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【社会】

防衛省が内部告発漏らす 辺野古警備問題、個人特定可能な形

 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設工事を巡る約七億四千万円の過大請求問題で、警備会社が過大請求をしている疑いがあるとの内部通報を受けた防衛省沖縄防衛局が、元請けの大成建設に対し、内部通報者を特定可能な形で告発内容を伝えていたことが二十六日、同省への取材で分かった。

 防衛省は「個人情報保護の観点で不適切だった」と説明。通報者が社内で特定されたか、不利益を受けたかについては把握していないとしている。

 防衛省によると、二〇一六年一月、海上警備を受託した警備会社「ライジングサンセキュリティーサービス」(東京都)の従業員を名乗る人物が防衛局に電話し、警備に当たった人数の水増しがあると通報した。同局は工事の元請けの大成建設に調査を指示し、通報内容を記した文書を渡した。その際、通報者の氏名と連絡先は黒塗りにしていたが、社内での行動の情報などはそのままだった。

 同省は「他の情報と照合すれば、通報者を特定できる可能性があった。配慮が不十分だった」と話した。

 工事を受注した大成建設は、海上警備をライジング社に委託。ライジング社は仕様書より少ない人数で警備しながら、人件費約七億四千万円を水増しした書類を大成建設に提出した。

 

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