話題の「急ぎません。便」は運送業者を助けるか?
2017年10月03日
通販サイト「ロコンド」が、配送メニューに「急ぎません。便」を追加。1~3日後に発送するというメニューです。このサービスを9月14日にスタートしたところ、初日の注文の20%が「急ぎません。便」を選んだそう。近年、当日配送など配達業者に求められる過度なサービスが問題視されていますが、今回のロコンドの試みについて、株式会社コーポレイトディレクションのパートナー、占部伸一郎さんにお話を伺いました。
ロコンドは、最短で即日お届けのエクスプレス便(490円)、即日発送するお急ぎ便(390円)、日時指定便(290円)を設定していましたが、これに、1~3日後発送の「急ぎません。便」(290円)を追加。すぐ来るかもしれないし、遅く来るかもしれないけど、“3日以内”に配達業者の都合の良いタイミングで配達してくれるというものです。
ネット通販が好調な一方、配送業者の人手が足りないことが、社会的にも大きな関心を集めていますが、ロコンドがこの試みをはじめたのは、「急ぎません。便」があることで、当日どれくらいあるかわからない注文に対応できる配送業者を、ある程度確保できるというメリットがあるから。
しかし占部さんいわく「残念ながらこのシステムでは、運送業者側はあまり楽にならない」と言います。運送業者の人手不足の問題の多くは、不在による再配達です。宅配ボックスが普及しつつあるとはいえまだまだ足りませんし、コンビニ受取りなどもありますが、なかなか解決法が見つかっていないのが現状です。ただし、利用者側でもなるべく配送業者の負担を減らそうと、宅配ボックスを自分で設置する人や、高価なものでない場合は家の入り口に置いてもいいという指定も増えているのだそうです。
占部さんが話を聞いたロコンド社長は、「今回は自社の人件費の問題でしたが、社会全体に『急ぎません。便』が広がると、最終的に配送業者側の業務削減にもつながるのではと思ってやっています」と語っていたそうです。
ファッション通販「ZOZOTOWN」もユーザーが送料を決められる制度をスタートしたり、各社が試行錯誤しながら日本に合う方法を模索している最中ですが、海外に比べると日本の宅配サービスは非常に便利過ぎる面もあるので「急ぐものと、急がないものをユーザー側が表明して、事業者もそれに合わせて配達してくれる社会が一番いいのかなと思います」と語っていました。
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【番組情報】
番組名:「STEP ONE」
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
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