27日の南北首脳会談を控え、韓国大統領府(青瓦台)は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長による記念植樹など、会談日程の一つ一つに意味付けを行った。南北首脳会談の準備委員長を務める任鍾ソク(イム・ジョンソク)大統領秘書室長は26日、京畿道高陽市のKINTEXに設けられた首脳会談のメーンプレスセンターでの記者会見で、記念植樹について「木を植える場所は故・鄭周永(チョン・ジュヨン)現代グループ名誉会長が1998年に牛1001頭を引き連れて訪朝したときの板門店付近の道」と説明した。植樹の木は休戦協定が締結された1953年に芽生えた松の木で、根元を覆う土は済州島の漢拏山と北朝鮮の白頭山のものだという。ここに、文大統領は平壌を流れる大同江の水を、金委員長はソウルを流れる漢江の水をかける予定になっている。任室長は「共同植樹は韓国側が提案し、北朝鮮側がこちらの提案した木の種類や文言などを全て受諾した」と説明した。
この説明をめぐり、メーンプレスセンターの一部では「会談場のちり一つにも名前を付ける」との皮肉が飛び出した。青瓦台があまりに細かい部分までこだわって意味付けを行っているからだ。青瓦台が24日に公表した首脳会談の夕食会のメニューにも、料理に「スイスの思い出」「運命的な出会い」などの名前が付けられ「首脳会談をイベント化している」との指摘が出ていた。
この日、プレスセンターの入り口で開催された「統一の香水展」にも疑問の声が上がった。展示された香水に「平安北道のトウモロコシの香りの思い出」「黄海道海州の海の香り」などの名前が付けられており「トウモロコシの香りがするわけでもないのに、何の関係があるのか分からない」などの反応を示す人が多かった。国策研究院のある関係者は「感動的な場ではあるが、意味付けをし過ぎると会談の本質がかすんでしまう恐れがある」と指摘した。この日、メーンプレスセンターでは韓国政府が首脳会談の広報のために開催した専門家による討論会が3度行われた。