓東大学教授
「国際制裁の枠組みの中で交流拡大を」
今回の南北首脳会談は期待以上の成功作だ。板門店宣言に「非核化」が入り、「完全な」という修飾語まで付いた。これは、事実上「CVID(完全かつ不可逆的で検証可能な非核化)」を意味する。CVIDにおいてC(Complete・完全な)は、他を全て包括する概念でもある。
当初米国は、北朝鮮が主張する非核化は国際社会の非核化とは別の意味ではないかという疑念を抱いていた。そこで「完全な非核化」としてうまく整理されたものとみられる。今後、米朝首脳会談で実質的非核化のロードマップを作ればいい。
年内終戦宣言、開城連絡事務所開設、10・4宣言における南北交流事業の再度推進合意にも勇気付けられる。交流事業は、国際社会の北朝鮮制裁に抵触しないラインで、完全な非核化を条件として順次広げていかなければならない。
首脳会談の場所を板門店に定めたのがよかった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が6回も南北を行き来した。「正常な国」へ進むため、確実に戦略的変化を選んだようだ。今後韓国政府が留意すべき点は、やはり「トランプ・リスク」だ。韓米首脳会談で協調を確認すべきで、周辺国との協調を通じ、韓国の存在感を刻み付けなければならない。