任天堂は26日、古川俊太郎取締役(46)が社長に昇格する人事を発表した。君島達己社長(68)は相談役に就く。経営の若返りを図り、変化の激しいゲーム業界で継続的にヒット商品を生み出すための体制変更を進める。
古川氏は経理部門が長く、2015年に経営企画室長に就任。ゲーム機やソフトの販売計画作りにも携わり、17年3月に発売したゲーム機「ニンテンドースイッチ」のヒットに貢献した。ドイツにある欧州統括会社に約10年間駐在し、海外経験も豊富だ。
同社はゲーム機やゲームソフトの売れ行きで業績が大きく左右される。新商品の投入時期の策定など効果的な販売計画作りに精通した古川氏を起用し、業容拡大を図る。
君島氏は15年に岩田聡前社長が死去したことを受け、急きょ社長に就任。低迷していた業績をスイッチの販売で立て直した。18年3月期の連結営業利益は前期比6倍の1776億円になった。
君島氏は経営層にはゲーム購入者の中心となる若者に近い感覚が必要との見方から、社長就任以降は世代交代を模索してきた。業績が回復基調に入ったタイミングでの社長交代が最適と判断した。執行役員の数も増やして40代の若手を引き上げる。
古川 俊太郎氏(ふるかわ・しゅんたろう)94年(平6年)早大政経卒、任天堂入社。15年経営企画室長、16年取締役。東京都出身。