朝鮮日報

南北首脳会談:「完全な非核化」の目標掲げるも具体策なし

南北首脳会談:「完全な非核化」の目標掲げるも具体策なし

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は27日、板門店で南北首脳会談を行い、「完全な非核化を通じて核のない韓半島(朝鮮半島)を実現するという共通の目標を確認した」と明らかにした。

 両首脳は同日午前と午後の2回にわたり約2時間10分間会談し、「韓半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」に合意した。両首脳は宣言文で「北側が取っている(核実験・大陸間弾道ミサイル〈ICBM〉発射中止など)主動的な措置は韓半島非核化に非常に意義があり、重大な措置だという認識で一致し、今後それぞれ自己の責任と役割を果たすことにした」と述べた。

 「完全な非核化」という言及があったが、具体的履行案や時期などは宣言に含まれていない。金委員長も同日、声明署名後の共同発表で非核化について一言も言及しなかった。このため、北朝鮮の核廃棄合意とそのための具体的なロードマップ作成は5月末-6月初めに予定されている米朝首脳会談に委ねられたとの見方がある。南北は「韓半島非核化のために国際社会の支持と協力を受けられるよう積極的に努力する」と述べた。

 文大統領は共同発表で、「韓半島の完全な非核化のために南と北はさらに緊密に協力していく」と言った。金委員長は「全同胞が戦争のない平和な地で繁栄と幸福を享受する新時代を切り開いていくという確固たる意志を同じくし、実践的な対策に合意した」と語ったが、「核に関する言及」はなかった。韓国大統領府関係者は「(金委員長の)非核化意志は複数の経路を通じて確認しており、肉声もあるが、別の機会に話す」としている。

 両首脳は宣言文で「もはや韓半島で戦争はないだろう。新たな平和の時代が開かれたことを8000万の我々同胞と全世界に厳粛に明言する」と述べた。また、「今年は終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換するための南北米3者または南北米中の4者会談の開催を積極的に推進する」とした。さらに、軍事的緊張緩和のため5月1日から軍事境界線一帯の拡声器放送とビラ散布を中止し、その手段を撤去することにした。

 同日、11年ぶりに行われた南北首脳会談は、史上初となる軍事境界線を越えた板門店の南側で行われた。両首脳は午前中、韓国側施設「平和の家」で100分間会談したのに続き、午後には板門店にある「徒歩の橋」で30分間、随行員も伴わず2人きりの「密談」を交わした。そして夕には夫婦同伴で晩さん会に出席した。

■4・27板門店宣言の主な内容

-「完全な非核化」という共同目標の確認

-今年中に終戦宣言…平和協定締結

-北方限界線(NLL)一帯を平和水域に

-開城に南北共同連絡事務所を設置

-文大統領の訪朝、8月15日の南北離散家族再会

板門店=共同取材団、黄大振(ファン・デジン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 南北首脳会談:「完全な非核化」の目標掲げるも具体策なし

right

関連ニュース
今、あなたにオススメ
Recommended by