【4月26日 AFP】オーストリアの首都ウイーンで23日、同市で最も著名な建築物の一つであるセセッシオン(Secession)のドーム、通称「金のキャベツ」を構成する金箔(きんぱく)かぶせた月桂樹の葉のうち6~8枚が、何者かに盗まれた。警察当局が25日、明らかにした。

「金のキャベツ」は遠くからも見ることができるウィーンでは有名なランドマーク。金の葉は鋼鉄に金箔をかぶせたもので、長さ約60センチ。1枚の価値は約1000ユーロ(約13万3000円)だという。

 1898年に建設されたアールヌーボー様式のこの建物は現在、修復工事中で、警察の広報担当者によると、犯人は23日夜にその工事用の足場を利用してドームによじ登り、金の葉を盗んだという。

 建築家のヨーゼフ・マリア・オルブリッヒ(Joseph Maria Olbrich)が手掛けたセセッシオンは、同国の芸術家協会「クンストラーハウス(Kuenstlerhaus)」を離れ、新たな団体「セセッシオン(ウィーン分離派)」を結成した画家のグスタフ・クリムト(Gustav Klimt)らの作品を収蔵、展示するために建てられた。

 工事は5月末までで、金の葉約2500枚と「ベリー」311個が修復される予定となっている。(c)AFP