2014年09月05日

『青春対話�』文化との語らい(下)

不思議! やはり妙法は素晴らしい!
豆粒くらいの題目しかあげられてないが、厳然と智慧が湧いているのがわかる。

ここ数日、どうにもこうにも夏目漱石が読みたくて、読みたくてしかたなかった。
理由はわかりません。止む能わざるだとしか言えません。
そうして本屋に行った。
すぐ読めるのがいいなあ、薄いのがいいなあ、などと甘い考えももちろんあって、
目にした本が『草枕』。

そして、冒頭を今日記事に書いて、
そうして、さっき『青春対話』を読んでいたら、まさにその冒頭の部分を先生が引用されて、
お話されているではないか!
ちょっと身震いしましたよ。

Q:上手く描けない、上手く弾けない。そんなときはどうすればいいですか?

A:「勇気」を出すんです。笑われたって、かまわない。一生懸命やっている人を笑う人のほうが、恥しい人間なんです。人と比べる必要なんかない。自分が少しでも進歩していればいいんです。


これはその通りなので、特別私見をさしはさむ必要はないですね。


Q:芸術にある花というのはどういうものですか?

A:「花」とは「自分自身」です。自分の「人間性」です。
自分の中の「人間」の解放が芸術なのです。社会の機構は、人間を何かの部品のように扱ったり、等級をつけたり、圧迫しようという傾向がある。


ここの先生の回答のなんとも味わい深いこと。
社会といっても人の世ですから、人間が作っているものです。でもその中で「人間」であるということはどういうことか、ということですよね、先生の伝えたいであろう心は。
往くべき大道、つまり創価の道、仏法の道を歩き、自分で自分の人間性を開花させ、それをまだ花開いていない人たちにお見せして、
「おお、いいはな咲いたね。でもおれまだなんだよなぁ」とか
「おれは一生蕾でいいや……」なーんて、
言っているひとに、優しいことばや強い言葉をかけて、
君にはきみにしか咲かせられない花があるんじゃないか、まあそういうことですよね。
照れるわ、こんな表現(笑)

ま、あれですよ、マッキーの歌ね。
『世界にひとつだけの花』ね。
異様にNo.1に拘っている人もいるが、only oneこそ誉でっしゃろ!
『二番じゃ駄目なんですか!?』もあるかなw
まあこれもTPOなんですけどね。
コンテストに応募するのにオンリー・ワンでいいやぁとかいうのはちょっとね。
正当な評価もなにもないコミュニティーで絶対一番になってやる! もね、ただの意地ですからね。

そもそも、娑婆世界に正当な評価なんてないでしょう。
文壇でいえば、審査員の主観です。
社会で言えば、統計です。
これのどこが正当な評価基準なんですか?
つまり、正当な評価とは、御本尊からくだされる賞罰だけなんですよ。
何ものも絶対に逃れられない賞罰です。
娑婆世界のなんてね、いくらでも逃れられるし、評価の基準たりえないんですよ。

ともあれ、「解放」という字にも注目するといいでしょうね。
開くではないんですね。あくあまでも解ってあげようとすることが鍵だ。
多分先生の心はそこにあるんでしょうね。
まあ、ちゃんと読めば、自分で自分を抑圧しているものをといて、解放になると思いますけどね。


牧口先生は「利・美・善」の追及が人間の幸福であると、おっしゃった。

これも説明いらないでしょ。
順番は関係ないかもしれないが、関係あるとすれば、
まず貢献し利益を追及すること、次が美しく(幸福で)あること。その次が善なることですよね。
これ、当たり前ですね。
まず行動ありきなのは自明の理。
その行動を思索することで、自分の心を磨く、美しくする。
そこからですよ善・正義の追及(不正への戦い)になれるということはね。

だが、自分の心を磨いたぞ、これでかなりいけるだろ、というものなしに、
他人を批判したり、善でなければと言い過ぎると、おかしなことになるという部分があるのは、
気をつけていきたいですね。しょせんやってることが全てですからね。
大事なのは、批判してるつもりがなくても、相手にそう受け取られたら終わりという、
表現の術、すなわち自分の感性でしょうね。

ともあれ、この3つが揃っていなければ偏波であるそうですよ。幸福ではないそうです。
根本は順番は関係ないと、私は思ってます。
でも娑婆世界は順番関係ありますけどね。これも二面的だということ。


Q:一流の芸術とはどんなものですか?

A:自分が感動し、讃嘆できるものが「一流の芸術」です。



ここは、目から鱗だった。
でもよく考えてみれば、これも当り前ですよね。
すべて主観的にしか見れない人間が、芸術を鑑賞したとき、自分の心が動かないのに
「こいつは一流だ!」とかいってしまうのは、自分を欺いてるのと同じですからね。
内道とは、あくまでも主体者は自分ですから、一流を決めるのも、自分の感受性だということです。

ただし、ここにも二面性はあります。
すなわち、先生が文学でも語られていた通り、
長い間、世代を超えて国境をこえて評価されているものが一流であると。
それを自分の心で感じる場合、基本、言葉にできません。
先生はそれを「自然」「生命」のようなものを感じると仰っています。
直感、霊感、言葉は沢山ありますね。
自分の言葉も大事ですが、向き合った相手の立場にたち、相手に伝わる語彙を持つ、
実はこのほうがもっと大事だと、私は思ってます。


本当に個性的な人は自分の個性を表現しようとさえ思わないのかもしれない。むしろ自然そのもの、生命そのもの、真実そのものに謙虚に仕え、それを表現しようとする。

「芸術に独創はいらない。生命がいる」
ロダン。


先に補足してしまったところですね。
これも全くその通りです。最近読んだ小説で言えば、藤沢周平の『橋ものがたり』。
これなんてまさに生命のある作品でしたよ。
別の言い方をすれば、小説に必要な基本的要素を完全に押さえいて、
それでいて藤沢周平という人の書き方文体、形式といったものが、これもまた完全にブレがなく、
作品にバラツキがなかったですからね。
ここまでのレベルになるだけで、相当な努力されことはすぐに読み取れましたね。
しかも文章は変に気取ることなつ平易かつわかりやすい。
ようするに、それが目(文字)に見えない美なんでしょうね。

ある友人が言ってました。今でも忘れてません。
「絵の重要なことは、目に見えないものを描くことです」と。
痺れたなぁ。絵は目にみえるじゃんとか言っちゃ駄目ですよw
「心」を、自分の「心」をカンバスに描いていなければ、人を感動させられません。
そういうことですよね。

動物を模写して、どんなに写真のように描けても、あんまり価値はないんですよ。
そのものを見て描き手が感じた――例えば猫を見て、可愛いなぁ、おしゃまさんだね! とか
なーんだちみ、照れ屋なの!? とかいった、自分が感じたものを作品にしなければ意味がないということです。

私が自分の言葉でと言い続けているのはそういう意味ですけどね。
抜き書き、引用。
それ誰の「心」なの? あなたのじゃないじゃん。
その文章書いた人のだよ……。そういうことですよ。


作品と作者は一応は、切り離して考える必要があるとも、先生は仰せでした。
ここは説明するのが難しいんですが、
ようは、作品が全てではない。
作品を作った人物の「人間性」がやはり重要ではないかと仰ってましたね。
極論すれば、「権力人」なのか、「文化人」なのかとね。
少々ここ、言葉変えてますけどね。

作者が生存しているのと、すでに他界しているという点もありますし、
ここは難しい問題なので、それぞれの立場で答えを出すしかないでしょうね。
だが、あくまでも「人間」としてどうかですよ。
と先生は仰ってましたけどね。

しいて言えばこういうことでしょう。
作品を作っていた時のこの人の心はどうだったんだ?
それを作品に見て、作品だけを評価するのが妥当な評価法ということですね。

けどこれは現実的ではありません。
ですから、文学作品にしても、絵画鑑賞の本にしても、
必ず「人と作品」というセクションがあって、
年譜なんかもあって、その人の一生を見たうえで、作品と合わせて一流かどうか決めなさいということですよね。

贋作やら剽窃。
そういう汚点があれば、その作品を作っていた時に純粋無垢であっても、
評価しえないこともあるということです。
やはり、人柄と作品は切り離せないと私は思ってますよ。

でもだんだん切り離せるようになってきますけどね。
私でいえば太宰VS川端。
太宰ファンの私は、川端大嫌いで、読まねーよ! とか読みたくねーよ!
とか思っていながらも、いいや、偏見はいかんといって読んで、
素晴らしとも思えましたし、感動もありましたからね。
最近は真のキリスト教というかキリスト個人に関して興味深々ですしね。
どうしてった西洋文学などを学ぶには、知識があったほうが理解しやすいんですよ。

なににしても、人間というものは、どうしても偏見があると思いますよ。
結局は「自分」を磨いて、偏見なく対等、平等に見れる目を自分で築くしかないということでしょう。




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