フェイスブック、1~3月期の純利益63%増 過去最高 情報流用の影響は軽微

国際・アジア
2018/4/26 5:40
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【NQNニューヨーク=滝口朋史】米フェイスブックが25日に発表した2018年1~3月期決算は、純利益が前年同期比63%増の49億8800万ドル(約5450億円)だった。過去最高を更新した。英コンサルティング会社による情報流用問題が発覚して初の決算となったが、収益への影響は軽微だった。携帯端末向けを中心に広告事業の成長が続いた。月間利用者数も増加し、セキュリティー対策に伴う人件費の増加などを増収で吸収した。1株利益は1.69ドルと市場予想(1.35ドル)を大幅に上回った。

 売上高は49%増の119億6600万ドルで、市場予想(114億700万ドル)を上回った。スマートフォンなど携帯端末向けの広告の伸びが続き、広告売上高に占める比率は9割を超えた。広告事業の売上高は50%増と全体をけん引した。月間利用者数(MAU)は13%増の21億9600万人とほぼ市場予想並みだった。

 英ケンブリッジ・アナリティカが大量のフェイスブックの利用者情報を不正に取得し、16年の米大統領選で利用した問題を受け、フェイスブックは外部企業が集めたデータを広告事業の補完に使う取り組みを中止すると発表。「偽ニュース」への新たな対策を導入するなど情報管理の強化策も発表済みだ。市場では利用者離れやコスト増加への警戒感がくすぶっているが、1~3月期業績には影響はほとんどなかった。

 23日夕の米株式市場の時間外取引でフェイスブック株は上昇している。前日比横ばいの159.69ドルで通常取引を終え、通常取引の終値を4%あまり上回る166ドル台まで買われる場面があった。情報流用問題が3月下旬に発覚し、株価は2月1日に付けた最高値から17%超下落していた。17年10~12月期に初めて減少した北米の日次利用者数(DAU)が増加に転じるなど、現時点で情報流用の影響が出ていないことが確認され、買いが膨らんでいる。

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