育児放棄された子猫を保護し、「りゅうのすけ」と名付けて半年が過ぎた。
りゅうのすけは落ち着くどころかさらに元気が増し、家族みんなで毎日てんやわんやだ。
家中を全力疾走で駆け回っていると思うと、トイレットペーパーを咥え何食わぬ顔で自分の寝床に行きビリビリにちぎり始める。
「りゅうのすけ!!! 駄目でしょ!」
家で一番怖い母に叱られてもりゅうのすけは萎縮するどころか、トイレットペーパーを取られまいと咥えて逃げるのだ。
それからは、りゅうのすけと母の闘いが始まる。
本来ならば私もその闘いに参加しなくてはいけないのだが、りゅうのすけと母のやり取りが面白く笑ってしまい私は使いものにならないのだ。
りゅうのすけの行動一つ一つが、私を楽しませてくれる。
りゅうのすけがいない日々だって楽しかった筈なのに、今では私の日常に「りゅうのすけ」はなくてはならない存在になっていた。
半年前には、想像出来なかった自分がいることに驚きを隠せないでいる。
休日のある日。
軽く昼寝をしたら、予想以上に寝てしまい「なんてことをしてしまったんだ」と自分の行いを後悔していると私のお腹を枕に寝ているりゅうのすけが目に入った。
「んー、んー」と寝言を言いながら、りゅうのすけの小さなお腹が上下に動く。
そんな姿を見ているとなんと表現したらいいのかわからない思いが、胸からこみ上げてくるのだ。
「ねぇ、どんな夢を見ているの」
私は、幸せを優しく撫でた。
うわああああああああああああん子猫欲しいよおおおおおおおおおおおおおおおおおお ママアアアアアアアアアアアアアアア猫猫猫猫おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお びええ...