広島県バス協会(広島市)は25日、どの事業者が発売した定期券でも同じ区間なら全てのバスが利用できる「共通定期券制度」を設けると発表した。まず、5月13日から広島電鉄や広島バス(同)など4社で始める。広島駅から中心市街地の八丁堀、紙屋町間を1日約3500便のバスが重複しており、乗客がバスを待つ時間を減らす。
サービス向上を狙った全国的にも珍しい取り組みだ。市内中心部エリアを運行する広島電鉄、広島バス、広島交通(同、一部路線は除く)、エイチ・ディー西広島(同)の4社が対象になる。
手続きは不要だ。交通系ICカード「PASPY」(パスピー)の定期券で印字された区間なら、定期券を発売したバス会社でなくても重複する区間を乗れる。県バス協会を通じてバス会社間でパスピーの乗車履歴をもとに精算する仕組みを構築した。
広島駅―八丁堀、紙屋町、白神社前を循環するバス「エキまちループ」の運行開始日に合わせた。広島電鉄と広島バスの2社が広島駅前の乗り場を共通にして、どちらのバスでも乗ることができる。
6月1日からは広島市北部(可部方面、高陽方面)を運行する中国ジェイアールバス(広島市)も共通定期券制度の対象路線になる。備北交通(広島県庄原市)、芸陽バス(広島県東広島市)も同制度を導入する準備作業を進めている。