金融機関窓口などでの取引時の情報提供にご協力ください
金融庁・金融機関等は、金融サービスを悪用するマネー・ローンダリング及びテロ資金供与への対策(以下、マネロン・テロ資金供与対策)に取り組んでいます。犯罪組織やテロ組織への資金流入を未然に防ぎ、安全で利便性が高い金融サービスを維持し、犯罪組織やテロ組織が活動しづらい環境を作るため、皆様のご理解とご協力をお願いします。マネロン・テロ資金供与とは、犯罪や不当な取引で得た資金を、正当な取引で得たように見せかけたり、多数の金融機関等(※)を転々とさせることで、資金の出所をわからなくしたりする行為や、テロの実行支援等を目的としてテロリストに資金を渡す行為を指します。
仮に、下記事例のように、金融サービスを悪用して、わが国が制裁対象とする国・組織・個人や犯罪者に資金が渡ることとなれば、更なる犯罪行為やテロ行為を助長するということになりかねません。金融機関等は、犯罪組織やテロ組織が資金獲得の手口を日々巧妙化し、一般利用者に紛れて気づかれることなく取引を行おうとする中で、取引に不自然な点があれば、利用者に質問をしたり必要な情報の提供をお願いするなど、厳格な取引時の確認を徹底することが求められます。
(※)金融機関等とは、銀行、生命保険会社、損害保険会社、証券会社、貸金業者、資金決済業者、仮想通貨交換業者などを指します。
国際的に核・ミサイルやテロの脅威が増す中、犯罪者・テロリスト等につながる資金を断つことは、日本及び国際社会がともに取り組まなくてはならない課題であり、マネロン・テロ資金供与対策の重要性はこれまでになく高まっています。
こうした中、日本は、2019年に、マネロン・テロ資金供与への対策がどの程度有効に実施されているか、審査を受ける予定となっています。
審査は、国際的にマネロン・テロ資金供与対策の中心的な役割を担っているFATF(※)が実施することとなっており、金融機関等の現場において実際に有効なマネロン・テロ資金供与対策が行われているかが審査のポイントの一つとなっています。
当該審査については、日本が有効なマネロン・テロ資金供与対策を実施していることを示し、国際的な信認を得る好機であり、金融庁としては、国際送金等の円滑な実施や、犯罪組織やテロ組織を寄せつけない堅牢な金融システムの確立の観点からも、官民一体となって取り組む必要があると考えています。
こうした状況を背景として、金融庁では、2018年2月に金融機関等における実効的なマネロン・テロ資金供与対策の基本的な考え方を明らかにした「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を策定・公表しました。また、金融機関等では、複雑化・高度化するマネロン・テロ資金供与の手口に対応し、営業現場においてこれを有効に防止することが出来るよう、対応を進めています。
こうした中で、皆様が金融機関等を利用する際に、従来よりも厳格な本人確認を受けたり、取引目的の確認、資産及び収入の状況等について従来は求められなかった資料の提出や質問への回答を求められる場合があります。
特に、マネー・ローンダリング、テロ資金供与を試みる犯罪組織等が行う様々な手法に対抗できるよう、金融機関等は、自社の営業地域や商品特性等も踏まえながら、それぞれに調査手法等を工夫・実施しています。
このため、利用する金融機関等や、行う取引の違い等によって、異なる資料の提出や質問への回答を求められる可能性があるほか、場合によっては、同一金融機関・同一取引であっても、利用者によって、求められる資料や質問等が大きく異なってくる可能性があります。
(※)実質的支配者については、「 取引時確認の適正な実施について」をご確認ください
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