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石川

中国からトキの絵 届く 羽咋の村本さんへ 93歳の誕生日

93歳の誕生日の祝いに届いた絵を手にして喜ぶ村本義雄さん=羽咋市上中山町で

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 トキの保護活動を長年続けている羽咋市上中山町の日本中国朱鷺(とき)保護協会名誉会長、村本義雄さんの元に二十六日、中国陝西(せんせい)省の林業庁からトキを描いた絵が届いた。同日が満九十三歳の誕生日の村本さんへのプレゼントで、村本さんは「毎年、ちゃんと記憶していただいてうれしい」と喜んでいる。

 絵は航空便で届いた。扇の形の中に、つがいのトキと、迎春花が描かれ、長寿を祝う言葉が添えられている。迎春花は、村本さんが陝西省のトキ繁殖地を訪れた時に何度も目にし、持ち帰って自宅庭に植え、今年も花を咲かせた思い入れの深い花でもある。

 村本さんは陝西省へは二十回訪れた。「三十七年前に七羽のトキが発見され、今では二千七百羽にまで増えた。日本から一人のじいさんが訪れて、一緒に守る活動をしてきた。同志と思ってもらえているのかと思う。トキを通して日中友好の民間交流の道ができつつある中で、お祝いをいただけるのはうれしい」と話した。

 村本さんは、トキの保護活動の集大成として昨年出版した「中国のトキを慕いて」を、日本鳥類保護連盟の元会長だった河野洋平元衆院議長宛てに送ったところ、息子の河野太郎外相から今年二月、村本さんの活動に対し、「日本と中国を結ぶ強い絆として立派に外交実績をあげています。日本外交の責任者として心より感謝申し上げます」としたためた礼状が届き、村本さんを感激させた。 (小塚泉)

 

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