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スバルの北米法人スバル・オブ・アメリカは今年で50周年を迎えました。
今では北米で確固たる地位を築き、昨年は過去最高の売り上げを記録しIIHS(米国道路安全保険協会)の安全評価でXVとWRXが最高評価を得るなど絶大なる信頼を得ていますが、その道のりは平たんなものではなく、当初の評価は散々なものであったと言います。
どうやってスバルがアメリカでその悪評を乗り越えたのか、海外のサイトで紹介していました。


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今でこそ高評価なスバルですが、1960年代に北米進出で投入したスバル360は評判が悪く、アメリカの消費者情報誌『コンシューマーレポート』では”容認できないほど危険”、”開けた道をまっすぐ走るだけで不安定”、”スタッフのほとんどのメンバーが心身ともに具合が悪くなった”、”市場で最も危険な車”と散々な評価だったそうです。
しかしスバルはそこで挫けず、『コンシューマーレポート』の影響を受けにくい地域と客層へとターゲットを絞りました。
車のブランドよりも地元ディーラーの評価を重要視する小さな町です。
スバルはバーモント州、ミネソタ州、ワシントン州、ニューハンプシャー州など仕事熱心で安くてコストのかからない比較的知られていないブランドの車を試すだけの予算を持っている人々の多い地域にターゲットを定めます。

そしてアメリカでスバル車の売り上げが急増したのはそれ以上に2つの要素が絡んでいたといいます。
1つは1973年のオイルショックで、この時にアメリカ車よりも燃費の良かった日本車とヨーロッパ車に注目が集まりました。
これで1974年に2万2980台だったスバルの売り上げは1977年に8万826台まで急上昇します。
そして燃費以上に影響力があったのが1974年にスバルが4輪駆動の投入を決めた事でした。
当時4輪駆動を搭載していたのはピックアップトラックやオフロード車位で、スバルの出した4輪駆動で扱いやすいサイズで燃費の良いファミリーカー、レオーネ(DL、GL)はスバルがターゲットとしていた田舎や地方の人々にとって神の賜物と言える位ぴったりした車だったそうです。
SUVが出る遥か前の当時、4輪駆動のファミリーカーはむしろ森林や農地での使用に向いていたのだとか。
スバルは4輪駆動のファミリーカーの宣伝に力を注ぎ、遂にはステーションワゴンがアメリカのオリンピックスキーチームの公式車に選ばれまでになりました。
そして1980年にはアメリカでの売り上げが14万台を超え、全車種に4輪駆動を搭載するようになりました。
スバルはその後もアメリカ北西部や北東部の雪の多い地域での売り上げ拡大に努め、アメリカでの売り上げここ9年間連続で売り上げは右肩上がりで2017年には65万台近い数字となっています。



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当時はスバル360を”日本の(フォルクスワーゲン)ビートル”として宣伝してたのを覚えてる。

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質問……
結局コンシューマーレポートは正しかったんだろうか?
スバル360は本当に酷い車だったのか?

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スバル成功の本当の理由はスバルをアメリカに連れてきたマルコム・ブリックリンから逃げ出せたことだろう。
スバルはラッキーだった。
※アメリカの実業家、マルコム・ブリックリンはスバル360の製造と北米販売に携わっていた

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スバル・オブ・アメリカの創業にまつわる話も面白いぞ。
凄くよく書かれた本があるんだけどタイトルは忘れてしまった。

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サウスジャージーの9号線沿いにスバルに悪名を付けようとしてたディーラーがいたな。
まだ人気になる前に売った車に追加代金を付加してた。
言うまでもなく彼の店は潰れた。

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ディーラーと製造会社の関係が両者に利益をもたらすといういい例だな。

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どうもスバルは常に本道を行かないみたいだ。
このグラフが最近の歴史を示している。

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※他の自動車メーカーがより強力なエンジン、より大きな車を作っていた当時、スバルは馬力を170馬力から148馬力に落とすという大きなリスクを取った。
これで燃費は20/27mpgから25/34mpgに向上した。
これは利益に関わらず環境にとっても良いことで、その結果は自身が証明している。
一方でGMは巨大なSUVを作って破産していた。

2011年の急上昇した所は4代目インプレッサ。

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スバル360は当時標準的な車から見てもかなり酷かったな。
それに当時はコンシューマーレポートのレビューで売り上げが悪くなるなんて事もなかった。
コンシューマーレポートの流通量は自動車業界誌よりも小さかったし、大新聞に比べたら些細な数だった。

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コンシューマーレポートのスバル360に対するレポートはかなり面白い!
あの車は本当に酷かったし。
スバルがそこから生き延びて真っ当な車を作れるようになったのは嬉しいけど、あの車は当時禁止にすべきだったな。

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面白い記事だったし、なんでニューイングランドや北東部でスバルの車をよく見かけるのかの説明にもなってたな。

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>今日において自動車メーカーが同じような事が出来ると思うだろうか?
>レビューに比重を置かない地域で活動をする事で、悪評を回避するという……
>インターネットがある今はほぼ不可能ではないだろうか。
自分はそうは思わないな。
数年前はそうだったかもしれないけど、今はありとあらゆる場所で炎上してるし、その悪評が果たして製品の実力なのか単に悪意のある人間が面白半分に悪評を流してるのか確かめる術がないからだ。

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かなりクールな話だった。
でもroadandtrack.comの話は順序が逆転してるんじゃないか。
まず初めに、スバルの車がその地域の文化に合ってたというのがあると思う。
(北東部、北西部、コロラド州など)
コンシューマーレポートのレビューを気にしない層が多かったというのは疑問だな。
その地域の人は値段が良くて機能が優れていてしっかり作られていてちょっと変わった車が好きだから。

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↑そこがポイントなんじゃないかな。
スバルはコンシューマーレポートのデータを使って自分達の車が合うだろう地域、力を注ぐ地域を決めたんだろう。
で、それが報われたと。
都市や郊外の人にじゃなく、自分達の車を上手く使ってくれる人に売る事でコンシューマーレポートを乗り越えた訳だ。

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それに北東部は車が錆びやすいから買い替えサイクルも早いしな。

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面白かった。
子供の頃、通りの向こうに農業コミュニティとコネのあるスバルディーラーがいたよ。
自分のスバル好きはここから始まったんだな。
スバルの車は他の車と全然違ってた。
今じゃそのお店はもうなくて、週末に酔っぱらいを生産する地場産ビール工場になってる。
スバルを2台持ってるけど、EJ25エンジンのお蔭で少しブランド力に陰りが出たな。
EZ36エンジンは凄く良いけど。

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↑俺はEJ25好きだけどな。

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↑好きだという事にどうこう言うつもりはないけどオイル消費量が許容できなかった。

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↑それでも自分は好きだな。
オイル量は気をつけるようにしてる。
あと、当然だけどMLSヘッドガスケットをトップエンドごと組み直してる。

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WRXに搭載された新しいFA型エンジンは凄くしっかりしてるぞ。

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自分もEJ型エンジンは好きだな。
現行3台持ってて(251、252、255)それぞれの走行距離は50万マイル(約80万km)位。

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去年2000年のフォレスターを800ドルで買った。
走行距離は15万マイル(約24万km)越え。
クラッチを入れてすぐにヘッドガスケットを交換した。
この車はかなり乗ってるけどオイルは全然減らないぞ。
なんで皆が嫌ってるのかよく分からない。

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EJ253かな?
EJ251、255、257ではオイル消費量の問題は全然なかったけど。

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70年代のホンダとGMの軋轢を思い出すな……

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スバルが安くて壊れやすい?
どんだけ時代が変わったんだ。
スバルは今や評価や機能でボルボに取って代わってる。
数年後には高級車を出すようになるだろうな。
賭けてもいい。

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今の自動車メーカーが当時のスバル位楽しいものであってほしい。

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↑今だとマツダがそれになるかな。

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↑補足しておくと、マツダは(※車は良いのに)北米での売り上げは芳しくなくて、人気を出すための販売戦略、広告、設計が全然上手くいっていない。

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↑これな。
全然知られてない。
自分もマツダは好きだ。

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>今の自動車メーカーが当時のスバル位楽しいものであってほしい。
このスバルのトラック欲しいぞ。

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スバルファンや負け犬とマーケティングに関してよく書かれた本が好きな人にお勧めなのが『Where the Suckers Moon』という本。
90年代初頭のスバルの広告キャンペーンについて書かれた本で、社長が車嫌いだったナイキの広告エージェンシーがどうやってスバルの広告で勝利を収め、失敗し、負けていったかを書いてる。

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↑誰かがその本の事を言ってくれることを期待してた。
この本は20年前に書かれてるんだけど今回の記事の内容全てカバーしてるよ。








もちろん品質向上に努めたという事もありますが自分の車が有効に活かせる地域にターゲットを絞って営業し、政治経済的なタイミングも合わさって今ではアメリカでも人気の自動車メーカーとなっています。
条件がよく似ている北海道でもスバルの人気は高いです。




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