少しくらい自動車税の支払いを滞納しても大丈夫なのでは?と考えている人も多いのではないでしょうか。
でも実際は、自動車税の滞納は現物の自動車そのものを差し押さえしやすいので、対処は厳しいと言われています。具体的に自動車税の滞納から差し押さえまでの実態を見てみましょう。
目次で内容をパッと理解する [表示する]
自動車税を滞納するリスク
自動車税の納付期限は5月末までに設定されていますが、7月末日まではゆうちょ銀行を除く各金融機関で支払えることを最初に知っておくと良いです。
しかし、自動車税の滞納に対しては、6月1日から日割りで延滞金が付くことになっているので、納付日を1日でも過ぎると滞納していることになります。
自動車税の滞納により、具体的にはどのようなリスクがあるのか確認してみましょう。
車検が通らない
6月以降に車検を迎える自動車の場合、車検を受ける際に自動車税納税証明書が必要となります。車検を受けずに期限切れの状態で違反して乗り続けると、罰金や免許取り消し事由に該当することがあります。
自動車税の納付期限直後に車検時期を迎える車は特に自動車税の滞納はできないわけです。
車検の時期によって自動車税の滞納の影響が変わるんですね。ちょっとびっくりです。
あと自動車税を滞納して納めたときのハガキ(督促状兼領収書)だと車検は受けれないの。都道府県税事務所で発行される納税証明書が必要になるから注意してね。
延滞金が発生する
自動車税の納付期限は5月末に設定されていますが、6月1日以降は日割りで延滞金が発生します。
最初の1ヶ月は都道府県ごとに異なる特例基準割合+1%で済みますが、1ヶ月を超えて滞納を続けると特例基準割合+7.3%と決して安くない延滞金が発生する点に注意が必要です。
自動車税の延滞金が1000円未満であれば全額切り捨てられて0円になりますが、延滞日数がすすんで1000円を超えると延滞金の切り捨ては100円未満となり延滞金が確定してしまいます。また延滞金が発生してからは最初に届いた用紙では支払いができなくなります。
延滞が1ヶ月を超えてくると法定税率が跳ね上がるわ。
自動車税延滞金の利息って高いんですね。納付期限は守ったほうがいいですね。
督促状を無視すると、、、銀行口座や給料、自動車など財産の差し押さえ
自動車税の滞納は督促状が届いても無視し続けて窓口に連絡しないでいると、催告書が届き「期限までに支払わないと銀行口座の預貯金を差し押さえます」という通知が届きます。
督促状の次に届く催告書では、銀行預金口座の差し押さえを考慮した連絡となるので、催告書が届いた段階ですぐに対応しなければ預金が差し押さえられることになります。
銀行口座が残高不足の状態であれば、更に給料差し押さえの連絡が勤務先に入り、最終的に自動車などの財産差し押さえに発展しかねません。
銀行口座の差し押さえの場合、口座から強制的に自動車税の金額が引かれます。
ただし、全額差し押さえられるわけではなく、給与から税金や社会保険料、交通費などを除いた金額の4分の1が上限となります。
給料の差し押さえの場合は、会社に債権差押通知書という書類が届くの。この書類が届くと会社側で支払いを拒むことはできないわ。
廃車にしても納税義務は消えない!
自動車税は一度納付書が発行されると、廃車にしても納税義務は免除にならないので注意が必要です。税金は逃れることができない仕組みとなっています。
2年以上滞納を続けていると、嘱託保存という措置が取られてしまい廃車すら不可能な状態となってしまいます。
財産の差し押さえだけでなく、廃車もできない状態となると何とかして滞納している自動車税を払うしかありません。
長期滞納でなければ、自動車税を滞納中でも名義変更や廃車の手続きは可能です。
過去の自動車税の滞納は廃車(抹消登録)しても消滅しないから気をつけてね。
自動車税の延滞金について考える
自動車税を滞納した時に発生する延滞金は、貸金業者から借りた時に発生する金利とは異なり減免されることがありません。
具体的な延滞金の発生時期や延滞利率について知っておきしょう。
そもそも自動車税の納付期限はいつ?
自動車税の納付書が届く5月上旬になると、5月末日を支払期限としていることが分かります。
口座振替の設定を行っている場合には、実際の引き落とし日が記載されているので確認しておきましょう。曜日と金融機関側の事情から、引き落とし日は数日前後しています。
自動車税の延滞金はいつからなの?
自動車税の延滞金は、納付期限の5月末日の翌日6月1日から日割り計算で発生します。
うっかり数日納付が遅れてしまっても、ゆうちょ銀行を除く各金融期間で納付可能となっているので、納付期限の翌日から延滞金が発生していることに気づかないこともあります。
なぜなら、延滞金が1000円未満の場合には、切り捨てられることになっているので、数日延滞したからといってすぐに延滞金が徴収されるわけではありません。
本来、自動車税は5月末日が納付期限ですが、7月末日まではコンビニ支払いも可能です。
自動車税っていくらかかるの?
自動車税の対象期間は「毎年4月から翌年3月までの1年間(新規登録の場合は、登録の翌月から翌年3月まで)」です。この自動車税は、排気量によって決めれています。
排気量 | 自家用 | 事業用 |
---|---|---|
1.0L以下 | 29,500円 | 7,500円 |
1.0超~1.5L以下 | 34,500円 | 8,500円 |
1.5超~2.0L以下 | 39,500円 | 9,500円 |
2.0超~2.5L以下 | 45,000円 | 13,800円 |
2.5超~3.0L以下 | 51,000円 | 15,700円 |
3.0超~3.5L以下 | 58,000円 | 17,900 |
3.5超~4.0L以下 | 66,500円 | 20,500円 |
4.0超~4.5L以下 | 76,500円 | 23,600 |
4.5超~6.0L以下 | 88,000円 | 27,200円 |
6.0L超~ | 111,000円 | 40,700円 |
自家用車の自動車税は事業用と違って高めに設定されていて、税額の幅も排気量によって大きくなっています。
ちなみに、前年の4月1日以降に自動車を所有した場合は、月割で自動車税が発生するわ。
自動車税滞納時の延滞金計算方法
自動車税滞納時の延滞金計算方法は、都道府県ごとに異なった特例基準割合に、以下の利率を加えて日割り計算されます。
- 納付期限から1ヶ月以内ならば+1%
- 1ヶ月を超えたならば+7.3%
[参考]東京都主税局:http://www.tax.metro.tokyo.jp/
例えば、特例基準割合が1.8%の時に1ヶ月以内ならば2.8%、1ヶ月を超えていたら9.1%の延滞利率が適用されます。
車種と用途目的に合わせた自動車税額に延滞利率と延滞日数を日割りで掛けた金額が延滞金となるわけです。
基本的に滞納金は免除されることはないから注意してね。
銀行や消費者金融との金利計算の違い
自動車税の延滞利率計算方法の違いは、延滞日数によって異なる利率が適用される所にあります。1ヶ月以内ならば延滞利率が低く抑えられているますが、都道府県ごとに異なる特例基準割合が基準となっているので、自治体によって延滞金利率が異なるわけです。
債務整理を行なっても減免されることがない延滞金ですが、1000円未満の端数は延滞金が発生していても実際に端数切り捨ての運用がされている点も銀行や消費者金融ではありません。
自動車税に時効はないの?
自動車税は、都道府県税事務所にとって滞納者に対する債権となります。つまり、消滅時効が適用されることになります。
納付期限から何も手続きが取られずに5年が経過すると、消滅時効が完成するので納税義務はなくなります。
ただ、自動車税を5年間滞納すると強制的に廃車扱いになるので公道は走行できなくなります。
さらに、滞納されてから一定期間が経過すると銀行預金などの差し押さえが実行されるので、実質的に自動車税の時効は成立しないと考えられます。
自動車税の滞納から差し押さえまでの流れと期間
自動車税を実際に滞納していると、いつ差し押さえられるのか不安になるでしょう。
自動車税滞納から即座に差し押さえが発生するわけではなく、うっかり払い忘れている人もいます。
複数回の通知が来てから最終的に差し押さえとなるので、流れと目安を押さえておくと必要以上に不安を煽られることはありません。
督促状が届く
自動車税は、地方自治体の管轄ですから、7月上旬を目安に督促状が届きます。督促状が届くまでの期間に最初に届いている納付書で先に納めてしまえば、何も心配する必要はありません。
督促状が届くことを待ってから、自動車税を納付することをせずに、なるべく早くお金の工面ができ次第支払うことが大切です。
督促状は税金関係だけでなく、携帯料金や公共料金などで滞納した場合にも届きます。
督促状は滞納している自動車税の支払いを再度うながすために送られてくるんですね。記載されている期日までに支払えば問題ないみたいです。
催告書が届く
地方自治体により異なりますが、複数回の督促状が届いても窓口へ連絡がなく、無視を続けていると自動車税滞納に関する催告書が届きます。
催告書に記載されている期限までに納付が無ければ財産の差し押さえ処分に進むことになるので、催告書は無視することは得策ではありません。
すべてのケースではありませんが、電話がかかってきたり、職員が自宅を訪問してきたりする場合もあるようです。
この段階が最終通告です。自動車税を滞納している人の財産を調査して差し押さえの準備をすることになります。
すぐに払えない状況でも必ず連絡してくださいね。
財産の差し押さえに来る
催告書に記載された期限内に自動車税の納付も窓口への連絡もなければ、いよいよ財産の差し押さえ手続きに入ります。
税金の差し押さえは、裁判所による判決を必要としないので、地方自治体の担当者が差し押さえ手続きを取れば、いつでも強制的に差し押さえ可能です。
差し押さえまでの期間については各自治体によってバラつきがあります。最近では、自動車税の回収率を上げるために差し押さえを積極的に実行している傾向にあります。
自動車ローンの場合には、滞納が始まって1ヶ月ほどで車が引き上げられてしまうこともあるので、実際の差し押さえ実行の措置は遅いとも言えます。
自動車税は都道府県の管轄なので、住まいの地域によって差し押さえのタイミングは変わってきます。
最初に滞納者の銀行預金口座に対して差し押さえをかけて、残高が不足していれば給与の最大1/4以内を差し押さえ、まだ不足する場合や無職のケースなどは、自動車などの資産を差し押さえることになります。
口座を差し押さえられても放置を続けていると、自動車自体が差し押さえられることになります。自治体によっては、強制的の車輪ロックをかけたり、競売にかけられて自動車税に充当されたりすることもあるようです。
督促状や催告書を放置すると差押予告書や差押通知書などの最後通告の書面が発送されるの。「納税の意思がない」とみなされると、差し押さえに向けた手続きがすすむから要注意よ。
各都道府県ごとに差し押さえ強化期間が設けられているから無視し続けている人はキケンです。
自動車税の滞納で何が差し押さえられるの?
自動車税の滞納で差し押さえられる場合に対象となることが多いのが、給与、預貯金、自動車などがあります。
給与、銀行口座、自動車等が差し押さえられない場合は、生命保険や株式、土地・建物、貴金属なども差し押さえの対象になります。
実際に財産を差し押さえられると、差押調書(謄本)が送られてきます。
この差押調書(謄本)の差押債権欄に、何が差し押さえらるのかが記載されています。
特に給与の場合には、勤務先に「債権差押通知書」が送られ差し押さえられるので自動車税の滞納が会社にバレてしまうので注意が必要です。
給料が差し押さえられる場合は、税金や社会保険料を除いた手取り金額の4分の1までになっているの。
自動車税の滞納で給与を差し押さえられると会社にも迷惑がかかります。差押通知書に記載されている指定期日までになんとか払ったほうがいいです。
給与がない人や銀行口座の残高不足の場合は、車が差し押さえられることもあります。
車の差し押さえは、タイヤロックが実施されますが、勝手に外すと封印等破棄罪や器物損壊罪に問われることもあるので要注意です。
銀行口座を差し押さえられる場合は全額?!
銀行口座などが差し押さえられた場合には、口座にある全額が差し押さえされるわけではありません。基本的には、自動車税+延滞金が差し押さえの対象となります。
ただ、銀行の預金口座が差し押さえにあうと、その銀行でのローンの審査には不利になります。
住宅ローンなどの審査では、税金の滞納は評価がかなり下がります。
実は罰則もある!?
自動車税は地方税ですから、地方税法第137条により罰則規定として「三年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」という定めがされています。
余程悪質なケースに限られるものの、自動車税の滞納は、長期間放置したり財産隠しをして差し押さえを逃れようとすると、罰則が適用される可能性があると知っておくことも大切です。
自動車税の支払い方法は?
地方税の自動口座引き落とし手続きを行なっていない場合、自動車税の支払い方法は納付書によるコンビニ払い、銀行振込み、さらに各県税事務所で直接現金払いでも可能です。
また最近では「Yahoo!公金支払い」のようなサービスでインターネット経由でクレジットカード払いもできるようになっています。
多くの支払先が用意されているので、なるべく早期に支払うと良いでしょう。
自動車税は納税期限を超えても払える
自動車税の納付書には期限が設定されているので、期限が過ぎたら督促状が届くまで支払い方法がないと思われがちです。しかし、コンビニ払いとゆうちょ銀行での支払いはできなくなりますが、各種金融機関や各県税事務所での支払いは可能です。
滞納状態を早く解消するためにも、身近な銀行で支払ってしまえば安心です。
もし、銀行などの金融機関や管轄の税事務所に出向くのが難しいときは、新しい納税通知書を郵送してもらいましょう。
あらたに届いた督促状では、督促手数料100円~300円が上乗せされていることもあるわ。できるだけ最初に届いた納付書を使うといいわね。
自動車税はクレジットカードでも払える
自動車税は、地方税ですから各都道府県の税金支払にクレジットカードが使えるようになっており、都道府県毎に定められた手順で行えば、自動車税をクレジットカードで支払うことが可能です。
手持ちの現金が無くとも、クレジットカードで分割払いやリボ払い設定にしてしまえば、じっくりと支払うことができます。
自動車税ってクレジットカードで支払いできるなんて便利すぎます。
楽天カードなら学生とか主婦でも取得できますね。
でもメリットだけじゃないの。もしクレジットカードでリボ払いにする場合にはシッカリした返済計画が必要よ。下記の記事でリボ払いについて詳しく解説しているから参考にしてみて。
リボ払いはヤバイ!?知っておきたいリボ払いに潜む危険性とデメリットまとめ
納税期限を過ぎると支払える場所が限られる
納税期限が過ぎた自動車税は、コンビニ払いとゆうちょ銀行での支払いができなくなります。
納付書を発行する際にコンビニ払いとするためには、収納代行サービスを利用する必要があり、支払期限を延長することができないシステムとなっているからです。
再度新しい期限を設定した納付書を送付することは、コストが掛かりすぎるので、自動的に支払える場所が限定されてしまうわけです。
滞納してしまった場合の3つの対策
自動車税の滞納を行なってしまった場合、差し押さえ手続きが取られる前にできることを順番に行って、何とか差し押さえだけは回避するようにしましょう。
具体的に取れる方法は3つあるので、取れる対策方法を確実に実施して行くことが必要です。
まずは窓口に連絡しよう
督促状や催告書が届いた際には、担当窓口に現在支払いができないのであれば、具体的な理由と状況を包み隠さず連絡することから始める必要があります。
督促状や催告書が届いた段階で無視をせずに、状況を伝えることで待ってもらえる可能性や、具体的な支払い予定を相談可能です。何も連絡しないことが最も悪い状況を招くことになります。
自動車税は、都道府県税で、軽自動車税は市町村税です。つまり、納税先は税務署ではなく都道府県税事務所と市町村役場になります。
滞納が悪質だと判断されると、差し押さえに発展する可能がたかくなるわ。
分割払いを打診してみる
自動車税を一括で支払えない状況ならば、分割納付を打診して支払い意思があることを示すことが重要です。今払える金額を具体的に明示することで、都道府県により対応は異なるものの、分割払いに応じてもらえることがあります。
分割払いに応じてもらえるかどうかよりも、分割払いで納付を打診してみることが重要ですから、分割払いが無理であっても、とりあえず一部支払いに応じてもらえれば、支払い意思有りとみなされるわけです。
カードローンなどで借りる
催告書まで届いている状態であれば、カードローンで借入を行なって先に自動車税を払ってしまうことを考えても良いでしょう。
カードローンで借入を行なうと、確実に金利が日割り計算でかかってしまうので、分割払いに応じてもらえなかった時の最後の手段と考えておく必要があります。
無利息期間があるカードローンを上手に活用するのはアリですね。
使わないと損!?無利息期間ありのカードローン!金利ゼロを使いこなす基礎知識
まとめ
自動車税の滞納は、放置しておくと督促状の後に催告書が送られてきて、自動車自体の差し押さえに発展してしまいます。
納付期限内にクレジットカードで先に払っておき、分割払いやリボ払いで完済を目指すことも考えてみましょう。
督促状や催告書が届いた段階で、担当窓口に分割払い相談を行なっても解決しない場合には、最終手段としてカードローンで借りて自動車税を納めてしまうことで、少なくとも自動車の差し押さえにならずに済みます。
いずれ支払わなければならない自動車税は、先に支払ってしまうことが精神衛生上も良いでしょう。
自動車を所有していると、自動車税だけでなく車検代、保険代、駐車代、ガソリン代などの維持費がかかるわ。
もし、負担に感じているなら売却してカーシェアリングやレンタカーを利用することも考えたほうがいいかもね。