安い自動車保険を選ぶとき、「本当にこれで大丈夫?」と不安になりますよね。
実は、私は高い保険で有名な代理店型自動車保険の正社員として勤務していた経験があります。その時は、もちろん安い保険会社とも高い保険会社とも交渉をしてきましたが、結論から言えば「安くても高くても事故対応力は同じだから、安い保険会社でオッケー」です。
だから、安い保険会社だからと心配せずに保険料で保険会社を選びましょう。
ただし、安い保険会社だからと言って補償内容をてんこ盛りにしたり、補償を削りすぎたりするのも、本末転倒。そこで、高い保険会社の社員だった私が、安い保険会社でも安心できる補償の選び方や、保険会社の選び方などを徹底解説します。
保険料を安くしたい方は是非最後まで目を通してくださいね。
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自動車保険の種類と選び方のポイント
まずは、自動車保険ってなんの種類があるの?という方のために自動車保険の種類や補償内容をわかりやすく説明しますね。
任意保険の保険料は保険会社によって大きく違う
自動車保険には自賠責保険と任意保険の2種類がありますが、今回お話するのは任意保険です。
自賠責保険は車検の際に強制加入している保険で、保険料が法律で決まっているので節約できません。その点、任意保険は民間の保険会社が独自運営しているので、保険料は千差万別。
その中から、自分にとっての最安保険料の保険会社を探すことで、最大2倍以上の保険料の差が出ることがあります。
任意保険の補償内容は自分で組み立てる
任意保険は、補償内容を自分で組み立てることができます。基本の補償はこちらです。
- 対人
- 対物
- 車両保険
- 人身傷害保険
- 搭乗者傷害保険
- 各種特約
これらの補償を組み合わせて、万が一の際に備えます。
自動車保険初心者さんや式で自動車保険に加入する場合、どんな補償内容にすればいいのかわからないと思いますので、簡単なモデルプランをご紹介しますね。
- 対人・対物無制限
- 人身傷害保険3000万円
- 車両保険なし
- 搭乗者傷害保険なし
- 相手車全損超過修理特約
- 対人・対物無制限
- 人身傷害保険3000万円
- 車両保険:エコノミータイプ
- 搭乗者傷害保険なし
- 相手車全損超過修理特約
- 対人・対物無制限
- 人身傷害保険3000万円
- 車両保険:一般タイプ
- 搭乗者傷害保険なし
- 相手車全損超過修理特約
これらのプランは下に行けば行くほど保険料が高くなります。
自動車保険の保険料が高くなる理由は様々ですが、自分でコントロールできるのは「車両保険の有無」です。補償を組み立てる時は、車両保険が必要かどうかを考えてください。
1日自動車保険と普通の自動車保険
自動車保険といえば、1年契約で加入するものですが、最近は車を持たない若者向けの「1日自動車保険」が販売されています。
1日500円なら1日自動車保険に入った方がお得では?と思うかもしれませんが、実は1日自動車保険は「自分の車」には適用されません。
他人の車を運転するときに使う保険なので、1日あたりの保険料のリーズナブルさに惹かれて加入しても、自分の車は補償対象外なので、必ず通常の自動車保険に加入しましょう。
一番安い自動車保険は自分で探すべし。補償内容で保険料は大きく変わる
自動車保険の組み立て方が、うっすらわかったところで次は保険会社選びです。
「調べたら保険会社はたくさんありすぎて選べない!」って思いましたか?そうです。保険会社はたくさんあります。その中でどこが一番安いのかなんて、わかりませんよね。
だからと言って、自動車保険ランキングなどを参考にして適当に保険会社を決めないでください。
何故ならば、自動車保険は補償内容や運転者の年齢、等級などによって保険料が決まるので、格安ランキングの1位の保険会社があなたにとっての、最安保険会社になるとは限らないのです。私も様々な保険会社の保険料を、同じ条件、同じ車種で調べましたがランキング通りになったことはありません。
インターネットに掲載されているランキングの10位が私にとっての最安値だったこともあります。
ランキングに掲載されていない保険会社が上位にきて、ランキング1位の保険会社が一番割高だったこともあります。だから、自動車保険だけはランキングではなく自分で「最安値」を探してください。
どの保険会社も、公式ホームページに見積もり試算システムを搭載しています。これまでも自動車保険に加入していた人は「現在の保険証券」「運転免許証」「車検証」を用意すれば、簡単に見積もりが可能です。
これから新規で自動車保険に加入する場合は「運転免許証」と、「車検証」だけでオッケー。
最初は慣れないかもしれませんが、だいたい10分もあれば、見積もり結果がでます。インターネットの操作が面倒な場合は、オペレーターに試算を依頼することができるので、遠慮なくカスタマーセンターに電話して見ましょう。
保険会社が多すぎて、見積もりを取るのが大変!という方は通販型自動車保険に絞って見積もりをしてくださいね。
自動車保険の保険料を見積りして比較しました
いくら「安いです」、「高いです」と言ってもピンとこないと思うので、通販系損保と、代理店系損保、共済系損保を同じ条件で保険料を比較してみました。
3種類の補償内容で比較したので、保険料の差をじっくりとご覧ください。今回見積もりに登場してもらうのはこちらの保険会社です。
見積もった補償内容はこちらです。
- 対人・対物無制限
- 人身傷害保険3000万円
- 車両保険なし
- 搭乗者傷害保険なし
- 相手車全損超過修理特約
- 対人・対物無制限
- 人身傷害保険3000万円
- 車両保険:エコノミータイプ 免責金額5-10万
- 搭乗者傷害保険なし
- 相手車全損超過修理特約
- 対人・対物無制限
- 人身傷害保険3000万円
- 車両保険:一般タイプ 免責金額0-10万円
- 搭乗者傷害保険なし
- 相手車全損超過修理特約
見積もりを出した条件はこちらです。
それでは早速見積もり結果をご覧ください。
通販系損保代表 SBI損保
保険料節約特化型 | 15100円 |
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車も大切&保険料も節約したい型 | 21940円 |
車大切型 | 34950円 |
※おすすめプラン、充実プラン、シンプルプランとありますが私がカスタムしてあるので、左から、節約型、車大切節約型、車大切型です。
代理店系損保代表、損保ジャパン日本興亜損保
保険料節約特化型 | 39220円 |
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車も大切&保険料も節約したい型 | 60690円 |
車大切型 | 85930円 |
共済系代表、全労済マイカー共済
保険料節約特化型 | 31230円 |
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車も大切&保険料も節約したい型 | 42540円 |
車大切型 | 62750円 |
見積り金額を比較した結果
SBI損保で、車両保険をフルカバーの一般タイプをつけても保険料は年間34950円ですが、損保ジャパン日本興亜は、85930円。
その差額は50980円!
通販系損保は、充実した補償内容を低予算で実現できることが良くわかりましたね。補償内容はどの保険会社も変わりませんので、保険料のことを考えると通販系損保一択です。
新規自動車保険の保険料を下げたければ通販系損保から探す
新規で自動車保険に入る場合、保険料は割高になります。
それを小技で少しだけ安くすることはできますが、それよりも効果的なのは「通販系損保」で加入することです。実は、日本の自動車保険を取り扱っている保険会社には「通販系」「代理店系」「共済系」の3種類があります。
これを保険料が安い順に並べるとこうなります。
- 通販系
- 共済系
- 代理店系
通販系の保険料と代理店系の保険料は2倍以上差がつくことが多いので、新規で自動車保険に入るなら通販系一択です。特に若い新規契約者は、代理店系で加入すると保険料だけで月額2万円なんてことも珍しくありません。
逆に、おすすめできないの自動車保険は、共済系と、代理店系です。
保険料が割高なので、安い自動車保険に加入したい20代にとっては負担が大きすぎます。そもそもその分類って何?どうやって見分けるの?という方のためにさらに詳しく解説しますね。
通販系損保は経費が少ないから保険料が格安
通販系損保とは、その名の通り、インターネットや電話のみで保険を販売している保険会社です。ダイレクト系と呼ぶこともありますが、中身は一緒。
保険会社が契約者に直接、インターネットで販売することで、営業社員や代理店などの人件費、全国各地に設置する拠点の経費などをまるまる節約することができます。だからその分、保険料が格安です。
安いと中身が悪いのでは?と思いますが、自動車保険は補償内容を自分で組み立てることができるので、保険料は格安でも、保険料が高い自動車保険と全く同じ補償を受けることができます。
保険料を節約したいなら通販系損保一択です。
共済は手厚いサポートと普通の保険料
共済とは、JA共済や全労済などが運営する自動車保険です。
保険料はそれほど安くありませんが、保険料の割りには手厚い補償を受けることができるので、高齢者を中心に人気を集めています。地方では、地域密着型の事故対応をしてくれるので安心です。
ただ、保険料はそれほど安くありませんので、安さを求めているなら選択肢からは外れます。
保険料超割高の代理店系損保
代理店系損保とは、日本に昔から存在するシステムの保険会社です。
全国ほぼすべての都道府県に拠点を設置し、年収1000万円を超える総合職社員が「代理店」という保険を販売してくれる人々を管理しています。
代理店さんは、非常に手厚い事故対応サポートや契約サポートをしてくれるので、年配の方には人気ですが、対面での説明などを嫌う若い人には敬遠されがちです。
ただ、一番の問題は高額な保険料。
全国各地に設置されている拠点、高額な社員の給料、そして代理店さんに支払う手数料はすべて私たち契約車の保険料に上乗せされています。さらに、そこに保険会社の利益も乗っているので通販系損保と比較すると、保険料の差は歴然。
補償内容は変わりませんので、「代理店さんによる細やかなサポートの有無」だけで、保険料が変わることになります。
事故の時に現場に駆けつけてくれるような手厚いサポートのためなら、高額保険料も支払えます、という方ならいいですが新規契約を考えている若い方には、おすすめできません。
保険料を安くしたいなら代理店系損保は選ばないでくださいね。
最後に、代表的な代理店系損保と通販系損保をまとめておきますので、これを参考に見積もりをしてください。
- 損保ジャパン日本興亜
- 東京海上日動
- 三井住友海上
- あいおい損保
- 朝日損保 など
安い自動車保険を比較するときにやりがちなミス
さて、通販系損保が格安ということがわかったら、あとは保険会社のサイトで見積もりをするだけなのですが、そこで注意点があります。
保険会社の見積もりシステムに、必要事項を入力すると見積もり結果が自動で表示されるのですが、その時に表示された補償内容は「保険会社が選んだ補償内容」です。つまり、おすすめ補償内容だったり、手厚い補償だったり、とあなたが望む補償内容ではないのです。
しかも、その補償内容は保険会社ごとにバラバラ。
デフォルトの補償内容が私からすると「これって特盛よね」という場合もありますし、逆に「この補償内容はちょっと足りないんじゃない」ということもあります。
それを知らずに、表示された補償内容で比較すると、せっかく頑張って見積もりを取ったのに「中身が違うもの」を比較したことになってしまい、本当の底値保険会社がどこなのかはわかりません。
だから、保険会社の見積もりシステムで見積もりをするときは、紙に自分の保証内容を書いてそれを見ながら、補償を自分で組み立ててください。だいたい見積もり結果の右端に「自分で補償を組み立てるコーナー」が用意されています。
主要な合わせるべき補償内容はこちらです。
- 車両保険のタイプと保険金額
- 車両保険の免責金額の有無
- 人身傷害の保険金額
- 搭乗者傷害の有無
- 対人対物の保険金額
- 特約の有無
これらの補償内容は、保険会社によってデフォルト表示がバラバラです。
紙を見ながら同じかどうか確認して、保険料を確かめましょう。よくありがちなのが「車両保険の免責金額」の設定です。車両保険の免責金額とは、車両保険を請求する時の「自己負担額」のこと。
自己負担額が高額だと保険料が安くなりますし、自己負担額がゼロだと割高になります。
この設定が保険会社によって「ゼロ」だったり最初から「10万円」だったりとばらつきがありますので、注意深く観察してくださいね。
自動車保険のワーストランキング。20代にありがちな「盛りすぎ自動車保険」
保険会社で、多くの契約者さんの保険を見てきた私たち保険会社の社員は「流石にこれは盛りすぎでしょ」という保険に出くわすことがあります。
だいたい盛りすぎ保険に加入しているのは、ディーラーで新車を買った20代の若者です。
自動車ディーラーは保険会社の代理店も兼ねているので、車を売る時に保険も一緒に勧誘します。特に新車を買うときは、誰しも気が大きくなっているので、保険料のことを深く考えずディーラーの営業マンに言われるがままに特盛り保険に加入しがち。
ところが、特盛保険の保険料は超高額で「この人この保険料とローンだけで月に10万円払ってるんじゃないの?」と悲しい気分になることもあります。
自動車保険の保険料を月払いにしているのに、安い通販系損保の年間保険料並みの保険料になっていることが少なくないんです。
そこで、多くの若者が苦しんでいる、ディーラーさんがやりがちな特盛保険ランキングをご紹介します。
代車特約とは、車が事故や故障で動かなくなった時の、代車費用を支払う保険です。契約の時に設定した金額を上限にレンタカーを借りることもできます。
しかし、この保険料がかなり高いのです。
実は、保険会社には「修理工場紹介制度」というのがあって、その制度を使えば代車は無料で借りることができます。けどディーラーさんはそれを活用してくれないので、高額な代車特約に加入させることが多いのです。
レンタカー代が安い軽自動車に乗っているのに、普通車をレンタル金額の代車特約に加入していることもあります。いつももったいないなあ、と思って見ていました。
私からすると、福祉車両などの特殊な車が必要な場合を除いて、代車特約は不要です。
搭乗者傷害保険とは、事故の際に車に乗っていた人が怪我をした際に支払われる保険です。治療費や慰謝料などではなく、契約時に定めた金額が支払われます。
この日額払いというのは、通院日数や入院日数に応じてあらかじめ決めた金額が支払われるもの。例えば通院日額5000円なら、10日通えば5万円、50日通えば25万円が支払われます。
確かにこれは契約者さんにとっては助かる特約なのですが「人身傷害保険」に加入しておけば、治療費や慰謝料、休業損害なども支払われるので、わざわざ搭乗者傷害保険に加入する必要はありません。特に保険料が割高な新規契約者さんや、若い契約者さんが、無理して入る必要はゼロ。
お金に余裕があるかただけ加入すればいいと思います。
人身傷害保険とは、契約自動車に乗っているときに事故などで怪我をしたときの、治療費や慰謝料などが支払われる保険。これにさえ入っておけば、交通事故の怪我によって治療費を自己負担することはほぼありません。
ただ、人身傷害保険自体は問題ないのですが、人身傷害保険の種類に問題があります。
人身傷害保険にも色々種類があるのですが、その中でも一番保険料が高額なのが「車外補償」という種類の人身傷害保険です。
車外補償とは、契約自動車以外の車や歩行中の交通事故、そして自転車での単独事故にも対応してくれるのですが、何と言っても保険料が高いです。もちろんあるに越したことはないのですが、保険料を節約したい若い世代が無理して入る必要はありません。
自動車保険の事故対応の口コミは信じちゃだめ。はっきり言ってどこも一緒
格安自動車保険といえば「事故対応が悪い」というイメージがあるかもしれませんが、実際のところ、どこも事故対応は変わりません。
試しにインターネットで保険会社の事故対応の口コミを調べてみてください。
大手代理店系損保も通販系損保も同じような、悪い口コミばかりだと思います。私は、代理店系損保で事故対応をしていたので、多くの保険会社の担当者と交渉をしましたが、代理店系だから事故対応が上手で通販系だから悪い、ということは全くありませんでした。
代理店系にも通販系にも「この人の交渉力はすごいなあ」という人もいましたし、逆に「本当にこの人最低」と思う人もいました。
つまり、どこの保険会社にも当たり外れがあるということです。
そもそも事故自体が、悲劇なので事故対応で満足してくれる人ってそんなにいないんです。大手損保でも通販損保でも、毎日本社のクレーム電話はなりっぱなし。とは言っても、きちんとした事故対応をしてもらいたいですよね。
そんな時は保険会社の種類を問わず、担当者に「何かあっても、何もなくても定期的に途中経過を教えて欲しい」と伝えてください。
すると担当者は、経過報告をしなければならないので、自然といつもよりも頻繁に相手と連絡をとったり、交渉を進めたりするようになります。
まとめ
安い自動車保険を探したければ、まずは「通販系損保」の中から選んでください。
特に新規で加入する20代の若い人なら通販系損保一択。自動車保険は自分で補償を組み立てられるので、無駄なく、自分にとって必要な補償だけをつけて、あなただけの安い自動車保険を作りましょう。
大切なのは、多くの通販系損保の保険料を「同じ条件」で比較すること。
少し時間はかかりますが、それだけで保険料を数千円から1万円以上節約することもできますので、1時間ほど時間を用意して、挑戦して見てください。