NTTドコモの吉沢和弘社長は27日の決算会見で、「海賊版サイト」に対する接続遮断(ブロッキング)について「(サイトが)すでに閉鎖されているからといって、ブロッキングをしないということはない」と述べた。たとえ対象の海賊版サイトが閉鎖されていたとしても、準備が整い次第ブロッキングを実施する意向を示した。
NTTグループは23日にNTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTぷららの3社でブロッキングを実施すると発表していた。対象は政府が緊急対策としてブロッキングを適当とした「漫画村」「Anitube」「Miomio」の3サイト。現在は閲覧できなくなっており、運営者側が閉鎖した可能性がある。
ブロッキングの是非をめぐっては、悪質な著作権侵害への対処と、通信の内容をのぞかない「通信の秘密」のどちらを優先するかで議論が巻き起こっている。国内通信最大手のNTTグループが他社に先駆けて、ブロッキングを実施すると発表したことは関係者の注目を集めている。
吉沢社長は「著作権と通信の秘密のせめぎ合いについては結論が出ているわけではない」としたうえで、「インターネットのビジネスを阻害している事実を見過ごすわけにはいかない」と話した。