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ノーベル文学賞、 今年の授与延期も 選考機関の女性暴行疑惑で
2018年4月26日 12:20 発信地:ストックホルム/スウェーデン
【4月26日 AFP】会員の夫が複数の女性に性的暴行を加えていたとされる問題で危機的な状況に陥っているノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)選考機関、スウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)のアンデルス・オルソン(Anders Olsson)暫定事務局長は、2018年の同賞の授与を延期する可能性があると明らかにした。公共ラジオ局スウェーデンラジオ(Swedish Radio)が25日伝えた。
オルソン氏は「それ(延期)について検討している。近くお知らせすることになる」と語った。
同ラジオによると、アカデミー会員のうち数人は、今年の賞の授与を保留し、2019年の発表時に併せて授与することを提案したという。
スキャンダルを受けて会員を辞任したペーテル・エングルンド(Peter Englund)氏は「アカデミーが現在置かれている状況に鑑み、ノーベル文学賞にとって最善を図るなら、賞の授与を1年先送りにするのが最も良いのかもしれない」とコメントした。
同氏のほかに、この数週間でサラ・ダニウス(Sara Danius)前事務局長ら4人が辞任するか活動を休止している。
一方、会員1人はスウェーデン通信(TT)に対し、授与見送りに反対の意向を示している。
18人のアカデミー会員は終身会員だが、会議や選考会に出席するかどうかは選択できる。現在活動を休止しているのは7人で、会の規則では新メンバーの指名には12人の投票参加が必要とされているため、アカデミーは困難な状況に陥っている。(c)AFP