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「サブカル委員長」を形成するものとは?
──ホラーは苦手なようですが、代名詞的な存在になっている『ムカデ人間』は大丈夫だったんですか?月ノ美兎 『ムカデ人間』(※)は学校の映画研究部で見たんです。大勢で見たのでホラーというか、シュールな映像集みたいな感じで大丈夫でした。 ※2010年に公開されたトム・シックス監督作のホラー映画。「人間の肛門と口を繋いでムカデのような生き物をつくる」という人の尊厳を無視した設定で、カルト的な人気をほこる。公式Twitterも月ノ美兎きっかけによる突然のバズに動揺していた。
──"サブカル委員長"と呼ばれるほどサブカルに傾倒していったのも映画研究部が関係しているんでしょうか?
月ノ美兎 でも、ずっとネットに触れてきた方が大きいですね。
お父さんがすごいサブカル好きなので、それの影響が大きい気がします。『寄生獣』とか『夢幻紳士』とかいった漫画を小学生の時から見ていたので……すごいトラウマになってますね。
──漫画は今もコレクションしているということですが、今集めているシリーズは何ですか。
月ノ美兎 今は追っているのは『ダンジョン飯』『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』『めしにしましょう』『恋は雨上がりのように』ですね。あ、あと『そのおこだわり俺にもくれよ』『ハイスコアガール』『かくしごと』もです。
──なんだか納得感の強いセレクトでした! ゲーム実況をよくされていますが、チョイスが独特ですよね。ヨーロッパ企画(※)さんのものが多かったり。
月ノ美兎 せっかくゲームをやるなら、他の方があんまりやっていないものがいいなと思って。マイナーで見ている方が反応に困りそうなものはないかなと探した結果でしたね。
月ノ美兎 小さい頃からずっとMACユーザーだったので、それしかできなかったからなんですけれど、フラッシュゲームが好きで。
生まれた頃からパソコンがある環境だったのでBBSとかチャットにもハマっていました。
──動画の中では音MAD的取れ高を意識するような発言もありましたが、やはりインターネット育ちだからこそ?
月ノ美兎 MADは結構好きですし、わたくしもニコニコ動画で結構ネタにされて今こうして人気になった部分もあると思うので、Twitterで言及したりすることでもっと盛り上がっていただけたらいいなとは思っています。
MADもそうなんですが、わたくしの二次創作ってゲームとか少し斜め上なものが多くて……(笑)。そういうのは全部ありがたいです。 月ノ美兎 わたくしも自由にやってきたので、なんでも自由につくっていいんだみたいな土壌が生まれたのかなとは思います。
とはいえ、ここまで自由になるとは思ってなかったですけれど(笑)。
──それでは一番驚いた/面白かったファンアートを教えていただいても良いですか?
月ノ美兎 あ、それは清楚マン(外部リンク)ですね(キッパリ)。
──清楚マン(察し)。ちなみに「10分でわかる」シリーズはご自身で編集されてるそうですね。
月ノ美兎 わたくしの配信って1回が60分とかになってしまっていて、面白い部分があったとしても後から見返しづらいと思っていたんです。
なのでたまーにある面白い部分だけを集めたらいいんじゃないかと思って。最初は2〜3分でつくろうと思っていたんですよ。
でも面白いところを詰め込んでいったら最初は20分くらいになってしまって……。それを削って削って、それでも10分を少し超えるからもうタイトル詐欺だけど、やっちゃえ! みたいな感じでした(笑)。
月ノ美兎 やっぱり「10分でわかる」が結構大きかったと思いますね。そこからニコニコ動画に転載されて、ネタになってという流れだったので。
わたくし以外にもバーチャルYouTuberさんはニコニコ動画で結構ネタにされていますが、相性がいい人と悪い人がいると思うんです。
例えばシロさんはとても相性がいいと思うんです。ツッコミ不在感といいますか、干渉する余地があるとネタにされやすいんじゃないかと思って。たぶん、わたくしもそういうタイプなんだと思います。
月ノ美兎 わたくしは1人で変なこと喋る雑談みたいなところを評価されていると思っていて、それを活かしていきたいと思いました。
でも雑談をメインにすると、コメントを拾うくらいしかやることがなくて。それではすぐに限界が来ると思ったんです。
だから質問箱に答えるとかをやってみたんですけれど、そういう風に事前にネタをいただいて、ネタの取捨選択ができるならいい形になるんじゃないかと思ってラジオにしました。
ラジオだと視聴者さんとのコミュニケーションも取れつつ、雑談でもある程度内容のコントロールできるので丁度いい形だと思っています。
──バーチャルYouTuberは3Dモデルのキャラクターをきっかけに人気の火がつきました。一方、にじさんじ勢のように2Dでやる強みとはどのようなものがありますか。
いわなが 前提として3Dでやるのはかなりリッチだと認識しているんです。僕たちのようなベンチャー企業にしてみれば、いきなり3Dでやるというのは、かなりリスクも大きいんですね。
才能の発掘という観点から見れば、まずは2Dで始めて、ゆくゆくは3Dにしていくみたいな形式の方がすごく合理的。チャンスを最大化できる形式なんじゃないかと思います。
──月ノさんご自身は3Dへの憧れはありますか。
月ノ美兎 憧れますね。2Dは配信が比較的簡単だったりいいところもあるんですけれど、制約もあって。
今は縛られた状況の中でできること──ラジオとかゲーム実況をやっている感じなので、3Dになったらできることも増えるのかなと思います。
ただ、身体だけ3Dになってもどうしようかなとも思いますね。もちひよこさんがだるま落としをされていたみたいに、なにか小物もあったりしたら面白いと思うんですが。
今はこうやって配信させていただいていますけれど、その時にやりたかったこともありますからね。
夢のバーチャルアイドルへ
──今回は事前にKAI-YOU読者の方からも質問を募集していました。そこからいくつかうかがっていきたいと思います。月ノ美兎 みなさんありがとうございます。精一杯お答えしますね。 ──まず1つめ。「バーチャルYouTuber同士のコラボも増えてきました。にじさんじのメンバー以外だと誰とコラボしてみたいですか」
月ノ美兎 魔法少女ちあちゃんですね。
わたくしは「あらびき団」がすごい好きなんですけれど、ちあちゃんの動画って「あらびき団」っぽいんですよね。
単純にファンってだけなんですけど、すごくコラボしたいです。
月ノ美兎 これすっごい迷うんですよね。えーっと……邦画だと『告白』などを撮っている中島哲也監督ですね。特に『嫌われ松子の一生』がスゴイ好きです。あとは韓国のポン・ジュノさんも好きです。
──そして特に多かったのが「清楚ってなんですか」というものなんですが。
月ノ美兎 清楚について……これは深い質問ですね。
清楚ですから、やはり清らかな人間のことですよね。清らかで美しい、つまりわたくしのことだと思います。
──Exactly(そのとおりでございます)。時間も少なくなってしまったので、最後にいわながさんに「にじさんじ」について、今後の展望をうかがえますか。
いわなが 基本的にはグループの成長というのが大きな軸ですが、どう成長させるのかというのを考えていかないといけないと思っています。
僕らは配信者にチャンスを与えていくという想いがあるので、もっと個性を発揮させていく環境整備を考えていきたいです。
これから出てくる人達にも、先輩方とか運営の顔色窺わずになんならポケットに手突っ込んだまま歩くみたいな態度でいてほしい(笑)。それくらい自由でのびのびできる環境をつくっていきたいと思います。
──月ノさんは「一流のバーチャルアイドル」を目標に掲げてこられましたが、これまでの活動で目標には近づけましたか。
月ノ美兎 ラジオのオープニングで歌も歌えましたし、一流のバーチャルアイドルに近づけたと思います。
やがては古今東西ほとんどのバーチャルYouTuberさんがわたくしのラジオに出たことがあるみたいな状況を目標にやっていきたいですね。
──締めは委員長っぽいですね。
月ノ美兎 わたくしは委員長ですからね!
バーチャルYouTuberのインタビュー、まだまだ読めます。
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