Googleは2018年4月25日(米国時間、以下同じ)、クラウドデータベースに関する4つの発表を行った。発表されたのは、「Cloud Spanner」のコミットタイムスタンプ機能、「Cloud Bigtable」のレプリケーション機能のβ版、「Cloud Memorystore for Redis」のβ版、「Cloud SQL for PostgreSQL」正式版のリリースだ。
Cloud Spannerは、グローバルに分散され、「水平スケーリング可能で高い整合性を備えたリレーショナルデータベースサービス」とうたわれている。2017年5月に正式提供が開始され、Optivaやバンダイナムコなど、多数の顧客がCloud Spanner上にミッションクリティカルシステムを構築しているという。
Googleは、ミューテーションの正確な順序の識別や、更新履歴の作成を可能にするコミットタイムスタンプ機能をCloud Spannerに追加したことを明らかにした。
Cloud Bigtableは、大容量データの解析や操作のための高性能なNoSQLデータベースサービス。リージョナルレプリケーション機能(β版)が2018年4月25日から順次提供開始され、2018年5月1日までに全ての顧客が利用できるようになることが発表された。
リージョナルレプリケーション機能では、1つのGoogle Cloud Platform(GCP)リージョン内のゾーン間でCloud Bigtableデータセットが非同期にレプリケートされる。この機能は、「可用性、読み取りスループット、耐久性を向上させ、ゾーンで発生した障害に対する耐障害性を実現する」とGoogleは説明している。
Googleは2018年5月9日から、Cloud Memorystore for Redisのβ版を提供開始する。
Cloud Memorystore for Redisは、オープンソースのインメモリKey-Valueストア「Redis」に対応した、スケーラビリティ、安全性、高可用性を備えるフルマネージドのインメモリデータストアサービス。Redisプロトコルと互換性があり、コード変更なしでアプリケーションの移行が可能だという。
Redisは、アプリケーションキャッシュやゲームのリーダーボード、増分カウンターなどのソリューションを開発するために広く使われている。高速なインメモリキャッシング、強力なデータ構造、レプリケーションやパブリッシュ/サブスクライブのような機能を持つことから、低レイテンシが要求されるユースケースに適しているという。
Cloud Memorystoreは、運用上のオーバーヘッドをなくし、デプロイを容易にしている。スタンドアロンインスタンスとしてデプロイすることも、レプリケーションによって高可用性を実現するようにデプロイすることもできる。
Cloud SQL for PostgreSQLは、クラウド上のPostgreSQLのリレーショナルデータベースを簡単に設定、維持、運用、管理できるようにするフルマネージドデータベースサービス。β期間に高可用性やレプリケーション、最大416GB RAMを搭載可能な高パフォーマンスインスタンス、19の拡張機能が追加された。
正式提供の開始に伴い、Cloud SQL for PostgreSQLは高可用性機能が利用可能になり、Google Cloudのサポート対象に加わった他、世界共通の99.95%のSLA(Service Level Agreement)が提供されるようになった。
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