「Nintendo Labo」が4月20日に発売された。「Nintendo Switch」と組み合わせて遊べる段ボール製の工作キットだ。Nintendo Laboを実際に体験した米CNET記者が同製品の開発プロセスや狙い、特徴などについて、開発者たちに話を聞いた。質問に応じてくれたのは、任天堂の河本浩一氏(Nintendo Switchディレクター、Nintendo Laboプロデューサー)、坂口翼氏(Nintendo Laboディレクター、ソフトリーダー)、小笠原嘉泰氏(Nintendo Laboハードリーダー)だ。下記は電子メールによる回答をまとめたものである。
--段ボールを調達するプロセスは、どのようなものでしたか。段ボール業界に関して、最も驚いたことは何ですか。
小笠原氏:段ボールの多くは主に再生紙から作られますが、再生紙には多種多様な素材が含まれている可能性があります。われわれは設計の初期段階で、Nintendo Laboで使用する段ボールを、素材が規格に準拠するものから選びました。消費者の安全を確保するため、政府はさまざまな(段ボールに関する)規格を設けています。北米と欧州、日本では、素材がその地域の規格を満たすよう、それぞれの地域ごとに段ボールシートを製造しています。
Nintendo Laboを計画する中で、組み立てやすい段ボールを探しました。組み立てやすさ、折り込むツメの部分、そのほかのいくつかの要素を最適化することを中心に設計しました。われわれがNintendo Labo用の段ボールに求めていた要件は、日用品を梱包するための段ボールのそれとは異なるはずです。けれど、当社のために段ボールを製造してくれる業者の方に要件を説明すると、われわれの段ボールシートの図面が非常に緻密だと感心してくれました。
段ボールシートとプラスチック製品の大量生産方法には、大きな違いがあります。また、当社はこれまで製品の梱包用として段ボールを使ってきましたが、ユーザーが自分で「Toy-Con」を組み立てられるような段ボールを作るというのは、全く初めての試みでした。Nintendo Laboの段ボールシートの最終デザインを決めるに当たっては、開発者としていろいろと新たな経験もありました。
--ユーザーが段ボールシートで指を切ってしまわないように、何か特別な対策をしていますか。
小笠原氏:「Toy-Con」はどれもはさみやのりを使わずに組み立てることができます。ユーザーが手を切らないようにパーツの形状にも気を配り、鋭くなりすぎないように設計しました。
--「Toy-Conガレージ」で作られたものの中で、最も印象的だったもの、または最も手が込んでいたものは何ですか。
坂口氏:かなりたくさんありますが、社内のデバッグチームの誰かが1枚の紙を切り抜いて画面にかぶせ、「ゲーム&ウオッチ」のゲームを再現したときは、本当に驚きました。そして、これは動画の1つで既に紹介済みですが、入れたコインの大きさに応じて違う光を発する貯金箱を初めて見たときは、単純な仕組みでこれだけのことができるのか、と驚きました。皆さんに、自分ならToy-Conガレージを使って何ができるだろうか、と考えてみることをぜひお勧めします。
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