Walt Disneyの研究機関Disney Researchは、家庭やオフィスにある何の変哲のない壁面を、タッチ操作などの可能なスマートウォールにする技術「Wall++」を開発した。
Wall++は、導電性塗料で壁に作ったセンシング用パターンを配線することで、壁に触れる動作などを検知できる技術。壁から少し離れたところにいるユーザーの姿勢を推測したり、部屋のなかにある電気機器の位置や動作状況を検知したりすることも可能。
スマートウォール化に必要な作業は、手間もコストも比較的少なくて済む。まず、壁面に塗料が付着しないよう格子状にテープを貼り、そこへ導電性塗料を塗ってからテープをはがすと、センシング用の電極パターンができあがる。そして、各電極を接続するように配線し、解析システムの回路とつなぐ。絶縁性のある塗料を塗り重ねて電極パターンを隠してもよい。
この壁は触れた場所を検知できて、スマートフォンなどと同じようにタッチ操作用インターフェイスとして機能する。また、静電容量の変化で近くにいる人の体勢を把握できるため、触れずに実行するジェスチャー操作の検知も可能だ。
さらに、電磁放射ノイズを出すデバイスの場所を検知する。ノイズのパターンからデバイスの種類を識別したり、特定の信号を出すリストバンドを身に着けた人を区別したりする、といった応用も考えられる。
既存の壁を安価にスマート化できるので、これまで空間を仕切るためだけに使われていた家庭やオフィス、教室、病院、博物館などの壁を、さまざまな用途に活用できるという。
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