南北首脳会談、軍事境界線の板門店で開催へ 日程と参加者
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は27日、軍事境界線上の板門店で南北首脳会談を行う。金氏は1953年の朝鮮戦争休戦以来初めて、韓国領に足を踏み入れる北朝鮮の指導者となる。
新たに発表された日程の詳細によると、文大統領は現地時間27日9時30分に、個人的に金委員長と面会するという。
歴史的な会談は、北朝鮮が先ごろ示唆した核兵器を放棄する可能性が焦点となる。ここ数年続く緊張激化の突破口ともなる。
ただ韓国政府は、北朝鮮の核およびミサイル技術が前回の首脳会談以降、非常に進歩しているため、北朝鮮政府に核兵器を放棄させることを狙いとした協定の締結に至るのは「難しい」だろうと警告している。
韓国大統領府の任鍾皙(イム・ジョンソク)秘書室長は「難しいのは、非核化の意思に関して2人の指導者がどのような段階の合意に到達することができるかだ」と述べた。
2000年、2007年に続き3度目となる南北首脳会談は、ここ数カ月における両国関係の進展が結実したもので、予定されている金氏とドナルド・トランプ米大統領による米朝首脳会談に道筋をつけるものにもなる。
北朝鮮の核への野心に対する取り組みとともに、両首脳は1950年から1953年にかけて起こった朝鮮戦争の公的な終結による朝鮮半島の平和への道筋や、一連の経済問題や社会問題についても話し合うとみられる。
サミットはどのように始まるのか?
任報道官によると、文大統領は南北の国境で金委員長および9人の随行員を出迎える。両首脳は韓国軍に先導されて軍事境界線上の板門店の広場に入り、歓迎式典が行われる。
文大統領と金委員長の公式会談は現地時間午前10時半から、板門店の「平和の家」で始まる見込みだ。
最初の会談の後、北朝鮮代表団はいったん国境を越えて帰国し、それぞれ昼食をとるという。
午後の式典では、両国から持ち寄られた土と水を使い、「平和と繁栄」を象徴する松の植樹が行われる。
会談は両首脳が合意文に署名し、共同記者会見を経て修了する見込み。韓国側で晩餐会が催され、金氏が帰国する前には「一つの春」と題された映像を鑑賞する予定だ。
誰が出席するのか?
金委員長の9人の随行員には、2月の平昌オリンピックで代表団を率いた妹の金与正(キム・ヨジョン)氏や、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員会委員長(国会議長に相当)も含まれる。
また南北会談としては初めて、軍の高官や外交官も随行することが決まっている。
任報道官は、この変化を歓迎するとコメント。「北朝鮮が軍の高官を送ってくるということは、彼らも非核化と平和が重要だと信じているのだと感じている」と話した。
「北朝鮮は南北首脳会談だけでなく、その後の米朝首脳会談や国際協調も視野に入れているように思える」
韓国からは宋永武(ソン・ヨンム)国防相や康京和(カン・ギョンファ)外相、趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相など7人の政府高官が参加する。
(英語記事 Kim Jong-un to meet Moon Jae-in at Korean border for summit)