無策なら日本で男女間の所得格差が解消されるまでに100年かかる――アクセンチュアは4月26日、男女のキャリア平等や所得格差についての調査結果を発表した。
調査では、今後特別な施策を打たなければ男女間の所得格差が解消されるのは、日本では2121年、先進国では2080年、発展途上国では2168年になる可能性がある──と試算した。
男女間の所得格差はグローバルな課題だが、日本は他の先進諸国と比べても顕著だった。経済協力開発機構(OECD)の調査でも日本の男女間の所得格差は最大約365万円も開きがあるという。
アクセンチュアの堀江章子執行役員は、日本で女性の活躍が遅れている一因として、就業における日本女性特有の課題についてこう指摘する。
「海外では女性でも出張のために子どもを1カ月ほど親戚に預ける人がいる。しかし、日本の女性はそのような対応をすることで周囲に迷惑をかけてしまうのではないかとストレスを感じてしまったり、そもそも子どもを預けるという選択肢があることすら思いつかなかったりする」
日本では男性だけではなく、女性も男女の役割分担意識に強く囚われている点だ。
「子育て中の女性はこうしなければいけない」といった今の考え方を1度疑ってみることも大事だという。
調査では、男女ともに育休取得が奨励されていること、研修制度と受講環境が整備されていること――など、同社が特定した「男女キャリア平等を育む40の要素」が浸透している企業では男女ともにキャリア構築に前向きであることも明らかになった。
同社の田村京子戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクターは、人口減少や人手不足という社会課題があるから女性の活躍を推進するのではなく、能力があるにもかかわらず女性が能力を発揮できない状況が最大の問題だと指摘した上で、調査結果を活用しつつ「多様な人材が働きやすい環境を整えていく後押しをしたい」と話している。
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