こんにちは、しゅんさんぽ(@lbshun_camera)です。
突然ですが、レンズを買うときはどのようなことを重視していますか?
レンズの焦点距離や明るさなどの基本スペック、逆光耐性や周辺光量などの性能面、大きさなどの外観、重視するポイントは様々あるかと思います。基本スペックが高くて、最新技術が詰め込まれていて、しかもかっこいい。そんなレンズがあれば魅力的ですよね。しかし、そんな全部入りレンズは高くてなかなか手が出せないものです・・・。
それであれば!
スペックはほどほど、最新技術なんて一切なし、見た目も古臭い。でも、撮れる写真は味わいがあり、時には面白くもなる、そんな個性的なレンズはいかがでしょうか。
それが今回紹介する、いわゆる“オールドレンズ”と呼ばれるレンズたちです。
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オールドレンズとは
オールドレンズとは、言葉の通り「古いレンズ」のことです。明確な定義があるわけではなさそうですが、フィルム時代に使われていたレンズを指すことが多いようです。
どんどん最新の新しいレンズが出る一方で、オールドレンズ市場も賑わいを見せており、人気のレンズなどは高騰しているものもあるようです。
オールドレンズの特徴
オールドレンズの特徴としては、
- AF(オートフォーカス)が効かないので、MF(マニュアルフォーカス)でピントを合わせる必要がある
- 描写は甘め、フレアやゴーストも出やすい
- 現在は使われていないマウントがほとんどのため、マウントアダプターを使わないとカメラに装着できない
などがあります。今聞いただけでも難しそう、ハードルが高い、言ってる意味がわからないかと思いますので、一つずつ説明していきます。
ピント合わせはMF(マニュアルフォーカス)のみ
当然のように現代のカメラ(スマホも含め)は自動でピントを合わせてくれます。電子制御でピントを合わせてくれる機能、これをAF(オートフォーカス)と言います。
スマホに関しては、ピントを合わせたい部分にタッチするだけで、簡単にピント合わせができてしまいます。
オールドレンズではそんなことはできません。シャッターを半押ししても、画面にタッチしても、何の反応もありません。レンズ本体のピントリングを回して、自分でピント合わせをしなければいけません。これをMF(マニュアルフォーカス)と言います。
慣れるまでは難しかったり面倒くさかったりするかもしれませんが、写真を撮っている楽しみはAF(オートフォーカス)よりも味わえます。
描写は甘め、フレアやゴーストも出やすい
描写が甘くなりがちで、ぼんやりモヤっとしたような印象です。明瞭度やコントラストが低く、良く言うとふんわり、悪く言うと眠たい写真になりやすいです。それを活かして女性ポートレートなどで使われる人も多いです。
また、フレアやゴーストが出やすいのも特徴です。
フレアというのは、太陽などの強い光に当てた時に写真全体が白っぽくなる現象のことです。ゴーストというのは、反射した光が画像として写真に写ってしまう現象です。
この写真を例にすると、全体的に白っぽく(フレア)、画面の左上と右下に光がはっきりと写っています(ゴースト)。しかし最近では、これらを総称して「フレア」と呼ばれている気がします。
フレアとゴーストはうまく使いこなせれば表現にも変えられるので、必ずしもマイナスな訳ではありません。実際私はこのためにオールドレンズを使っているようなものです。
マウントアダプターが必要
CanonであればEFマウント、NikonであればFマウントなど、それぞれのメーカーで使用できるレンズは決まってしまっています。
オールドレンズを見てみると、M42マウント、L39マウント、MDマウントなど、聞き慣れないマウントが並んでいます。これらのレンズを使用するために、カメラとオールドレンズの間にマウントを変換するためのアダプターを挟む必要があります。
それがマウントアダプターを呼ばれるものです。
例えばSONY αシリーズでM42マウントのレンズを使おうと思うと、「M42→Eマウント」に対応したマウントアダプターを使用しなければいけません。
K&F Conceptが種類も豊富で、品質も安定しているためオススメです。
1万円以内で買えるおすすめのオールドレンズ
『Helios-44-2 58mm F2』(Helios)
平均相場:6,000円~10,000円
マウント:M42
オールドレンズの代名詞とも言えるぐらい有名な、ロシア製のレンズです。その人気のせいか少しずつ値段が上がっている印象です。私はたぶん3,000円ぐらいで買った気がします・・・。
特徴はなんと言ってもぐるぐるボケ。開放で撮ったときに背景のボケがぐるぐると渦巻いたようになります。
背景のボケがぐるぐるしています。これがなによりの特徴。
もちろん絞りと設定次第ではパキっとした写真も撮れます。
フレアとゴーストの出方はこんな感じです。個性大爆発。
他の作例はこちらの記事でも見ることができます。
『MC ROKKOR-PF 50mm F1.7』(MINOLTA)
平均相場:3,000円~5,000円
マウント:MC(MD)
国産メーカであるミノルタから発売されたレンズ。あまりの安さに衝動入札して買ったレンズです。それほど有名なレンズではないかもしれませんが、使用頻度はオールドレンズの中では一番高いと思います。
驚くような写真が撮れるわけではなくて、どちらかというと真面目なレンズ。ピントリングにラバーのぶつぶつがついているため、ピント合わせもしやすいです。
フレア、ゴーストはこちらもまた個性的。はっきりとしたリング状の虹色フレアが特徴です。これが好きなので、夕方などはこのレンズをよく使用しています。
他の作例はこちらの記事でも見ることができます。
『Super Takumar 55mm F1.8』(ASAHI PENTAX)
平均相場:3,000円~10,000円
マウント:M42
国産メーカーであるアサヒペンタックスの標準キットレンズとして発売されました。相当な数が出回っていたため、3,000円台でも状態のいいものがオークションなどに転がっています。
発売時期にはよっては違うものもあるようですが、いわゆるアトムレンズです。別名、放射能レンズ。名前だけでちょっとビビッてしまいそうです。
しかし放射能と言っても、毎日抱いて寝てもほぼ影響がない程度のようです。ですので、そこまで神経質になる必要はないかなと思います。
コントラストも比較的高く、普通にいい写りをしています。優等生すぎてちょっと物足りない気持ちにはなります。しかしこの値段でこんな優等生を買えると思うと、かなりお得な気がします。
なぜかこのレンズだけフレア出なかったです。
フレアとか出したくない時に盛大に出るのに・・・。
意味わからんぐらい出るのに・・・。
この安定感のなさも、オールドレンズの魅力です(無理やり)。
まとめ
作例を見ていただいた通り、どのレンズも多少のクセはあります。味があっていいと感じるか、やっぱり古いレンズはダメだと感じるか、好みが分かれるかなとは思います。
私はオールドレンズにハマってしまって、さまざまなレンズを試していたタイプの一人です。最近ではフレア狙いぐらいでしか積極的には持ち出していないですが、なにぶん値段が安いのでまた気付けばポチっとしてしまっている可能性が高いです・・・。
自分のカメラ本体のマウントと、レンズのマウントさえわかっていればそれほど難しいことはありません。
ぜひ気軽にオールドレンズの世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
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