「安倍晋三首相が退陣することになれば日本株はウリです」ときっぱり語るのは海外の年金資産の一部を日本株で運用している資産運用会社の日本人アナリスト。
アベノミクスが終焉すれば、株価は大きく下落すると読む。市場では安倍首相が辞任すれば日経平均株価が3000円は下がる、といった声が飛び交う。
確かに、アベノミクスは日本株の価格を大きく押し上げた。
第2次安倍内閣が発足した2012年12月26日の日経平均株価の終値は1万230円36銭。それから5年あまりがたった2018年1月23日には2万4129円34銭の戻り高値を付けた。この間2倍以上。高利回りをたたき出した世界有数の市場となった。
ご承知の通り、安倍首相が打ち出したアベノミクスでは、「大胆な金融緩和」政策が採られ、これが円高修正と株価上昇の引き金を引いた。
金融緩和の一環として日銀による国債や株式の取得が積極的に行われ、市場に資金を供給する一方で、国債価格を押し上げ(利回りは低下)、株高を作り上げてきた。
日銀関係者や銀行系のエコノミストといった伝統的な政策家は「リフレ」と呼ばれるこうした政策に基本的に反対しており、安倍内閣が崩壊すれば、一気に金融緩和政策が見直される可能性が出て来る。
もちろん、安倍首相の後任が誰になるかにもよるが、下馬評に上がっている自民党議員を見る限り、現状のリフレ政策をさらに強化するという人はいない。
石破茂氏は安全保障政策についての発言は多いが、経済政策はまったく未知数で、石破氏に近い人たちは異口同音に「彼は経済には関心がない」と言う。
アベノミクスを推進してきた安倍首相自身も長い間「経済に関心がない」と言われ続けてきたが、石破氏はそれ以上だという。
経済閣僚に自派の議員を付けるかどうかも微妙で、経済通とみられる議員に丸投げするのではないか、とさえ言われる。いずれにせよ、オーソドックスな金融政策へと変化していく事になりそうだ。