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富山

郷土の食 私たちが守る 滑川高生 ホタルイカ調理/サクラマス放流

ホタルイカの下処理をする生徒たち=滑川高で

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 滑川高校海洋科の二年生が二十六日、ホタルイカの調理とサクラマスの稚魚の放流に取り組み、郷土料理や栽培漁業への理解を深めた。(柘原由紀)

 食品科学分野選択の十四人は、滑川漁業協同組合女性部の倉本禮子部長らからホタルイカの調理方法を学んだ。倉本さんは県の「とやま食の匠(たくみ)」に認定されているホタルイカ料理の達人。

 ゆであがりの色から「桜煮」と呼ばれる釜ゆでや、刺し身、創作料理として春巻きの皮で作るホタルイカのピザが献立。目玉は硬くて食べられないため、下処理が必要で、生徒たちは女性部の講師たちに見守られながら熱心に調理した。

サクラマスの稚魚をバケツから流す生徒たち=上市町北島の上市川で

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 中嶋友菜さん(16)は「刺し身は足を取るときに内臓が飛び出てきて大変だった。ピザは簡単なので家で作りたい」と振り返り、橋本充教諭(64)は「郷土料理は伝承しないとすたれてしまう。この子たちが役割を担ってほしい」と話した。

 海洋科・資源増殖選択の十一人は、サクラマスの稚魚約千五百匹を上市町北島の上市川から放流。稚魚は、水産研究所(滑川市)から昨年十二月にもらい受けた発眼卵を同校でふ化させて飼育した。無事に育てば二年後に戻ってくるという。

 生徒たちは、同校の水槽から稚魚を搬出。放流地点の河川の水質検査をした後、バケツから稚魚を一斉に川に放した。開沢緋莉(あかり)さん(16)は「大きくなって戻って来てほしい」と期待した。放流は二〇〇七年から続け、数は計一万匹を超えている。今回放流しなかった残りの稚魚は学校で飼育を続け、肉質向上のための研究などに使う。 

 

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