2018-04-30

胸の無いにも人権

突然だが主張したい。貧乳には人権がない。本当のことだ。

ブラジャーなんて胸がないからいらないだろう、そう考えて長いことタンクトップ1枚などで過ごしていたもののやはりいわゆる女の子たちへの憧れめいたものが捨てきれないみたいな感情と流石にいつまでもそれではいられないだろうという焦燥感に思い至ってある日に初めて、大型商業施設の中にあるいわゆる下着屋さんというところに足を運んだ。

初めてですと言えば高校生と間違われ、測られるとA70、正真正銘貧乳である。だからどうしたと思われるかもしれないが、これが思った以上に大問題なのである

まず絶対的に種類が少ない。大抵の種類はBからであって、自分の計測値が書かれたカード店員に見せると微妙な顔をされる。

そしてこれが、このことが最大の問題なのだが、

Aの人間がつけられるようなものには、大抵パッドが入っている。

このことがかなりショックだった。

正直に言えば私は、胸のない自分の体型がそこそこに気に入っていた。だから何かで支えなければならない(無いとは言え無くは無く、放っておけばどちらかというと背中などの見え方に影響するらしい)として、できる限りいわゆる「盛る」ことはしたくなかった。それなのに、店員が持ってくるものには大抵ふっくらとした布が挟まっていて、彼女たちはその布切れがいか自然に胸を大きく見せるのかを笑顔セールスするのである

私は思い切って聞く。

「できればパッドがないものがいいんですけど……」

店員は少し困った顔をした後、少々お待ちくださいませと言っていなくなった。程なくして現れた彼女の手にあったのは、支えるという機能すら果たせるか怪しく、のっぺりとした可愛げのないものだった。「お客様サイズでパッド無しですとこれくらいですかね」

小さい胸のままでありたい人間に、女の子であることは許されないのか。とても悲しくなったことをいまでも覚えている。

平然と彼女らは、「女の子」は胸が大きいほど良くて胸が無い人間は大きく見せたいのだという価値観押し付けてくる。貧乳の、そのままでありたいという人権剥奪されているのである。私のような人間は、女の子であることは許されないのかあるいは、貧乳であることが許されないのか。ブラトップみたいなものがあるとかそういう話では無いのだ。機能だけならなんでもいいのかもしれないが、私だって女の子の端くれで、そういった誰にもみられない場所自分だけの可愛いを飼うことに憧れないでも無いのであって。とても釈然としない気持ちのまま今までを生きている。

盛らなくていい小さい向けのを知っている人があらばぜひとも教えていただきたい所存です。

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