米バンガード、日本でファンド直販を検討-提携にも引き続き門戸開く
Min Jeong Lee、関根裕之-
「低コストの考え方の普及を後押し」-日本部門のキム社長
-
直販実現なら戦略に変化-従来はセゾン投信など通じファンド販売
世界2位の資産運用会社バンガード・グループが、日本の個人投資家向けに投資信託の直接販売を検討している。米国に比べて知名度がまだ低い日本で存在感を高め、運用資産を増やそうとしている。
バンガードの運用資産約5兆ドル(約550兆円)のうち、日本が占める割合はごくわずかにすぎない。日本では2000年以降、パートナーと組んで投信を販売してきた。バンガードの日本部門、バンガード・インベストメンツ・ジャパンのディビッド・キム社長(45)は3月のインタビューで、直販の日程は決まっていないと述べた上で、日本での従業員を増やしたことを明らかにした。
直販が実現すればバンガードの日本部門には、戦略の大きな変化を意味する。これまで、独立系投信会社のセゾン投信などを通じてファンドを販売してきたからだ。キム社長は日本では「まだまだだ」とし、「わたしたちにはもっとできる」と語った。
バンガードでアジア地域のポートフォリオ・レビュー責任者を務めるヤン・プー氏(香港在勤)は、手数料を支払って投信を販売してもらうビジネスモデルはアジア地域でなお主流だが、結果的に投資家のコストに跳ね返ると説明した。キム社長も「バンガードは低コストの考え方の普及を後押しすることができる」と語った。
米国外ではオーストラリアで20年余りにわたって個人投資家にファンドを直販してきたバンガードは昨年、英国でも同様のサービスを開始。日本で受け入れられる「適切な方法」を検討中だとキム社長は述べた。
日本での存在感を高める取り組みとして一つとして同社は昨年、楽天投信投資顧問とも提携。キム社長によれば、他の日本企業にも門戸を開いているという。
バンガード、中国でも低コストの資産運用革命目指す-成果は数年先
原題:Vanguard Mulls a Big Change in Japan: Selling Its Funds Directly(抜粋)