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クラウドネイティブなJavaの実現にフォーカス、「Jakarta EE」をEclipse Foundationが正式にスタート

2018年4月26日


Eclipse Foundationは、クラウドネイティブなJavaの実現などを目指した新しいプロジェクト「Jakarta EE」のスタートを正式に発表しました

Jakarta EE

Jakarta EEは、Java EEをオラクルがオープンソースコミュニティに移管したものです。

ただしJavaおよびJava EEのブランドはオラクルが保有したままであるため、移管先のEclipse FoundationはJava/Java EEではない名称を付ける必要がありました。

そこでコミュニティに対して名称とロゴを募集。これらが決定したことなどから、正式にプロジェクトの開始を宣言しました。

クラウドネイティブなJavaの実現へ

Jakarta EEの前身であるJava EEは、企業向けJavaアプリケーションのフレームワークとなっていました。Jakarta EEはそれを踏まえつつ、下記のことにフォーカスするとしています。

1つはコンテナやKubernetesなどとの統合度を高め、クラウドネイティブな環境に適合したJavaフレームワークの実現です。

同社がJakarta EEの立ち上げに際して行った開発者へのアンケートによると、Jakarta EEへの要望で多かったのがマイクロサービスへサポート、KubernetesやDockerとのネイティブな統合、そしてより早いイノベーションのペースでした。

Jakarta EEではこうしたKubernetesやDockerなどクラウドネイティブな環境への対応にフォーカス。

リリースサイクルについてはまだ議論が続いているようですが、これまでよりも速いペースでバージョンアップが進むことは確実でしょう。

またJava EEの参照実装であったGlassFishもJakarta EEの下で引き続き参照実装となります。現在の予定では、2018年第3四半期にJava EE 8互換のGlassFish 5.1を、翌第4四半期にJakarta EE 8互換のGlassFish 5.2がリリースされる予定です。

コミュニティベースでの仕様策定

もう1つはコミュニティベースでの仕様の策定です。Jakarta EEの開始を発表するプレスリリースで、次のように説明されています。

Specifically, the Jakarta EE Working Group seeks to lower barriers to adoption, develop the community and manage the Jakarta EE brand on behalf of the community. Critical to this approach is the community-based specification process, with everyone encouraged to participate in an open process that more accurately reflect the needs of the wider community.

具体的には、Jakarta EEワーキンググループは、採用の障壁を低くし、コミュニティを発展させ、Jakarta EEブランドをコミュニティのために管理しようとしています。このアプローチにとって重要なのがコミュニティベースの仕様プロセスです。コミュニティのニーズをより正確に反映するために、誰も参加できるようなオープンプロセスにしていきます。

Jakarta EEの基盤となるJavaは、先月リリースされたJava 10から6カ月ごとに新バージョンがリリースされる新しいリリースサイクルに入り、速いペースでのイノベーションを実現しようとしています。Jakarta EEもおそらく今年中には、これまでよりも速いペースでのリリース計画が発表されることでしょう。

ここしばらく、Javaは停滞しているのではないかと見られても仕方のない面がありました。今年はそこからJavaが脱却する年になるのかもしれません。

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カテゴリ 開発ツール / 言語 / プログラミング
タグ  Jakarta EE , Java


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