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「無限にリサイクル可能な」プラスチック、開発に一歩前進 米研究
【4月27日 AFP】リサイクルを「無限に」繰り返すことが可能なタイプのプラスチックの開発に向けて一歩前進したとする研究結果を米国のチームが26日、発表した。耐久性は従来のプラスチックに匹敵する水準だとされる。
米科学誌サイエンス(Science)に掲載された研究論文によると、石油製品を原料とするプラスチックとは異なり、この新タイプのプラスチックは元の小分子の状態に戻すことができ、何度も繰り返して新品のプラスチックに作り直すことができるという。
論文の主執筆者で、米コロラド州立大学(Colorado State University)の化学科教授、ユージン・チェン(Eugene Chen)氏は「この高分子化合物は化学的な再生と再利用の工程を原理上、無限に繰り返すことができる」と述べた。
今回の研究はまだ研究室内での実験段階にとどまっており、次の段階に進むにはさらに研究を重ねる必要があると、チェン教授は注意を促した。
研究チームは2015年にも100%再生可能なプラスチックを発表したが、この古いタイプは多くの場合に必要とされる水準より軟弱だった。また古いタイプは製造に極低温状態が必要で、最終生成物は耐熱性が低かった。
今回の研究はこの先行研究の成果を足掛かりとして進められ、最新型のプラスチックではこれらの問題がすべて修正されていると、研究チームは述べている。
サイエンス誌に同時掲載された解説は今回の研究を、地球のプラスチック問題の解決に向けた「重要な一歩」だと評している。最新の再生処理工程の下では「プラスチック廃棄物を分解して出発物質の単量体に戻し、その後、新しいプラスチックを生成するために再重合させる」と解説は説明している。そして、この種の前進によって「寿命の最終段階にあるプラスチックが、廃棄物ではなく、高価値製品を作り出すための原材料とみなされる世界の実現につながる可能性がある」と述べている。
現在のところ、プラスチックのリサイクル率はわずか5%にすぎない。一方、プラスチックの世界生産量は2050年までに5億トンを超えると予想されている。また専門家らは、世界の海に漂うプラスチックごみの量が2050年までに魚の量を上回ると予測している。(c)AFP